[2月26日09時00分 天候:晴 宮城県仙台市青葉区作並元木 鷹泉閣岩松旅館・売店]
朝食を終えた私達。
まだ浴衣姿の両親達は先に部屋に戻って着替えるという。
残った私達は、売店に立ち寄って土産物を覗いていた。
リサ「朝ごはんも美味しかった!」
愛原学「そりゃあ良かった」
リサ「ホテルの朝ごはんはバイキングなのがいいね!」
学「御膳タイプもあるようだが、リサの場合はバイキングの方がいいと思ったんだ」
リサ「さすがは先生!」
学「いちいち抱き着くなっての!」
次のリサとの泊まりの予定は、来月の八王子辺りだ。
藤野に朝一に行く為には、どこかで前泊しなければならない。
1番ホテルが集約されているのが八王子である為、そこのビジネスホテルに泊まることになりそうだ。
幸いチェーンホテルであれば、大抵は朝食バイキングが付いている。
学「うーん……。やっぱり、酒も欲しいなぁ……」
リサ「一緒に飲もうか?」
学「“鬼ころし”以外、酒なんか飲んだら、また変な感じに化けてしまうぞ?」
リサ「やっぱりそうかぁ……」
どうして“鬼ころし”だけ、リサの暴走を防げるのかは不明である。
一種の暗示か何かではないかと言われているが……。
リサ「笹かまぼことかある」
学「そうだな。お土産とか買って行くか?」
リサ「そうだね。ヨドバシとかコジマから頼まれてる。あと、レイチェル」
学「そういえばそうだな。ここの旅館の名前が入ったヤツなんかいいんじゃないか?」
リサ「それもそうだね。牛タンは……」
学「牛タンはお土産品としてもあるけど、冷凍だから持って帰るの大変だぞ?」
それに少し高いが、東京でも食べれる。
東京駅の『八重北食堂』とか『東京駅一番街』とかに牛タン店で出店している。
リサ「それもそうか。お菓子の方がいいかな」
学「そうした方がいい」
高橋達は……。
高橋「サーセン。アメスピください」
パール「私はアイコスの……」
学「土産買う気無いんかいw」
[同日09時45分~10時00分 天候:曇→小雪 同地区 作並温泉元湯バス停→仙台市営バス840系統車内]
ホテルをチェックアウトした私達は、雪の残る中、ホテル向かい側のバス停に向かった。
学「俺達がここから乗った時って、夏だったっけ?」
高橋「そうっスね」
バスが来るまで少し時間があったので、私達は両親をバス停の前で待たせ、以前仕事で訪れた場所を覗いてみることにした。
仙山線の奥新川駅の近くに公一伯父さんの旧宅があって、そこは隠れ家となっていたが、今は取り壊されている。
そして私達はそこから脱出する為、トロッコに乗ったのだが、それが着いた先が仙台雨傘園という日本アンブレラの保養施設跡だったのである。
日本アンブレラが潰れてから長らく廃墟になっていたらしいが、ようやく買い手が付いて、建物は取り壊され、新しいホテルが建つところであるという。
学「あー……うん。何か建ててる感じだな」
解体工事中の場所に出てしまったので、あの時は工事関係者達から怒られてしまったが、今は聞いたことのある建設会社の名前が書かれた仮囲いがされている。
日曜日ということもあり、工事は行われていない。
どうやら、ここにはもうアンブレラに関する物は何も無いようだ。
学「何も無いな……」
高橋「そうっスね」
仮囲いの隙間から中を覗いてみたが、鉄骨の骨組みがあり、新しいホテルが鋭意建設中であることが分かった。
ホテルの名前を見てみたが聞いたことの無い名前であり、アンブレラとの関係は分からない。
後でこのホテル経営会社について、調べてみることにしよう。
バス停に戻ると、何だか雪がちらついてきた。
朝起きた時は日が出ていたのに、山の天気は変わりやすい。
逆を言えば、街に出さえすれば、雪からおさらばできるということである。
高橋「ちょっと一服させて頂きゃす」
学「あいよ」
バス停の前はタバコも販売している酒屋があり、店の前には吸い殻入れがいる。
そして、自販機と公衆電話、郵便ポストまであった。
学「おっ、来た来た」
しばらく待っていると、廃止された区間の方から、大型の路線バスがやってきた。
片側1車線の道路では大型車は転回できないから、もしかしたら旅客運送用としては廃止になったとしても、回送線としては生き残っているのかもしれない。
旧・作並深沢山バス停は転回場にもなっているからだ。
ただ、ここから更に山に入った場所にある為、ここよりも更に雪深いのかもしれない。
だからか、バスはチェーンを巻いていた。
そして、バスは停留所に止まり、中扉を開ける。
車種自体は、一般の路線バスと同じだ。
バスに乗り込むと、後ろの席に座った。
学「これは……」
ノンステップバスだが、比較的古いタイプ。
最後部の座席は背もたれが高く、しかも足が伸ばせる。
それでもって、モケットの柄を見ると……。
学「横浜市営バスの中古車だな」
父「ほお?」
モケットは全体的に水色だが、模様が『大きな吊り橋』だったり、『超高層建築物』だったり、『女性物の靴』だったりする物が入っている。
それは『レインボーブリッジ』『横浜ランドマークタワー』『赤い靴』なのだろう。
宮城交通に横浜市営の中古車が入っていたことはあったが、最近では仙台市営にも入るようになっている。
古いタイプのノンステップバスだから座席数は少なく、しかしその分シートピッチは広い。
私とリサ、両親は1番後ろに座り、高橋とパールはそのすぐ前の2人席に腰かけた。
リサは座席の上に、旅館で買った土産物を置く。
リサ「取りあえずこれが、『魔王軍』の皆へのお土産」
学「うん。いいんじゃない」
発車の時刻になり、バスは中扉を閉めて出発した。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ いつも市営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは白沢車庫前、東北大学病院前、県庁市役所前経由、仙台駅前行きです。次は作並温泉仲町、作並温泉仲町でございます〕
父「ん?このバス、大学病院の前を通るのか。なるほど……」
学「今日は日曜日だから、外来はやってないよ?」
父「知ってる。だが、外来は休みでも、そこ以外の施設は開いていたりするもんだ」
学「んん?」
バスが走行している国道48号線は除雪がしっかりされてはいるものの、路肩には案外多くの雪が寄せられている。
本当に市街地は全く雪が無いのか疑わしく思うほど。
チェーンの音を鳴らして、バスは国道の上り線を進む。
朝食を終えた私達。
まだ浴衣姿の両親達は先に部屋に戻って着替えるという。
残った私達は、売店に立ち寄って土産物を覗いていた。
リサ「朝ごはんも美味しかった!」
愛原学「そりゃあ良かった」
リサ「ホテルの朝ごはんはバイキングなのがいいね!」
学「御膳タイプもあるようだが、リサの場合はバイキングの方がいいと思ったんだ」
リサ「さすがは先生!」
学「いちいち抱き着くなっての!」
次のリサとの泊まりの予定は、来月の八王子辺りだ。
藤野に朝一に行く為には、どこかで前泊しなければならない。
1番ホテルが集約されているのが八王子である為、そこのビジネスホテルに泊まることになりそうだ。
幸いチェーンホテルであれば、大抵は朝食バイキングが付いている。
学「うーん……。やっぱり、酒も欲しいなぁ……」
リサ「一緒に飲もうか?」
学「“鬼ころし”以外、酒なんか飲んだら、また変な感じに化けてしまうぞ?」
リサ「やっぱりそうかぁ……」
どうして“鬼ころし”だけ、リサの暴走を防げるのかは不明である。
一種の暗示か何かではないかと言われているが……。
リサ「笹かまぼことかある」
学「そうだな。お土産とか買って行くか?」
リサ「そうだね。ヨドバシとかコジマから頼まれてる。あと、レイチェル」
学「そういえばそうだな。ここの旅館の名前が入ったヤツなんかいいんじゃないか?」
リサ「それもそうだね。牛タンは……」
学「牛タンはお土産品としてもあるけど、冷凍だから持って帰るの大変だぞ?」
それに少し高いが、東京でも食べれる。
東京駅の『八重北食堂』とか『東京駅一番街』とかに牛タン店で出店している。
リサ「それもそうか。お菓子の方がいいかな」
学「そうした方がいい」
高橋達は……。
高橋「サーセン。アメスピください」
パール「私はアイコスの……」
学「土産買う気無いんかいw」
[同日09時45分~10時00分 天候:曇→小雪 同地区 作並温泉元湯バス停→仙台市営バス840系統車内]
ホテルをチェックアウトした私達は、雪の残る中、ホテル向かい側のバス停に向かった。
学「俺達がここから乗った時って、夏だったっけ?」
高橋「そうっスね」
バスが来るまで少し時間があったので、私達は両親をバス停の前で待たせ、以前仕事で訪れた場所を覗いてみることにした。
仙山線の奥新川駅の近くに公一伯父さんの旧宅があって、そこは隠れ家となっていたが、今は取り壊されている。
そして私達はそこから脱出する為、トロッコに乗ったのだが、それが着いた先が仙台雨傘園という日本アンブレラの保養施設跡だったのである。
日本アンブレラが潰れてから長らく廃墟になっていたらしいが、ようやく買い手が付いて、建物は取り壊され、新しいホテルが建つところであるという。
学「あー……うん。何か建ててる感じだな」
解体工事中の場所に出てしまったので、あの時は工事関係者達から怒られてしまったが、今は聞いたことのある建設会社の名前が書かれた仮囲いがされている。
日曜日ということもあり、工事は行われていない。
どうやら、ここにはもうアンブレラに関する物は何も無いようだ。
学「何も無いな……」
高橋「そうっスね」
仮囲いの隙間から中を覗いてみたが、鉄骨の骨組みがあり、新しいホテルが鋭意建設中であることが分かった。
ホテルの名前を見てみたが聞いたことの無い名前であり、アンブレラとの関係は分からない。
後でこのホテル経営会社について、調べてみることにしよう。
バス停に戻ると、何だか雪がちらついてきた。
朝起きた時は日が出ていたのに、山の天気は変わりやすい。
逆を言えば、街に出さえすれば、雪からおさらばできるということである。
高橋「ちょっと一服させて頂きゃす」
学「あいよ」
バス停の前はタバコも販売している酒屋があり、店の前には吸い殻入れがいる。
そして、自販機と公衆電話、郵便ポストまであった。
学「おっ、来た来た」
しばらく待っていると、廃止された区間の方から、大型の路線バスがやってきた。
片側1車線の道路では大型車は転回できないから、もしかしたら旅客運送用としては廃止になったとしても、回送線としては生き残っているのかもしれない。
旧・作並深沢山バス停は転回場にもなっているからだ。
ただ、ここから更に山に入った場所にある為、ここよりも更に雪深いのかもしれない。
だからか、バスはチェーンを巻いていた。
そして、バスは停留所に止まり、中扉を開ける。
車種自体は、一般の路線バスと同じだ。
バスに乗り込むと、後ろの席に座った。
学「これは……」
ノンステップバスだが、比較的古いタイプ。
最後部の座席は背もたれが高く、しかも足が伸ばせる。
それでもって、モケットの柄を見ると……。
学「横浜市営バスの中古車だな」
父「ほお?」
モケットは全体的に水色だが、模様が『大きな吊り橋』だったり、『超高層建築物』だったり、『女性物の靴』だったりする物が入っている。
それは『レインボーブリッジ』『横浜ランドマークタワー』『赤い靴』なのだろう。
宮城交通に横浜市営の中古車が入っていたことはあったが、最近では仙台市営にも入るようになっている。
古いタイプのノンステップバスだから座席数は少なく、しかしその分シートピッチは広い。
私とリサ、両親は1番後ろに座り、高橋とパールはそのすぐ前の2人席に腰かけた。
リサは座席の上に、旅館で買った土産物を置く。
リサ「取りあえずこれが、『魔王軍』の皆へのお土産」
学「うん。いいんじゃない」
発車の時刻になり、バスは中扉を閉めて出発した。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ いつも市営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは白沢車庫前、東北大学病院前、県庁市役所前経由、仙台駅前行きです。次は作並温泉仲町、作並温泉仲町でございます〕
父「ん?このバス、大学病院の前を通るのか。なるほど……」
学「今日は日曜日だから、外来はやってないよ?」
父「知ってる。だが、外来は休みでも、そこ以外の施設は開いていたりするもんだ」
学「んん?」
バスが走行している国道48号線は除雪がしっかりされてはいるものの、路肩には案外多くの雪が寄せられている。
本当に市街地は全く雪が無いのか疑わしく思うほど。
チェーンの音を鳴らして、バスは国道の上り線を進む。
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