[5月8日11:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区・DCJロボット未来科学館・会議室]
アメリカ製の2足歩行人型ロボットというくらいだから、敷島はつい“ロボコップ”みたいなものを想像していた。
それはアリスも同じ。
せいぜい、“ターミネーター”みたいなものだろうと……。
「これが、アルバート氏の開発・製造したマルチタイプです」
西山が極秘資料を見せてくれた。
「これは……」
「!?」
因みに人間そっくりのロボットを作ろうという発想は、日本だけらしい。
エミリーやシンディは旧ソ連製だが、これは冷戦時代、スパイ用として開発されたから。
アメリカだとそんな発想も無いだろうから、ゴッツイのを作ったのだろうと思った。
「……普通に人間そっくりですな」
敷島が首を傾げたのは、2機同時製造されたということだから、双子機なのだろう。
それはつまり、ボーカロイドでいう鏡音リン・レンと同じだ。
実際、金髪・碧眼の顔立ち、そして1号機(α)が姉で2号機(β)が弟という設定もよく似ていた。
違うのは設定年齢。
リンとレンが14歳という設定なのに対し、そちらは20歳から25歳というややアバウトな設定。
つまり、リンとレンを大人にしたと見て良い。
これではまるで、シンディではなく、リンとレンをモデルにしたようだ。
因みに、名前はα号機をジャニス、β号機をルディという。
西洋人のような、そうでないような名前である。
スペックを見ると、右手を銃火器に自動換装したり、左手から高圧電流を放つといった内容はこちら側のマルチタイプとほぼ同じである。
動力がアルエットと同じく、燃料電池ということから、もし仮に暴走しているとするならば、そこを叩けば爆発させることができるだろう。
最新の資料によると、アメリカ内部に潜んでいたイスラム国(IS)の下部組織を殲滅する際、抵抗をやめた者まで射殺したという。
「これ、マズいんじゃないですか?」
「アメリカの感覚では、テロリストの射殺にロイドを使うことはいいのかもしれないが、両手を挙げた者まで射殺するとは、ちょっとやり過ぎだね」
「アルバート所長の命令でしょうか?」
敷島の疑問に、西山は首を傾げた。
「いや、本社からは聞いてないなぁ……。とにかく私も聞いた限り、この2体だけで、ほぼ警察の特殊部隊の介入など必要無いくらいに活躍したそうだ」
「日本ではアウトですね。日本の警察は変にプライド高いから、シンディはあくまでも後衛にさせないと気が済まないんですよ。誤射と見せかけて、ついでに鷲田警視の頭を1発、ズガーンと……」
「ほお?誰の頭をズガーンとやるのかね?」
「だから、頭がカッチカチのスーパーキャリア刑事、鷲田警視の……って、ああーっ!?」
いつの間にか、鷲田警視と村中課長がいた。
「キミにだけは、何かしら予防拘禁が必要かもしれんな」
「1ヶ月と1週間遅れのエイプリル・フールですw」
「タチの悪いエイプリル・フールはやめてもらおう!」
というわけで、会議には警視庁の鷲田警視と村中課長も加わった。
「日本の警察が動いているということは、対岸の火事がこっちに飛び火して来ましたか?」
と、敷島。
「それなんだが、向こうの警察から依頼があったんだ。インターポール(国際刑事警察機構)を通じてな」
鷲田が腕組みをして答えた。
「向こうの警察?」
「デイライトのアーカンソー研究所のある州警察がな、マルチタイプと、とても太刀打ちできないらしい」
「へえ?だったら、軍隊が出動すれば?」
「そんなことをしたら、州警察の面目も潰れてしまうし、そもそもデイライトさんの面目も潰れるだろうね」
と、村中課長が皮肉っぽく言った。
「まだ警察が対応しているレベルに抑えておけば、今回のことは開発中のロボットがたまたま暴走してしまった。1人の研究者、つまりアルバート氏だね。彼に責任を負わせて厄介払いすれば、それで話を済ませることができるというわけだ」
「何か、卑怯だなぁ……。でも、本当にアルバート所長って悪者なのかなぁ?」
と、敷島。
「今さら何よ?『結構冷たそうな人間だった』って言ってたじゃない!」
アリスがダンナの発言をなじる。
「いや、確かにクールな人物ではあったけど、テロへの憎悪は人一倍って感じだった。そんな人が“ブーメラン”投げるようなことするかなぁ……」
「敷島社長は、結局何が起きてると思っているんだい?」
と、中村課長。
「このマルチタイプが暴走したってところですかねぇ……。変に自信家な人でもあった感じだったから、自分の作ったロイドが制御不能に陥ったなんて恥ずかしくて言えないでしょうしねぇ……」
「そんな簡単に制御不能に陥るものなのかね?だとしたら、そこの殺人機械も危険だということになるな?」
鷲田は侮蔑するように、シンディを見ながら言った。
シンディは特段表情を変えることは無かったが、代わりに、
「ちょっと!シンディを侮蔑するのはやめてよね!じー様の最高傑作なんだから、そこらの並の人間よりよっぽど優れてるんだからっ!」
「だからこそ、制御できる人間も限られているということだな。ま、世界的なマッドサイエンティストの孫娘と、テロリストを泣かせる不死身男が管理しているんだから当然か」
鷲田の言葉に西山が頷いた。
「元は軍事用として開発された彼女達です。警視の仰る通りですな」
「敷島社長の予想が本当だとして、館長はどうしてアルバート氏が制御に失敗したと思いますか?」
「うーん……。色々と考えられるので、何とも言えませんな。少なくともあのマルチタイプ達は、アメリカ側に取っては試作機であったわけです。つまり、製造してからも色々な実験を行うわけですね。その課程で、何かミスがあったのかもしれません」
「……よし。分かった」
鷲田はポンと膝を叩いた。
「すぐにアメリカに行く準備をしろ」
「は!?」
「向こうの警察から協力依頼が来てると言っただろう?まだ今のところ、件の殺人ロボット達は大人しくしているようだが、いつまた暴れ出すか分からん。これはキミ達にとっても、重要な話であると思わんかね?」
「えっ?」
「いいか?それは『対岸の火事』ではない。『他山の石』だ。このまま奴らを野放しにしておくと、こちら側の評判も悪くなるとは考えんのかね?」
「し、シンディはもう人殺しなんかさせないわよ!」
「だから、それを証明する為に現時点で殺人を犯しているロボット達を取り締まりに行くのだ。そうすれば、頭がカッチカチの私も納得することができるだろう」
「そうかなぁ……」
敷島は腕組みをして考えた。
「ああ、そうそう。因みに交通費や宿泊費、その他輸送費は全部向こうさんで出してくれるそうだ。それどころか、協力内容が成功したら報酬も出すということだよ」
「シンディ!すぐにリトルロック(アーカンソー州の州都)までの航空チケットを買って来なさい!」
シンディかシンディに命令した。
「かしこまりました。マスター」
「マジかよ……。パスポート更新してたっけ、俺?」
「おいおい。世界デビューを目指すボーカロイド事務所の社長さんが何を言ってるんだい?」
村中が皮肉めいた顔で言った。
アメリカ製の2足歩行人型ロボットというくらいだから、敷島はつい“ロボコップ”みたいなものを想像していた。
それはアリスも同じ。
せいぜい、“ターミネーター”みたいなものだろうと……。
「これが、アルバート氏の開発・製造したマルチタイプです」
西山が極秘資料を見せてくれた。
「これは……」
「!?」
因みに人間そっくりのロボットを作ろうという発想は、日本だけらしい。
エミリーやシンディは旧ソ連製だが、これは冷戦時代、スパイ用として開発されたから。
アメリカだとそんな発想も無いだろうから、ゴッツイのを作ったのだろうと思った。
「……普通に人間そっくりですな」
敷島が首を傾げたのは、2機同時製造されたということだから、双子機なのだろう。
それはつまり、ボーカロイドでいう鏡音リン・レンと同じだ。
実際、金髪・碧眼の顔立ち、そして1号機(α)が姉で2号機(β)が弟という設定もよく似ていた。
違うのは設定年齢。
リンとレンが14歳という設定なのに対し、そちらは20歳から25歳というややアバウトな設定。
つまり、リンとレンを大人にしたと見て良い。
これではまるで、シンディではなく、リンとレンをモデルにしたようだ。
因みに、名前はα号機をジャニス、β号機をルディという。
西洋人のような、そうでないような名前である。
スペックを見ると、右手を銃火器に自動換装したり、左手から高圧電流を放つといった内容はこちら側のマルチタイプとほぼ同じである。
動力がアルエットと同じく、燃料電池ということから、もし仮に暴走しているとするならば、そこを叩けば爆発させることができるだろう。
最新の資料によると、アメリカ内部に潜んでいたイスラム国(IS)の下部組織を殲滅する際、抵抗をやめた者まで射殺したという。
「これ、マズいんじゃないですか?」
「アメリカの感覚では、テロリストの射殺にロイドを使うことはいいのかもしれないが、両手を挙げた者まで射殺するとは、ちょっとやり過ぎだね」
「アルバート所長の命令でしょうか?」
敷島の疑問に、西山は首を傾げた。
「いや、本社からは聞いてないなぁ……。とにかく私も聞いた限り、この2体だけで、ほぼ警察の特殊部隊の介入など必要無いくらいに活躍したそうだ」
「日本ではアウトですね。日本の警察は変にプライド高いから、シンディはあくまでも後衛にさせないと気が済まないんですよ。誤射と見せかけて、ついでに鷲田警視の頭を1発、ズガーンと……」
「ほお?誰の頭をズガーンとやるのかね?」
「だから、頭がカッチカチのスーパーキャリア刑事、鷲田警視の……って、ああーっ!?」
いつの間にか、鷲田警視と村中課長がいた。
「キミにだけは、何かしら予防拘禁が必要かもしれんな」
「1ヶ月と1週間遅れのエイプリル・フールですw」
「タチの悪いエイプリル・フールはやめてもらおう!」
というわけで、会議には警視庁の鷲田警視と村中課長も加わった。
「日本の警察が動いているということは、対岸の火事がこっちに飛び火して来ましたか?」
と、敷島。
「それなんだが、向こうの警察から依頼があったんだ。インターポール(国際刑事警察機構)を通じてな」
鷲田が腕組みをして答えた。
「向こうの警察?」
「デイライトのアーカンソー研究所のある州警察がな、マルチタイプと、とても太刀打ちできないらしい」
「へえ?だったら、軍隊が出動すれば?」
「そんなことをしたら、州警察の面目も潰れてしまうし、そもそもデイライトさんの面目も潰れるだろうね」
と、村中課長が皮肉っぽく言った。
「まだ警察が対応しているレベルに抑えておけば、今回のことは開発中のロボットがたまたま暴走してしまった。1人の研究者、つまりアルバート氏だね。彼に責任を負わせて厄介払いすれば、それで話を済ませることができるというわけだ」
「何か、卑怯だなぁ……。でも、本当にアルバート所長って悪者なのかなぁ?」
と、敷島。
「今さら何よ?『結構冷たそうな人間だった』って言ってたじゃない!」
アリスがダンナの発言をなじる。
「いや、確かにクールな人物ではあったけど、テロへの憎悪は人一倍って感じだった。そんな人が“ブーメラン”投げるようなことするかなぁ……」
「敷島社長は、結局何が起きてると思っているんだい?」
と、中村課長。
「このマルチタイプが暴走したってところですかねぇ……。変に自信家な人でもあった感じだったから、自分の作ったロイドが制御不能に陥ったなんて恥ずかしくて言えないでしょうしねぇ……」
「そんな簡単に制御不能に陥るものなのかね?だとしたら、そこの殺人機械も危険だということになるな?」
鷲田は侮蔑するように、シンディを見ながら言った。
シンディは特段表情を変えることは無かったが、代わりに、
「ちょっと!シンディを侮蔑するのはやめてよね!じー様の最高傑作なんだから、そこらの並の人間よりよっぽど優れてるんだからっ!」
「だからこそ、制御できる人間も限られているということだな。ま、世界的なマッドサイエンティストの孫娘と、テロリストを泣かせる不死身男が管理しているんだから当然か」
鷲田の言葉に西山が頷いた。
「元は軍事用として開発された彼女達です。警視の仰る通りですな」
「敷島社長の予想が本当だとして、館長はどうしてアルバート氏が制御に失敗したと思いますか?」
「うーん……。色々と考えられるので、何とも言えませんな。少なくともあのマルチタイプ達は、アメリカ側に取っては試作機であったわけです。つまり、製造してからも色々な実験を行うわけですね。その課程で、何かミスがあったのかもしれません」
「……よし。分かった」
鷲田はポンと膝を叩いた。
「すぐにアメリカに行く準備をしろ」
「は!?」
「向こうの警察から協力依頼が来てると言っただろう?まだ今のところ、件の殺人ロボット達は大人しくしているようだが、いつまた暴れ出すか分からん。これはキミ達にとっても、重要な話であると思わんかね?」
「えっ?」
「いいか?それは『対岸の火事』ではない。『他山の石』だ。このまま奴らを野放しにしておくと、こちら側の評判も悪くなるとは考えんのかね?」
「し、シンディはもう人殺しなんかさせないわよ!」
「だから、それを証明する為に現時点で殺人を犯しているロボット達を取り締まりに行くのだ。そうすれば、頭がカッチカチの私も納得することができるだろう」
「そうかなぁ……」
敷島は腕組みをして考えた。
「ああ、そうそう。因みに交通費や宿泊費、その他輸送費は全部向こうさんで出してくれるそうだ。それどころか、協力内容が成功したら報酬も出すということだよ」
「シンディ!すぐにリトルロック(アーカンソー州の州都)までの航空チケットを買って来なさい!」
シンディかシンディに命令した。
「かしこまりました。マスター」
「マジかよ……。パスポート更新してたっけ、俺?」
「おいおい。世界デビューを目指すボーカロイド事務所の社長さんが何を言ってるんだい?」
村中が皮肉めいた顔で言った。
せっかく帰省したのだから、1日遅い母の日のプレゼントでも買ってから昼飯にするか。
……え?何だって?学会員のラーメン屋かって?
いやいや、フツーにモスバーガーにしますw
このマニアックさが鉄道には無く、たまりませんな。
さて、荒井駅から再び地下鉄東西線に乗って、再び市街地へ向かうとするか。
これで一周したことになるんでね。
2時間に1本というローカル路線バスである。
幸い、このバスでもSuicaが使えた。
車種は日野レインボーU+2161の中型ワンステップ。
これのノンステップタイプなら、東武バスにもいる。
また、これのロングボディタイプ(通称、ダックスフント)は都営バスにも東武バスにもいる。
というわけで、乗り鉄&乗りバスすることにしてみた。
取りあえず、実家の近くから仙台市地下鉄東西線に乗って、仙台駅まで。
それから徒歩でJR仙石線のあおば通駅まで移動した。
たまたま停車していた各駅停車、多賀城行きに乗り込んで、今は発車待ち。
205系3100番台だが、まあ、クハ車の内装は205系に209系を2で割ったようなもの。
中間車だけを見れば、埼京線にまだ1台だけ残っている205系のまんまだ。
それもそのはず。
仙石線の205系の一部、今私が乗っている車両は埼京線からの転用車だから。
ラーメン屋さんは普通、焼き鳥屋さんは美味しいですよ。
どちらも外に向かっての商売ですから、いい加減な作りでは無かったように記憶しています。
外に向かって商売することが大事なのかもしれません。
先ほど、仙台駅前に到着しました。
現在、乗り換え先の始発電車を待っているところです。
ありがとうございます。
私はたまたま休みだったから行った程度だったりしますが、改めて御言葉を拝したいと思います。
学会のラーメン屋と法華講のお店のお味はいかがでしたか?
と、嵐を呼ぶ話しを掘り起こす、船長登場!w
法華講員のお店て、御山の殿様商売をしてる所しか知らないからな。
味にしても、美味いと思えるレベルではない。
かたや学会系だと、これまた、三色旗を掲げて学会員のお店です。て所しか知らないです。
仲間意識の商売なのか、普通だよね。て所か、学会員しか来ないでなあなあで商売してるんじゃないの? と思うような所しか知らない。
だから、味は信心云々とか関係なし。
逆に他宗の門前町のお店とかの方が、美味しい物が食べられる。
確か御祖母様の法要?でしたっけ?
先の十王の話は、雲羽さんの法要の事が頭にあったので、死後の世界の事を「暁鐘」から引っ張り出しました。
そして、それに続く記事で、猊下様のお言葉で、学会に対する言葉が出てきてたので、去年の夏期講習会の事ですが、記事にしました。
猊下様自ら、あのように仰せなのは事実ですから。
「私たちしか救ってあげられないのです。」と。
それを示す意味でも、雲羽さんのお役に立つなら、と思ったまでで。
迷惑だったらごめんなさい。
私の処は真剣に目の色変えて、やってますから。
記事を打つのが疲れましたww
どうぞ、行かれる道中お気をつけて(`・ω・´)ゞ
愛国 清澄 拝
乗車バスにつきましては、後ほどお知らせ致します。