報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“Gynoid Multitype Sisters” 「1日目は無事終了」

2017-08-24 23:45:43 | アンドロイドマスターシリーズ
[8月11日20:00.天候:晴 宮城県宮城郡利府町 セキスイハイムスーパーアリーナ]

 スタッフA:「全プログラム終了です!」

 というスタッフの声と共に、大きく控え室で両手を挙げるボカロ達。

 初音ミク:「お疲れさまでしたーっ!」
 鏡音リン:「お疲れちゃーん!」
 鏡音レン:「お疲れさまでした!」
 巡音ルカ:「お疲れさまでした」
 MEIKO:「お疲れさまー!」
 KAITO:「お疲れさまです」
 未夢:「お疲れさまでした〜」
 Lily:「お疲れさまでした」
 結月ゆかり:「お疲れさまでした!」

 敷島がボカロ達の前に出る。

 敷島:「皆、今日はよくやってくれた。俺達もずっと見ていたけど、お客様達も大喜び!明日と明後日は別々に仙台市内またはその周辺の町のイベントに出ることになるが、今日と比べて小さなイベントだからとバカにせず、ここがボーカロイド発祥地だということをよく自覚して頑張ってくれ!」
 初音ミク:「分かりました!」
 巡音ルカ:「歌のお仕事でしたら、どんな仕事でも全力でやらせて頂きます」
 鏡音リン:「ふっふっふ〜!このセクシィ美少女ボーカロイド、リンちゃんにお任せ!」
 鏡音レン:「……と言いつつ、まさかの体当たりロケにぶつかった時、逃げないように見張っておきます」
 MEIKO:「私とLilyでロックフェス出場ってこの町じゃ初めてだから、プログラムしっかり入力してもらわないとね」
 Lily:「そうですね」
 KAITO:「ボクは握手会とソロCD発売イベントですか」
 結月ゆかり:「私は未夢さんと仙台市科学館でトークイベントですか」
 未夢:「一緒に頑張りましょうね」
 エミリー:「科学館は私とシンディも一緒に『マルチタイプの演奏会』も行う。恐らく私達のアコースティックで、何か持ち歌の披露もあるだろうから……」
 井辺:「失礼します。車の準備ができましたので、荷物を整えたら移動しましょう」
 敷島:「そうだな。平賀先生が先に仙台市内に行って、ホテルで待っててくれている。俺達も行こう」
 エミリー:「シンディ、どうした?」
 シンディ:「いえ、別に……」

 シンディは何故か浮かない顔をしていた。

 スタッフB:「すいません、プロダクションの方。出演者の皆さん宛てに届いたプレゼントはどちらに?」
 井辺:「ファンレターやアンケートなどは、私共が直接お預かりします。プレゼントにつきましては……」
 敷島:「シンディ、どうした?」
 シンディ:「あの手紙のことですけど……」
 敷島:「気にするなよ。あれはきっと、バージョン4.0が近くにいたから気をつけろって意味だろう。しかしそれはもう残骸になっていたわけだから、何も心配は無いよ」
 リン:「ふええっ!?バージョンがいたの!?」
 敷島:「ああ、ちょっとな。まあ、あくまで部品の一部が転がっていただけだったし。皆を動揺させたくなかったから、危険と判断されるまでは黙ってておこうということになったんだ」
 KAITO:「社長も人が悪いですよ。ボク達、今さらバージョンくらいで動揺しませんよ」
 MEIKO:「……と言いつつ、東京決戦の時はアタシの後ろで震えてたくせに〜?」
 KAITO:「あ、あれは昔の話だって!北海道決戦の時は、ちゃんと前に出て歌ってたよ!」
 MEIKO:「そうだったかしら?アタシのメモリーには……」
 敷島:「とにかく移動しよう。シンディ、お前は皆のファンレターと今日のアンケートを持ってくれ」
 シンディ:「分かりました」
 リン:「おお〜!こんなに沢山!?」
 KAITO:「ほんと、ファンってありがたいですよね」
 敷島:「お前達だけでなく、エミリーやシンディにも来てるんだ。『美人過ぎるガイノイドシスターズのお2人は、いつデビューしますか?』『エミリーさん、シンディさんの写真集が出たら絶対に買います!』『エミリーさんとシンディさんのスカートの深いスリットから覗くおみ足がたまりません(はあと)』とかな」
 リン:「おやおや〜?スカートの深いスリット担当のルカ姉が黙ってませんぞ〜?」

 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=5948939(参照)

 ルネ:「別に、私は衣装よりも歌で勝負だと思ってるから」

 尚、上記イラストのように、ルカの衣装のスリットは左側にしか無いが、マルチタイプ姉妹の場合はチャイナドレスのように両側にある。

[同日21:30.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 ホテルメトロポリタン仙台]

 ホテルに入った敷島エージェンシーの面々。

 敷島:「あ、なに?交替で俺の護衛だ?」
 シンディ:「はい。奥様からの厳命です
 敷島:「俺は別に、国分町に遊びに行ったりはしないぞ。今夜は
 シンディ:「既に白状されておりますので、私が一晩中護衛致します」
 敷島:「エミリーはどうしたんだ?」
 シンディ:「姉さんは井辺プロデューサーの護衛です」
 敷島:「井辺君は未婚だから、浮気の心配は無いぞ」
 シンディ:「そういうことではありません。明日は日替わりで、私と姉さんが交替します」
 敷島:「マジかよ。せっかく、高級ホテルに泊まれるようになったっていうのに……」
 シンディ:「奥様の御命令ですので、何卒ご理解くださいませ」

 口調は秘書というよりメイドであるが、有無を言わせぬ迫力があった。

 敷島:「分かったよ。ちょっと俺は井辺君と明日のことについて、軽く打ち合わせしてくる。お前はここで待っていろ
 シンディ:「いいえ。今ツアーの総責任者である社長が動かれる必要はありません」

 すると、部屋のインターホンが鳴った。

 井辺:「失礼します。何か御用ですか、社長?」
 シンディ:「これから明日の事に関する打ち合わせをしたいんですって」
 井辺:「そうなんですか?」
 敷島:「くそっ……!あー、そうだよ!今後に関わる重大な案件だ!」
 井辺:「さすが社長です。もう情報をキャッチしておられるとは……」
 敷島:「ん?」
 井辺:「実はつい今しがた、私も萌から得た情報なんですよ。シンディさんの周辺のことですね?」
 敷島:「は?」
 井辺:「実は今日、萌が科学館……埼玉のロボット未来科学館のイベントに出た時のことらしいんですが……」

 井辺が語った新情報とは、敷島が初めて耳にする内容だった。
 まあ、当たり前だ。

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