報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「日曜日の帰宅」

2023-11-16 16:00:24 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月29日09時40分 天候:曇 東京都江東区住吉 某ガソリンスタンド]

 

 セルフではない新大橋通り沿いのガソリンスタンドに入る。

 店員「いらっしゃいませ!レギュラーですか?」
 高橋「レギュラー満タンで」
 店員「ありがとうございます!」
 高橋「俺のエネオスカード、使っていいんスか?」
 愛原「いいよいいよ。オマエのカードなら会員価格が効くし、ポイントも溜まるだろ?ポイントはお前が貰っていいよ」
 高橋「あざっス」
 愛原「ま、ガソリン代自体、経費で落とすけどな」
 高橋「さすがは先生です」

 ガソリンも満タンにしたところで、家に戻る。
 その途中……。

 愛原「ああ、そうそう。今日の夕飯なんだけどさ、リサも頑張ったことだし、ステーキでも焼いてやってくれよ」
 高橋「ステーキ張りますか?」
 愛原「別に、高い肉じゃなくていい。輸入肉でいいからさ、その代わり、あいつの事だからデカい肉を好むだろう。そういうヤツでいい」
 高橋「分かりました。今日の買い物担当はパールなんで、帰ったらパールに言っておきます」
 愛原「頼むぞ」
 高橋「因みに、昼飯どうします?」
 愛原「うーん……俺は昼過ぎまで寝てるつもりだからなぁ……。リサもそうだろ」
 高橋「あいつの場合、腹時計がイコール目覚まし時計っスからね」

 つまり、お腹が空いたら目が覚めるということだ。

 愛原「まあ、昼過ぎから夕方までの間に起きるから」
 高橋「分かりました」
 愛原「夕飯時になっても起きなかったら、起こしてくれ」
 高橋「了解です」

[同日09時45分 天候:曇 東京都墨田区菊川 愛原家]

 再び1階のガレージに車を止める。

 愛原「何だか曇ってきたなぁ……」
 高橋「午後から、また雪が降るらしいですよ」
 愛原「マジ!?」
 高橋「ただ、積もるかどうかは不明らしいです。積もっても1cmがいい所らしくて」
 愛原「1cmか……」

 気象庁的には霙でも雪扱いである。
 積もるか積もらないかは、降っている間、それが霙であるかどうかによる。
 本物の雪なら1cmほど積もり、霙であるなら積もらないと。
 いずにせよ、気温は低いので、それならではの天候だろう。

 愛原「リサ、風呂から出てるかな……」

 私は一旦、3階に上がることにした。

 パール「先生、お帰りなさい」
 愛原「ああ。疲れたよ。リサは上がったか?」
 パール「今、洗面所で歯を磨いてるところです」
 愛原「じゃあ、そろそろ出るな」
 パール「先生の鞄はリビングにあります」
 愛原「リサのヤツ、リビングに置いてくれたか」

 私はリビングに行って、鞄を回収した。

 高橋「パール。先生が今夜はステーキにしてくれだってよ」
 パール「ステーキですか」
 愛原「リサとの約束だからな。高い肉じゃなくていいから、リサの為にサイズの大きいヤツを焼いてやってくれ」
 パール「かしこまりました。先生は何になさいましょう?」
 愛原「俺はチキンステーキ辺りでいいよ。さすがに俺も歳だ。リサみたいにバクバク食えないさ」
 高橋「先生、お言葉ですが、それはリサの方が異常だと思います。人を食わんばかりの勢いなんで」
 愛原「そうかな。俺が学生の頃は、ステーキ食べ放題の店とか行って、そこで友人や先輩達と大食い競争したこともあったが、今は無理だなぁ……」
 高橋「へえ。焼肉じゃなくて、ステーキ食い放題ですか」
 愛原「20年以上も前の話だよ。当時の学生でも出入りできた店だから、そんなに高い店じゃなかったと思う。アメリカ産牛肉という安い肉を使ってたから、そういう食べ放題とかもできたんじゃないかな?」
 高橋「面白い時代っスね」
 愛原「バブル崩壊後のロスジェネ時代の始まりだったから、けして明るい時代ではなかったと思うが……」

 棄民世代になりつつある我々氷河期世代だが、それでもああやって逞しく生きてきたてんでいっ!

 パール「リサさんが聞いたら、『わたしも行きたい!』ってなりますよ」
 愛原「今もその店、あるかどうか分かんないのにか?」
 高橋「どこにあったんスか?」
 愛原「西東京市だよ。当時そこに学生寮があったんだ。あれは……どこだったかなぁ……。新青梅街道から西武新宿線の田無駅に向かう道の途中だったと思うが、あの辺って、結構道が複雑なんだよな」
 高橋「確かに、新青梅街道の田無駅近くっつったら、他にも所沢街道とか青梅街道とかも通ってて、初見のナビ無しじゃ、初見殺しっスよ」
 愛原「青梅街道。そうだった。それも通ってたな。……うわ、ますますどの辺に店があったのか、記憶が曖昧だ」
 高橋「俺の知り合いに、新青梅街道をよく走ってたヤツがいるんで、そいつに聞いてみましょうか?」
 愛原「待て待て。俺の記憶では、新青梅街道そのものに面していたわけじゃなかったぞ。お前の知り合いがどれだけ新青梅街道に詳しいか知らんが、ちょっと難しいんじゃないか?」
 高橋「パールはどうなんだよ?お前の知り合いで、あの辺に住んでるヤツとかいないのか?」
 パール「そう、都合良くいるわけがないよ。西東京市自体はいるけどね」
 高橋「いるじゃねーか!」
 愛原「あれだろ?新青梅街道の沿道に住んでるわけじゃないってことだろ?」
 パール「そういうことです。何でも先生のお話によると、田無駅の近くのようですね?」
 愛原「まんま駅前ってわけじゃないけど、新青梅街道から田無駅に向かう道の途中辺りだった記憶なんだ」
 パール「あいにくと私の友達は、西武池袋線の保谷駅が最寄りなんです。同じ西東京市でも、ちょっと違いますね」
 愛原「そりゃそうだろう」

 歳がバレるかもしれないが、西東京市はかつて、田無市と保谷市に分かれていた。
 私が在学中くらいだった時に合併した記憶がある。

 パール「ワンチャン知ってるかもしれないので、私からも聞いておきます」
 愛原「スマンね」
 リサ「何の話?」
 愛原「おっと!?」

 いつの間にか背後にリサがいた。
 気配を消して背後に回るなど、さすがラスボスクラスのBOWである。
 え?そういうヤツって、逆に壁ぶち抜いたりして派手に登場するんじゃないのかって?
 最近のボスクラスは、実力を出す前は案外地味な登場したりするものだよ。

 愛原「今日の夕食はステーキだ。楽しみにしててくれよ」
 リサ「おー!1キロくらい!?」
 パール「えっ!?」
 高橋「アホか!」
 愛原「悪いがリサ、スーパーで買える程度のサイズで我慢してくれ」
 リサ「えー……」
 愛原「スーパーで買える、最大のサイズをお願いしたから」
 パール「承りました」
 リサ「焼き加減はスーパーレアでお願い」
 高橋「何だよ、スーパーレアってw」
 愛原「普通のレアで我慢しな。あ、俺のチキンステーキはよく焼いてくれよ?」
 パール「かしこまりました。さすがにチキンはよく焼かないと、体に良くないですからね」

 リサは体操服にブルマ姿だった。
 ブルマは紺色の物を穿いている。
 まだ新しいのを手にしていない為、ややサイズが小さくなってしまった物を穿いていた。

 

 リサ「じゃあ、わたし、ちょっと寝るね」
 愛原「ああ、おやすみ」

 リサは私に背中を向けて、階段の方に歩いていった。
 サイズが小さくなってしまったというのは本当のようで、確かにブルマがお尻に食い込んでいるようだった。

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