報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「リサの牙抜き」 当日

2023-11-09 20:26:39 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月28日08時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]

 リサ「おはよう」
 淀橋「おはよ……あれ?魔王様、今日はお休みじゃ?」
 リサ「11時台の電車に乗るから、2時間目くらい受けてから早退しようと思って」
 小島「さすが!」
 淀橋「魔王様、マジメー!」
 リサ「むふー!」
 小島「レイチェルは今日、休みみたいだけどね」
 リサ「レイチェルは毎週土曜日、BSAAで訓練があるからいつも休んでる」
 小島「そうでした」
 リサ「念願の水色ブルマが手に入ったらしい」
 淀橋「あ、画像見た!よく似合ってたよね!」
 小島「元々ブルマは、アメリカ人が発明したヤツだから、むしろそっちの人種の方が似合うんだよね」
 淀橋「あー、確かに。陸上競技だって、日本人の選手よりかは欧米の選手の方がガッシリしていて、それでいて出る所出ていたりして、それでああいうユニフォーム着るんだもんね。そりゃ、男子も注目しますよ。……なぁ、おい!」

 淀橋、隣の男子生徒の席の机を蹴る。

 男子生徒「いでっ!何すんだよ!?」
 淀橋「“月間陸上競技”の女子選手の特集ばっかり見てんじゃねーよ!キメェんだよ!」
 男子生徒「うっせぇな!文句あるなら、お前も着れ!」
 淀橋「あぁ!?」
 小島「まあまあまあ!」
 リサ「スーさんも、落ち着いて」
 鈴木「何なんだよ、全くよー……って、“釣りバカ日誌”か!建設会社の社長か!?」
 リサ「ヨドバシには、次の体育で、ブルマ穿いてもらうから」
 鈴木「それならOK!」
 淀橋「何がOKだ!この変態!」
 小島「ていうか、リサさん以外、まだ1月でブルマは寒いよ……」
 淀橋「魔王様!この変態野郎に寄生虫植え付けてやってください!そんで、腹食い破らせてください!」
 鈴木「何言って……」
 リサ「ムリ。男子にはあげたくない」
 小島「魔王様は女子校に行かれるべきだったのでは?」
 リサ「しょうがない。デイライトがここに通えって言ってきたんだから」

 リサは肩を竦めた。

 リサ「さて、ホームルームの前にトイレ行ってくるか」
 淀橋「お供します」
 小島「はいはい。行きましょうかね」
 鈴木「ブルマに着替えるの?」
 淀橋「付いてくんなし!」

 淀橋、鈴木に卍固め!

 淀橋「おらぁーっ!」
 鈴木「ロープ、ロープ!」
 本田「ワン!ツー!スリー!」

 どこからか現れた、男子生徒の本田、レフリーを始める。
 そして、調理部員が持っていたフライパンをおたまで叩いてゴング代わり。

 リサ「ヨドバシ……!どうしてプロレス技使える?」
 小島「こう見えて、女子プロレスのファンなんだって」
 淀橋「そういうこと!」
 鈴木「ぜ、是非今度、女子プロレスのユニフォームで……ぇぇぇぇっ!!」
 淀橋「私ゃ観る専門だ!」
 鈴木「いだい!いだいいだいいだい!」
 リサ「放っといて行こう」
 小島「ええ」

[同日11時00分 天候:晴 同地区 JR上野駅→高崎線9083M列車1号車内]

 予定通り2時間目だけ授業を受けて早退したリサは、その足でJR上野駅に向かった。
 待ち合わせの駅前で、愛原と合流。

 リサ「お待たせ」
 愛原「さすが、遅れて来なかったな」
 リサ「先生の為だから。それに、逃げたところで、行く所が無い」
 愛原「そりゃそうだ。じゃあ、行こうか」
 リサ「うん」
 愛原「もうキップは買ってある。これを自動改札機に通せばいい」
 リサ「分かった」

 何故か自由席特急券と乗車券の2枚であった。
 ICカードが使えるはずなのに、わざわざ紙のキップを買ったのは、後で精算する為なのだという。
 上野始発の特急ということもあり、ホームは『高いホーム』ではなく、頭端式の『低いホーム』である。

 リサ「先生、電車には車内販売はある?」
 愛原「いや、無いと思うな」
 リサ「それじゃ、何かお菓子とか買っていい?」
 愛原「いいけど、お昼はちゃんと食べるよ?」
 リサ「うん、分かってる。これは10時のおやつ」
 愛原「おいおい……」

 リサは低いホームに入る手前のキヨスクに立ち寄り、そこでポッキーやジュースを買い込んだ。
 それはICカードで購入する。

 愛原「それじゃ、行くか」
 リサ「はーい」

 愛原自身も、自販機でお茶くらいは購入していたが。

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。14番線に停車中の列車は、11時12分発、特急“草津”83号、長野原草津口行きです。発車まで、しばらくお待ちください。次は、赤羽に、停車します〕

 7両編成の電車が発車を待っていた。
 かつてはこの基本編成に、4両編成の付属編成を連結し、11両編成で隣の常磐線特急ホームから出発していた車両である。
 時間帯によっては、常磐線特急との同時発車シーンが見られていたが、常磐線特急の上野東京ライン乗り入れにより、『高いホーム』からの発着の為、そのシーンは殆ど見られなくなってしまった。
 鉄道も段々とつまらなくなってくる。
 リサと愛原は、最後尾の1号車に乗り込んだ。
 7両編成のうち、自由席は1号車と2号車だけ。
 3号車から前の車両はグリーン車を含めて指定席であるが、自由席よりも指定席の方が乗客が多かった。
 週末ということもあり、草津温泉旅行に行くお年寄りの団体とか、インバウンド客のグループがそういった車両に乗っており、自由席は、恐らくリサ達と同様、草津温泉までは行かない区間利用客ばかりであると思われた。
 2人は空いている席、進行方向右側に座った。
 リサが窓側、愛原が通路側である。
 リサはテーブルを出して、お菓子とジュースをその上に置いた。

〔♪♪♪♪。「ご案内致します。この列車は11時12分発、高崎線、吾妻線回りの特急“草津”83号、長野原草津口行きでございます。後ろ寄り1号車と2号車が自由席、3号車と5号車から7号車が指定席です。4号車は、グリーン車です。……」〕

 リサ「このまま先生と、温泉に行きたいなぁ……」
 愛原「今日はダメだよ。大宮駅で降りないと、BSAAが出動してしまう」
 リサ「ちぇーっ」

 リサは残念そうにしながらも、食欲には勝てないのか、キヨスクで購入したポッキーをポリポリと齧っていた。
コメント
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