[1月29日15時00分 天候:霙 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・愛原の部屋]
徹夜勤務明けの今日、私は帰宅すると、自室で仮眠を取っていた。
昼間に寝ようとすると、なかなか深い眠りに就けない。
そのせいか夢を見た。
それはかつて、ゾンビパラダイスと化した某県霧生市において、私と高橋でゾンビ無双していた夢だった。
そして場面は変わって、霧生市郊外の山の麓にある大寺院・大山寺。
その大講堂の地下には防災センターがあったが、そこは一時、私達の境内探索の拠点となっていた。
防災センターの監視室の隣は仮眠室となっており、そこで仮眠を取ったこともあった。
そして、そこで仮眠を取っていると、外から銃声や悲鳴が聞こえてきて……。
愛原「ん?」
悲鳴ではないが、何やら外が騒がしくて目が覚めた。
そういえば、初めて会ったリサ、仰向けに倒れてる私の前に現れて、わざとスカートの中を見せてきたっけ。
セーラー服のスカートの下はブルマもスパッツも穿いておらず、当時まだ12歳にも満たなかった幼女の幼い白いショーツが視界に広がったっけ。
……って、私は何を思い出してるんだ。
遮光性の強いカーテンを開くと、外の明かりが一気に差し込んで来る。
とはいえ、そこまで明るいわけではないのは、けして天気は良くないからだ。
ヘリコプターの音が上空から聞こえ、下からは……。
〔「こちらは警視庁本所警察署です。菊川地区はBSAAの緊急出動により、警戒区域に指定されました。警報解除までは外出を控え、家の戸締りを厳重に行ってください。……」〕
と、パトカーが広報している。
BSAAが緊急出動した!?
一体どういうことだ!?
私は飛び起きると、すぐに私服に着替えて部屋を飛び出した。
そして、階段を駆け下りて、3階に向かった。
愛原「おい!一体何があった!?」
高橋「あっ、先生!大変です!」
リビングには高橋がいた。
テレビが点いていて、そのテレビでは緊急特番をやっていた。
高橋「俺達が前に住んでいたマンション、住民がゾンビ化したらしいです!」
愛原「はあ!?」
高橋「もう既に何人か食い殺されたってんで、それでBSAAが出動してるんですよ!」
愛原「何だって、前のマンションでゾンビ化なんか!?」
高橋「リサがウィルスばら撒きましたかね?」
愛原「バカな。仮にリサのウィルスのせいだとしても、ゾンビ化が遅すぎる。初期のTウィルスは……って、ちょっと待て。今のリサはTウィルスを持ってないぞ?」
今のリサが保有してるのはGウィルスと特異菌だけ。
Tウィルスに感染した蜘蛛を食べて、一時期はそれも保有したが、後に特異菌に侵食されて消えてしまっている。
しかもその頃には、既に今の住まいに転居した後なので。
それとも、まだリサがTウィルスを保有していた頃の話だろうか?
だとしても、やっぱり遅い。
アメリカのラクーン市の郊外で最初に発生したバイオハザードでさえ、感染者が感染してからゾンビ化するまで1週間ほど掛かっている。
今はかなり変異してしまっている為、感染してから数時間でゾンビ化するのが普通だ。
愛原「……って、あれ?リサとパールは?」
高橋「リサはまだ起きて来てません。パールは今、近所のスーパーで買い物中で。戒厳令が出たせいで、帰れないんじゃないっスかね」
愛原「マジか……」
〔「……はい、私は今、都営地下鉄新宿線の菊川駅前に来ております。御覧頂けますでしょうか?現在、新大橋通りは、菊川駅より西方面が全面通行止めになっており、その手前の三ツ目通りが大渋滞となっております。……こうして時折、BSAAのヘリコプターの音や、銃声が聞こえてきます」〕
愛原「うわ、マジか……」
〔「現場となっている菊川1丁目では避難命令が出されており、その他の2丁目と3丁目では避難勧告が出ております。避難が遅れた住民の方につきましては、警報が解除されるまで、屋内退避命令が出ております。事件は今日正午頃、菊川1丁目のマンションにて、Tウィルスの感染者による殺傷事件が発生したことに端を発します。そして警察の調べによりますと、マンションの住人の殆どが感染しており、来訪者を次々に殺傷していたことが明らかとなりました。感染の原因については現在調べてを進めておりますが……」〕
高橋「これ、100パー、リサが疑われますよ?」
愛原「疑われたところで、証拠が無いだろうが」
Tウィルスの特徴の1つに、変異性がとても強いというのがある。
インフルエンザやコロナもそうだが、変異性の強いウィルスは毒性は強いものの、変異していくうちにその毒性が弱まっていくのがセオリーである。
そしてそれは、Tウィルスも例外ではない。
仮にリサの体内にあったTウィルスがマンション内に蔓延していたとしても、今頃はとっくに変異の限りを尽くし、もはや毒性など無いに等しい状態のはずなのである。
もしも仮に住人がTウィルスに感染していたのだとしたら、今日か昨日には感染しないとおかしい。
しかし、それならリサにはアリバイがある。
昨日は埼玉にいたわけだし、帰京したのも今日の午前中であり、リサの場合は帰宅してから一切外出していない。
リサ「……何かあったの?外、すっごいうるさいんだけど……」
そこへリサが寝惚け眼で起きて来た。
愛原「リサも起こされたか。実は俺もなんだ。……ってリサ、寝ぐせすっげぇ……」
リサ「えっ!?あっ!」
リサは顔を真っ赤して、慌てて洗面所に走っていった。
リサにとってはブルマ姿よりも、寝ぐせの方が恥ずかしいらしい。
愛原「しかし、起きたものはしょうがない。せめて、パールが帰れればなぁ……」
高橋「すぐ近くのスーパーですし、俺が迎えに行きましょうか?」
愛原「いや、しかし……」
〔「……現在、屋内退避の協力をお願いしております。不要不急の外出は控えるよう、お願い致します。こちらは、警視庁……」〕
愛原「……って、言ってますが?」
高橋「出掛けるんじゃなく、帰るんだっつの!」
愛原「取りあえず、状況は知っておきたい。ちょっと屋上に出てみよう」
高橋「屋上に出ても、前のマンションは見えませんが?」
愛原「BSAAのヘリコプターの動きとか、分かるだろう」
高橋「はあ……」
リサ「わたしも行く」
リサは体操服の上から、学校のジャージの上着を羽織った。
愛原「その恰好で?」
リサ「うん!」
さすがはBOWである。
徹夜勤務明けの今日、私は帰宅すると、自室で仮眠を取っていた。
昼間に寝ようとすると、なかなか深い眠りに就けない。
そのせいか夢を見た。
それはかつて、ゾンビパラダイスと化した某県霧生市において、私と高橋でゾンビ無双していた夢だった。
そして場面は変わって、霧生市郊外の山の麓にある大寺院・大山寺。
その大講堂の地下には防災センターがあったが、そこは一時、私達の境内探索の拠点となっていた。
防災センターの監視室の隣は仮眠室となっており、そこで仮眠を取ったこともあった。
そして、そこで仮眠を取っていると、外から銃声や悲鳴が聞こえてきて……。
愛原「ん?」
悲鳴ではないが、何やら外が騒がしくて目が覚めた。
そういえば、初めて会ったリサ、仰向けに倒れてる私の前に現れて、わざとスカートの中を見せてきたっけ。
セーラー服のスカートの下はブルマもスパッツも穿いておらず、当時まだ12歳にも満たなかった幼女の幼い白いショーツが視界に広がったっけ。
……って、私は何を思い出してるんだ。
遮光性の強いカーテンを開くと、外の明かりが一気に差し込んで来る。
とはいえ、そこまで明るいわけではないのは、けして天気は良くないからだ。
ヘリコプターの音が上空から聞こえ、下からは……。
〔「こちらは警視庁本所警察署です。菊川地区はBSAAの緊急出動により、警戒区域に指定されました。警報解除までは外出を控え、家の戸締りを厳重に行ってください。……」〕
と、パトカーが広報している。
BSAAが緊急出動した!?
一体どういうことだ!?
私は飛び起きると、すぐに私服に着替えて部屋を飛び出した。
そして、階段を駆け下りて、3階に向かった。
愛原「おい!一体何があった!?」
高橋「あっ、先生!大変です!」
リビングには高橋がいた。
テレビが点いていて、そのテレビでは緊急特番をやっていた。
高橋「俺達が前に住んでいたマンション、住民がゾンビ化したらしいです!」
愛原「はあ!?」
高橋「もう既に何人か食い殺されたってんで、それでBSAAが出動してるんですよ!」
愛原「何だって、前のマンションでゾンビ化なんか!?」
高橋「リサがウィルスばら撒きましたかね?」
愛原「バカな。仮にリサのウィルスのせいだとしても、ゾンビ化が遅すぎる。初期のTウィルスは……って、ちょっと待て。今のリサはTウィルスを持ってないぞ?」
今のリサが保有してるのはGウィルスと特異菌だけ。
Tウィルスに感染した蜘蛛を食べて、一時期はそれも保有したが、後に特異菌に侵食されて消えてしまっている。
しかもその頃には、既に今の住まいに転居した後なので。
それとも、まだリサがTウィルスを保有していた頃の話だろうか?
だとしても、やっぱり遅い。
アメリカのラクーン市の郊外で最初に発生したバイオハザードでさえ、感染者が感染してからゾンビ化するまで1週間ほど掛かっている。
今はかなり変異してしまっている為、感染してから数時間でゾンビ化するのが普通だ。
愛原「……って、あれ?リサとパールは?」
高橋「リサはまだ起きて来てません。パールは今、近所のスーパーで買い物中で。戒厳令が出たせいで、帰れないんじゃないっスかね」
愛原「マジか……」
〔「……はい、私は今、都営地下鉄新宿線の菊川駅前に来ております。御覧頂けますでしょうか?現在、新大橋通りは、菊川駅より西方面が全面通行止めになっており、その手前の三ツ目通りが大渋滞となっております。……こうして時折、BSAAのヘリコプターの音や、銃声が聞こえてきます」〕
愛原「うわ、マジか……」
〔「現場となっている菊川1丁目では避難命令が出されており、その他の2丁目と3丁目では避難勧告が出ております。避難が遅れた住民の方につきましては、警報が解除されるまで、屋内退避命令が出ております。事件は今日正午頃、菊川1丁目のマンションにて、Tウィルスの感染者による殺傷事件が発生したことに端を発します。そして警察の調べによりますと、マンションの住人の殆どが感染しており、来訪者を次々に殺傷していたことが明らかとなりました。感染の原因については現在調べてを進めておりますが……」〕
高橋「これ、100パー、リサが疑われますよ?」
愛原「疑われたところで、証拠が無いだろうが」
Tウィルスの特徴の1つに、変異性がとても強いというのがある。
インフルエンザやコロナもそうだが、変異性の強いウィルスは毒性は強いものの、変異していくうちにその毒性が弱まっていくのがセオリーである。
そしてそれは、Tウィルスも例外ではない。
仮にリサの体内にあったTウィルスがマンション内に蔓延していたとしても、今頃はとっくに変異の限りを尽くし、もはや毒性など無いに等しい状態のはずなのである。
もしも仮に住人がTウィルスに感染していたのだとしたら、今日か昨日には感染しないとおかしい。
しかし、それならリサにはアリバイがある。
昨日は埼玉にいたわけだし、帰京したのも今日の午前中であり、リサの場合は帰宅してから一切外出していない。
リサ「……何かあったの?外、すっごいうるさいんだけど……」
そこへリサが寝惚け眼で起きて来た。
愛原「リサも起こされたか。実は俺もなんだ。……ってリサ、寝ぐせすっげぇ……」
リサ「えっ!?あっ!」
リサは顔を真っ赤して、慌てて洗面所に走っていった。
リサにとってはブルマ姿よりも、寝ぐせの方が恥ずかしいらしい。
愛原「しかし、起きたものはしょうがない。せめて、パールが帰れればなぁ……」
高橋「すぐ近くのスーパーですし、俺が迎えに行きましょうか?」
愛原「いや、しかし……」
〔「……現在、屋内退避の協力をお願いしております。不要不急の外出は控えるよう、お願い致します。こちらは、警視庁……」〕
愛原「……って、言ってますが?」
高橋「出掛けるんじゃなく、帰るんだっつの!」
愛原「取りあえず、状況は知っておきたい。ちょっと屋上に出てみよう」
高橋「屋上に出ても、前のマンションは見えませんが?」
愛原「BSAAのヘリコプターの動きとか、分かるだろう」
高橋「はあ……」
リサ「わたしも行く」
リサは体操服の上から、学校のジャージの上着を羽織った。
愛原「その恰好で?」
リサ「うん!」
さすがはBOWである。