[12月18日18:00.天候:雪 長野県北部山中 マリアの屋敷1F西側大食堂]
夕食は師匠達に合わせ、ロシア料理とイギリス料理が同時にテーブルに並んだ。
イリーナ:「さ、姉さん、どうぞ一杯」
ポーリン:「だから、姉さん言うな!」
勇太達から見て直属の師匠達は、ダンテ一門が立ち上がって最初に入門した1期生達が殆どである。
その1期生達の中にも先輩や後輩の関係があり、ここではイリーナよりも先に入門していたポーリンが先輩ということになる。
ここでいう1期生とか2期生というのは入門した時期ではなく、誰の弟子なのかで決まる。
イリーナとポーリンは創始者たるダンテの弟子である為、1期生であり、勇太達はそれら1期生の弟子である為、2期生なのである。
イリーナ:「だって、姉弟子なんだから、姉さんでしょ?」
ポーリン:「それはそうだが、それではまるで、日本の花柳界のようではないか」
勇太:「あそこも徒弟制度ですからねぇ……」
魔女達がワインを飲む中、勇太だけビールである。
勇太は下戸で、2桁以上の度数のアルコールを飲めない為。
リリアンヌはフランス国籍であるが、さすがに日本国内ということもあり、ここでは魔力を発動させる時以外はノンアルコールである。
また、この中では一番悪酔いする為(2番目はマリア。ワインはOKなのに、日本酒や焼酎を飲むと途端に悪酔いする)。
イリーナ:「来年の“ダンテ先生を囲む会”はどこでやるの?」
ポーリン:「東アジア魔道団の動向次第だな。あいつら、フリーメイソンを取り込んでおるので、占いでも読めぬのだ」
イリーナ:「またコロナの株を変化させたしね。このままでは、ゾンビウィルスを造りかねないわ」
ポーリン:「それは作品が違うから無いじゃろう」
イリーナ:「作品?」
エレーナ:「ローストビーフ、お代わりくれ!」
ミカエラ:「かしこまりました」
テーブルの横でブロック肉のローストビーフを切り分けるメイド人形のミカエラ。
マリア:「また太るぞ?」
エレーナ:「その時は、またここのランニングマシーン使わせてもらうぜ」
マリア:「ったく、タダだからって……」
エレーナ、クイッとグラスワインを飲み干す。
エレーナ:「ワインもお代わりだぜ!」
クラリス:「かしこまりました」
マリア:「タダ飯はホント遠慮無いヤツだな……」
マリアは呆れた。
エレーナ:「それより稲生氏、美人魔道士2人の汗だくランニングはどうだった?」
勇太:「ど、どうだったって……」
エレーナ:「うへへへ……!チ【ぴー】起ったか?」
リリアンヌ:「せ、先輩、飲み過ぎです……」
マリア:「オマエがセクハラ発言してどうするよ?!」
エレーナ:「あぁ?私ゃオマエラと違って、性的被害は受けてねーんだぜ?だから、そんなトラウマどこ吹く風だぜ?男1人の稲生氏に寂しい思いをさせない役、私がピッタリだと思わないか?あぁ?」
マリア:「師匠、エレーナだけ帰るって言ってます!」
エレーナ:「言ってねーし!」
イリーナ:「あらあら、仲がいいわね。昔、ケンカしてたのがウソみたいだね」
ポーリン:「私個人は、まだお前のことを許したわけではないぞ。ダンテ先生の手前、ケンカをしないだけじゃ」
イリーナ:「はいはい。勝手に脱走して戻ってきて、すいませんでした」
イリーナは一度、ダンテの元を脱走している。
真面目なポーリンは、裏切り者は始末しなければならないと思っていた。
しかし、イリーナは戻ってきた。
ダンテはそれを許したのだが、ポーリンは許すことができず、弟子も巻き込んだ大喧嘩に発展した(因みに他の1期生達は傍観していたが、どちらかというとポーリン寄りだった)。
正式にダンテが仲裁に入り、何とか表向きには仲直りしている。
そして今は、こうやって食事会を行うほどまでに和解した。
2期生のエレーナが、勇太に従う妖狐・威吹に殺されかけたことを知ったダンテが動いたもよう。
イリーナ:「皆、『仲良き事は美しき哉』だよ」
エレーナ:「はーい」
勇太:「ダンテ一門の綱領ですからね」
ポーリン:「う、うむ……」
[同日20:00.天候:雪 同屋敷1F西側プレイルーム]
プレイルームは、ちょっとしたカジノ・バーになっている。
師匠2人はディーラー役のメイド人形を前に、バカラに興じている。
そんな高額な持ち合わせが無い弟子達は、ポーカーをやっていた。
マリア:「よっし!ストレート・フラッシュ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?……わ、わわ、私、フォーカードです……」
勇太:「くそっ!僕はツー・ペアだ!」
ダニエラ(ディーラー):「お待ちください、勇太様。勇太様はジョーカーをお持ちです」
通常、ポーカーではジョーカーは使わない。
しかしダンテ一門では、ローカルルールとしてジョーカーを使用する。
そしてそのジョーカーは、何にでも使えるオールマイティーカードなのだ。
それはポーカーだけではなく、ブラックジャックでも使われる。
ダニエラ:「それですと、フルハウスになります」
勇太:「おーっ!……でも、マリア達には及ばないんだね……」
ストレート・フラッシュ系が強く、その次がフォーカード(正式名称はフォー・オブ・ア・カインドという)である。
勇太:「エレーナは!?」
エレーナ:「ふっふっふ。聞いて驚くんだぜ。何と、私はロイヤル・ストレート・フラシュなんだぜ!」
勇太:「ええーっ!?」
エレーナ:「ということは一番弱い出札の稲生氏が脱ぐんだぜ!チ【ぴー】見せてもらうんだぜ!」
マリア:「いや、何言ってんだ、オマエ?ジャックが2枚だけしか揃ってないワンペアだろうが」
リリアンヌ:「せ、せせせ、先輩?い、いつの間に、脱衣ポーカーになったんですか……?」
エレーナ:「ちっ!」
マリア:「というわけで、脱ぐのはオマエだぁ!エレーナぁぁぁっ!!」
エレーナ:「やーなこった!今のは冗談だぜっ、あぁ!?」
マリア:「魔女に二言は無いんだろう!?」
勇太:「2人とも、酔っ払い過ぎだよーっ!」
そんな様子を微笑ましく見る師匠2人。
イリーナ:「楽しんでるみたいで何よりだわ」
ポーリン:「エレーナ達も、明るいコになっちゃって、何だか魔女とはかけ離れた性格になりつつあるのゥ……」
イリーナ:「ダンテ先生は、それでいいらしいわよ。で、それはそれとして、アタシの勝ちだから、姉さんのゴールドカード1枚もらうわね?」
ポーリン:「く……!わ、私も脱いだ方がいいのか?」
イリーナ:「1219歳のお婆さんのストリップなんか誰も見たくないだろうから、やめといた方がいいわ」
ポーリン:「適当な年齢言うな!」
イリーナ:「でも千の位は1で間違いないでしょう?」
ポーリン:「姉弟子の年齢、千の位を間違えるようでは、認知症を疑った方がいいかもな?」
イリーナ:「おー!じゃあ私、認知症じゃない!」
見た目はどちらも40歳くらいなのだが……。
こうして、魔女の棲む屋敷の夜は更けて行く。
人間のブレイヤーキャラが侵入すると、魔女の棲む屋敷なんてホラー展開当たり前なのだが、実態はこのザマである。
夕食は師匠達に合わせ、ロシア料理とイギリス料理が同時にテーブルに並んだ。
イリーナ:「さ、姉さん、どうぞ一杯」
ポーリン:「だから、姉さん言うな!」
勇太達から見て直属の師匠達は、ダンテ一門が立ち上がって最初に入門した1期生達が殆どである。
その1期生達の中にも先輩や後輩の関係があり、ここではイリーナよりも先に入門していたポーリンが先輩ということになる。
ここでいう1期生とか2期生というのは入門した時期ではなく、誰の弟子なのかで決まる。
イリーナとポーリンは創始者たるダンテの弟子である為、1期生であり、勇太達はそれら1期生の弟子である為、2期生なのである。
イリーナ:「だって、姉弟子なんだから、姉さんでしょ?」
ポーリン:「それはそうだが、それではまるで、日本の花柳界のようではないか」
勇太:「あそこも徒弟制度ですからねぇ……」
魔女達がワインを飲む中、勇太だけビールである。
勇太は下戸で、2桁以上の度数のアルコールを飲めない為。
リリアンヌはフランス国籍であるが、さすがに日本国内ということもあり、ここでは魔力を発動させる時以外はノンアルコールである。
また、この中では一番悪酔いする為(2番目はマリア。ワインはOKなのに、日本酒や焼酎を飲むと途端に悪酔いする)。
イリーナ:「来年の“ダンテ先生を囲む会”はどこでやるの?」
ポーリン:「東アジア魔道団の動向次第だな。あいつら、フリーメイソンを取り込んでおるので、占いでも読めぬのだ」
イリーナ:「またコロナの株を変化させたしね。このままでは、ゾンビウィルスを造りかねないわ」
ポーリン:「それは作品が違うから無いじゃろう」
イリーナ:「作品?」
エレーナ:「ローストビーフ、お代わりくれ!」
ミカエラ:「かしこまりました」
テーブルの横でブロック肉のローストビーフを切り分けるメイド人形のミカエラ。
マリア:「また太るぞ?」
エレーナ:「その時は、またここのランニングマシーン使わせてもらうぜ」
マリア:「ったく、タダだからって……」
エレーナ、クイッとグラスワインを飲み干す。
エレーナ:「ワインもお代わりだぜ!」
クラリス:「かしこまりました」
マリア:「タダ飯はホント遠慮無いヤツだな……」
マリアは呆れた。
エレーナ:「それより稲生氏、美人魔道士2人の汗だくランニングはどうだった?」
勇太:「ど、どうだったって……」
エレーナ:「うへへへ……!チ【ぴー】起ったか?」
リリアンヌ:「せ、先輩、飲み過ぎです……」
マリア:「オマエがセクハラ発言してどうするよ?!」
エレーナ:「あぁ?私ゃオマエラと違って、性的被害は受けてねーんだぜ?だから、そんなトラウマどこ吹く風だぜ?男1人の稲生氏に寂しい思いをさせない役、私がピッタリだと思わないか?あぁ?」
マリア:「師匠、エレーナだけ帰るって言ってます!」
エレーナ:「言ってねーし!」
イリーナ:「あらあら、仲がいいわね。昔、ケンカしてたのがウソみたいだね」
ポーリン:「私個人は、まだお前のことを許したわけではないぞ。ダンテ先生の手前、ケンカをしないだけじゃ」
イリーナ:「はいはい。勝手に脱走して戻ってきて、すいませんでした」
イリーナは一度、ダンテの元を脱走している。
真面目なポーリンは、裏切り者は始末しなければならないと思っていた。
しかし、イリーナは戻ってきた。
ダンテはそれを許したのだが、ポーリンは許すことができず、弟子も巻き込んだ大喧嘩に発展した(因みに他の1期生達は傍観していたが、どちらかというとポーリン寄りだった)。
正式にダンテが仲裁に入り、何とか表向きには仲直りしている。
そして今は、こうやって食事会を行うほどまでに和解した。
2期生のエレーナが、勇太に従う妖狐・威吹に殺されかけたことを知ったダンテが動いたもよう。
イリーナ:「皆、『仲良き事は美しき哉』だよ」
エレーナ:「はーい」
勇太:「ダンテ一門の綱領ですからね」
ポーリン:「う、うむ……」
[同日20:00.天候:雪 同屋敷1F西側プレイルーム]
プレイルームは、ちょっとしたカジノ・バーになっている。
師匠2人はディーラー役のメイド人形を前に、バカラに興じている。
そんな高額な持ち合わせが無い弟子達は、ポーカーをやっていた。
マリア:「よっし!ストレート・フラッシュ!」
リリアンヌ:「フヒッ!?……わ、わわ、私、フォーカードです……」
勇太:「くそっ!僕はツー・ペアだ!」
ダニエラ(ディーラー):「お待ちください、勇太様。勇太様はジョーカーをお持ちです」
通常、ポーカーではジョーカーは使わない。
しかしダンテ一門では、ローカルルールとしてジョーカーを使用する。
そしてそのジョーカーは、何にでも使えるオールマイティーカードなのだ。
それはポーカーだけではなく、ブラックジャックでも使われる。
ダニエラ:「それですと、フルハウスになります」
勇太:「おーっ!……でも、マリア達には及ばないんだね……」
ストレート・フラッシュ系が強く、その次がフォーカード(正式名称はフォー・オブ・ア・カインドという)である。
勇太:「エレーナは!?」
エレーナ:「ふっふっふ。聞いて驚くんだぜ。何と、私はロイヤル・ストレート・フラシュなんだぜ!」
勇太:「ええーっ!?」
エレーナ:「ということは一番弱い出札の稲生氏が脱ぐんだぜ!チ【ぴー】見せてもらうんだぜ!」
マリア:「いや、何言ってんだ、オマエ?ジャックが2枚だけしか揃ってないワンペアだろうが」
リリアンヌ:「せ、せせせ、先輩?い、いつの間に、脱衣ポーカーになったんですか……?」
エレーナ:「ちっ!」
マリア:「というわけで、脱ぐのはオマエだぁ!エレーナぁぁぁっ!!」
エレーナ:「やーなこった!今のは冗談だぜっ、あぁ!?」
マリア:「魔女に二言は無いんだろう!?」
勇太:「2人とも、酔っ払い過ぎだよーっ!」
そんな様子を微笑ましく見る師匠2人。
イリーナ:「楽しんでるみたいで何よりだわ」
ポーリン:「エレーナ達も、明るいコになっちゃって、何だか魔女とはかけ離れた性格になりつつあるのゥ……」
イリーナ:「ダンテ先生は、それでいいらしいわよ。で、それはそれとして、アタシの勝ちだから、姉さんのゴールドカード1枚もらうわね?」
ポーリン:「く……!わ、私も脱いだ方がいいのか?」
イリーナ:「1219歳のお婆さんのストリップなんか誰も見たくないだろうから、やめといた方がいいわ」
ポーリン:「適当な年齢言うな!」
イリーナ:「でも千の位は1で間違いないでしょう?」
ポーリン:「姉弟子の年齢、千の位を間違えるようでは、認知症を疑った方がいいかもな?」
イリーナ:「おー!じゃあ私、認知症じゃない!」
見た目はどちらも40歳くらいなのだが……。
こうして、魔女の棲む屋敷の夜は更けて行く。
人間のブレイヤーキャラが侵入すると、魔女の棲む屋敷なんてホラー展開当たり前なのだが、実態はこのザマである。