[10月2日09:50.天候:曇 宮城県大崎市古川千手寺町 道の駅おおさき]
パールの予想通り、リサを乗せた車は泉インターから東北自動車道に入り、古川インターで降りた。
車は国道108号線を東進し、大崎市(旧・古川市)の市街地に入る。
入った所で、2019年にオープンしたばかりの道の駅おおさきに立ち寄った。
新しくできたばかりということもあり、建物や設備などは真新しい。
愛原:「取りあえず一旦ここで休憩」
高橋:「ういっス」
高橋は空いている駐車スペースに車を止めた。
週末のせいか、どちらかというと行楽客が多い。
コロナ禍のせいか、大型駐車場には観光バスの姿は無かった。
大型トラックが何台か止まっているだけである。
リサ:「ちょっとトイレ」
愛原:「よし。一緒に行こう」
車を降りたリサと愛原は、建物の中にあるトイレへ向かう。
リサ:「ん!」
しかしリサは、男女トイレの間にある多目的トイレを指さした。
愛原:「某お笑い芸人じゃないんだからな……」
リサ:「一緒に行こうって言った」
愛原:「途中までは、な。ここからは別々だ」
リサ:「えーっ」
愛原:「えーじゃない。じゃな」
愛原はそう言うと、さっさと男子トイレに入って行った。
リサ:「ぶー……」
リサは少しむくれた感じで、女子トイレに入って行く。
パール:「御嬢様、リサ様がお手洗いに入られました」
絵恋:「よし。じゃあ、私達も行くよ!」
パール:「お待ちください。このままでは、鉢合わせになってしまいます。恐らくリサ様は、お手洗いから出られた後、食事を所望されるでしょう。しかし、今はまだ10時前。食事の時間ではございません。愛原先生に窘められるものの、しかしリサ様は諦められず……」
絵恋:「要は、すぐにはこの道の駅を出ないってことね」
パール:「さようでございます」
パールと絵恋の乗ったバイクは、二輪車用駐車場に止めている。
少し離れているので、愛原達に見つかる恐れは小さいが、しかし監視するのに双眼鏡を使うほどであった。
何故か持っていたのだ。
気にしないで頂きたい。
絵恋:「リサさん達は一体、何しに来たのかしら?」
パール:「私の分析によりますと、隣町の美里町という所に、愛原先生の御親戚が住んでいらっしゃるようです。その方に会いに行かれる公算は大きいかと」
絵恋:「その親戚の人に、何しに行くのかしら?」
パール:「そこまでは分かりかねます。そこから先は愛原先生の御身内の事でございますし、あまり他人の私共は立ち入らない方がよろしいかと」
絵恋:「その割には、リサさんやゲイ野郎も一緒なのね」
パール:「御嬢様。お嬢様とあろう方が、汚い言葉を使ってはなりませんよ」
絵恋:「もちろん、リサさんや愛原先生にはそんなことしないわよ。ただ、あいつだけは私に汚い言葉を何度も使いやがってるの!……あー、何だか腹が立ってきた……!!」
バール:「御嬢様、お気持ちは分かりますが、どうか今は御辛抱を。マサのことに関しましては、この私めにお任せくださいませ」
絵恋:「うぅ……!分かったわよ」
パール:「御理解が早く、助かります。……そうしているうちに、リサ様方がお手洗いから出られましたね。私達も参りましょう」
絵恋:「分かったわ」
2人もまた駐車場からトイレへと向かった。
で……。
リサ:「おー、ご当地グルメ!」
施設内にある食事処を見つけ、メニューを眺めるリサ。
愛原:「ダメダメ。今、何時だと思ってる?こんな時間に食べちゃダメだよ」
リサ:「えーっ!?だって私、今朝はパンと玉子しか食べてないよ?」
高橋:「ポッキーとプリッツも食ったじゃねーかw」
リサ:「あれは別腹!」
パールの予想通りの展開になったのだったw
で、リサの粘り強い交渉の結果……。
リサ:「ソフトクリーム!」
本格的な食事はさすがにダメだったが、おやつならOKということになった。
結局リサは食事処で買ったソフトクリームだけでなく、産直販所で売られていたパンなども購入して食べていた。
更には屋外で出店しているキッチンカーで、たこ焼きやらカレーパンやら……。
リサ:「よし!元気出た!」
愛原:「さよで」
リサの食欲に当てられたか、結局、愛原と高橋も産直販所で売られていた団子を購入して食べた。
あとは、自販機で紙コップのコーヒーを買って飲んだり……。
愛原:「もう10時半だ。そろそろ出よう」
高橋:「そうっスね。あんまりサボってると、善場の姉ちゃんに何言われるか分かんないっス」
リサ:「善場さん……」
日本版BOWリサ・トレヴァーの先輩の荒ぶる姿を想像したリサは、顔を青ざめた。
怖い物知らずのリサだが、やはり怖い物は少なからず存在する。
3人は出たゴミを片付けると、速足で駐車場へと向かった。
パール:「御嬢様、リサ様達が移動されます。急いでお戻りください」
パールはスイーツを食べに行っている絵恋に、電話を掛けた。
絵恋:「わ、分かったわ」
絵恋は急いでパールの所に戻った。
パール:「どうやら次は、美里町に向かわれるようです。私達は立ち入らず、どこか適当な場所で待機することをオススメします」
絵恋:「何でよ?」
パール:「愛原先生は、身内の親戚の所に向かわれ……」
絵恋:「まだそうと決まったわけじゃないじゃない!それが分かるまで、とにかく後を追うのよ!」
パール:「……かしこまりました」
そんなことを話している間、スーッとリサ達を乗せた車が国道へ向かって行く。
リサ:「! 今、サイトーとメイドさんにそっくりな人達がいた!」
愛原:「えっ、そうなのか!?」
高橋:「……気のせいじゃないっスか」
車の中で唯一事情を知っている高橋だけは、わざと知らんぷりした。
リサ:「何か、大きいバイクの横に立ってた」
愛原:「バイクぅ?」
高橋:「じゃあ、違いますよ。パールはバイクなんて持ってませんし」
愛原:「……だよな」
リサ:「ちょっとLINEしてみる」
リサは自分のスマホを取り出した。
しかし、LINEする前に、車は国道に入ってしまっていた。
リサ:「兄ちゃん、さっきの人達、本当にサイトーかどうか確認するから戻って」
高橋:「ざっけんじゃねぇ!時間が無ェんだ!さっさと行くぞ!……ですよね、先生?」
愛原:「まあ……そうだな」
高橋:「ほら、先生もそう仰ってる!」
リサ:「むー……!」
リサの疑念をよそに、高橋は車を東に向けて走らせた。
パールの予想通り、リサを乗せた車は泉インターから東北自動車道に入り、古川インターで降りた。
車は国道108号線を東進し、大崎市(旧・古川市)の市街地に入る。
入った所で、2019年にオープンしたばかりの道の駅おおさきに立ち寄った。
新しくできたばかりということもあり、建物や設備などは真新しい。
愛原:「取りあえず一旦ここで休憩」
高橋:「ういっス」
高橋は空いている駐車スペースに車を止めた。
週末のせいか、どちらかというと行楽客が多い。
コロナ禍のせいか、大型駐車場には観光バスの姿は無かった。
大型トラックが何台か止まっているだけである。
リサ:「ちょっとトイレ」
愛原:「よし。一緒に行こう」
車を降りたリサと愛原は、建物の中にあるトイレへ向かう。
リサ:「ん!」
しかしリサは、男女トイレの間にある多目的トイレを指さした。
愛原:「某お笑い芸人じゃないんだからな……」
リサ:「一緒に行こうって言った」
愛原:「途中までは、な。ここからは別々だ」
リサ:「えーっ」
愛原:「えーじゃない。じゃな」
愛原はそう言うと、さっさと男子トイレに入って行った。
リサ:「ぶー……」
リサは少しむくれた感じで、女子トイレに入って行く。
パール:「御嬢様、リサ様がお手洗いに入られました」
絵恋:「よし。じゃあ、私達も行くよ!」
パール:「お待ちください。このままでは、鉢合わせになってしまいます。恐らくリサ様は、お手洗いから出られた後、食事を所望されるでしょう。しかし、今はまだ10時前。食事の時間ではございません。愛原先生に窘められるものの、しかしリサ様は諦められず……」
絵恋:「要は、すぐにはこの道の駅を出ないってことね」
パール:「さようでございます」
パールと絵恋の乗ったバイクは、二輪車用駐車場に止めている。
少し離れているので、愛原達に見つかる恐れは小さいが、しかし監視するのに双眼鏡を使うほどであった。
何故か持っていたのだ。
気にしないで頂きたい。
絵恋:「リサさん達は一体、何しに来たのかしら?」
パール:「私の分析によりますと、隣町の美里町という所に、愛原先生の御親戚が住んでいらっしゃるようです。その方に会いに行かれる公算は大きいかと」
絵恋:「その親戚の人に、何しに行くのかしら?」
パール:「そこまでは分かりかねます。そこから先は愛原先生の御身内の事でございますし、あまり他人の私共は立ち入らない方がよろしいかと」
絵恋:「その割には、リサさんやゲイ野郎も一緒なのね」
パール:「御嬢様。お嬢様とあろう方が、汚い言葉を使ってはなりませんよ」
絵恋:「もちろん、リサさんや愛原先生にはそんなことしないわよ。ただ、あいつだけは私に汚い言葉を何度も使いやがってるの!……あー、何だか腹が立ってきた……!!」
バール:「御嬢様、お気持ちは分かりますが、どうか今は御辛抱を。マサのことに関しましては、この私めにお任せくださいませ」
絵恋:「うぅ……!分かったわよ」
パール:「御理解が早く、助かります。……そうしているうちに、リサ様方がお手洗いから出られましたね。私達も参りましょう」
絵恋:「分かったわ」
2人もまた駐車場からトイレへと向かった。
で……。
リサ:「おー、ご当地グルメ!」
施設内にある食事処を見つけ、メニューを眺めるリサ。
愛原:「ダメダメ。今、何時だと思ってる?こんな時間に食べちゃダメだよ」
リサ:「えーっ!?だって私、今朝はパンと玉子しか食べてないよ?」
高橋:「ポッキーとプリッツも食ったじゃねーかw」
リサ:「あれは別腹!」
パールの予想通りの展開になったのだったw
で、リサの粘り強い交渉の結果……。
リサ:「ソフトクリーム!」
本格的な食事はさすがにダメだったが、おやつならOKということになった。
結局リサは食事処で買ったソフトクリームだけでなく、産直販所で売られていたパンなども購入して食べていた。
更には屋外で出店しているキッチンカーで、たこ焼きやらカレーパンやら……。
リサ:「よし!元気出た!」
愛原:「さよで」
リサの食欲に当てられたか、結局、愛原と高橋も産直販所で売られていた団子を購入して食べた。
あとは、自販機で紙コップのコーヒーを買って飲んだり……。
愛原:「もう10時半だ。そろそろ出よう」
高橋:「そうっスね。あんまりサボってると、善場の姉ちゃんに何言われるか分かんないっス」
リサ:「善場さん……」
日本版BOWリサ・トレヴァーの先輩の荒ぶる姿を想像したリサは、顔を青ざめた。
怖い物知らずのリサだが、やはり怖い物は少なからず存在する。
3人は出たゴミを片付けると、速足で駐車場へと向かった。
パール:「御嬢様、リサ様達が移動されます。急いでお戻りください」
パールはスイーツを食べに行っている絵恋に、電話を掛けた。
絵恋:「わ、分かったわ」
絵恋は急いでパールの所に戻った。
パール:「どうやら次は、美里町に向かわれるようです。私達は立ち入らず、どこか適当な場所で待機することをオススメします」
絵恋:「何でよ?」
パール:「愛原先生は、身内の親戚の所に向かわれ……」
絵恋:「まだそうと決まったわけじゃないじゃない!それが分かるまで、とにかく後を追うのよ!」
パール:「……かしこまりました」
そんなことを話している間、スーッとリサ達を乗せた車が国道へ向かって行く。
リサ:「! 今、サイトーとメイドさんにそっくりな人達がいた!」
愛原:「えっ、そうなのか!?」
高橋:「……気のせいじゃないっスか」
車の中で唯一事情を知っている高橋だけは、わざと知らんぷりした。
リサ:「何か、大きいバイクの横に立ってた」
愛原:「バイクぅ?」
高橋:「じゃあ、違いますよ。パールはバイクなんて持ってませんし」
愛原:「……だよな」
リサ:「ちょっとLINEしてみる」
リサは自分のスマホを取り出した。
しかし、LINEする前に、車は国道に入ってしまっていた。
リサ:「兄ちゃん、さっきの人達、本当にサイトーかどうか確認するから戻って」
高橋:「ざっけんじゃねぇ!時間が無ェんだ!さっさと行くぞ!……ですよね、先生?」
愛原:「まあ……そうだな」
高橋:「ほら、先生もそう仰ってる!」
リサ:「むー……!」
リサの疑念をよそに、高橋は車を東に向けて走らせた。