[1月7日08:00.天候:晴 宮城県仙台市青葉区国分町]
敷島と平賀がホテルで朝食を取っていると、エミリーから通信が飛んできた。
この雪でついに凍死者を発見したのかと思ったのだが、どうやらそうではないようだ。
いや、結論から言えば広い意味での凍死者なのかもしれないが、死んでいたのは人間ではなく……。
敷島:「うわっ!?黒いロボット!?」
ホテル前の狭い通りを掘り進めたエミリー。
あまりにも雪が深過ぎて地上の太陽光は届かず、真っ暗であった。
幸いに停電まではしていない為、ホテルの照明とエミリーの目から放たれるサーチライトで照度は確保できている。
通りには凍結して停止する黒いロボットがいた。
エミリー:「まだ奥にもいる模様です!」
敷島:「マジかよ!?」
平賀:「自分達を狙って来たのかな?」
敷島:「油断も隙も無いですなぁ……」
黒いロボット達は雪に埋もれてしまった為、モーターが凍結してしまったらしい。
エミリー:「いかが致しますか、社長?」
敷島:「頭部のメモリーとデータを抜き取ってしまえ。それと、再稼働できないようにモーターを破壊しとけ」
エミリー:「かしこまりました」
エミリーは黒いロボットの頭部をこじ開けた。
エミリー:「! 社長、頭部にはメモリーがありません!」
敷島:「なにっ!?」
平賀:「頭部にメモリーを仕掛けることはしなかったらしいですね。このロボットの設計者は……」
敷島:「先生」
平賀:「とはいえ、この体のどこかに行動を記録する媒体は搭載されているはずです。自分が調査してみたいと思います」
敷島:「分かりました。取りあえずエミリー、モーターだけ破壊しとけ」
エミリー:「かしこまりました」
平賀:「ああ、慎重にやってくれよ?もしかしたら、自爆装置と直結してるかもしれないからな」
エミリー:「はい」
どうやらこれも、バッテリー駆動らしい。
背中をこじ開けると、中のバッテリーを抜き取った。
エミリー:「私が使用している物と、タイプが違います」
敷島:「! これはアメリカ製だぞ!」
平賀:「もしこれが日本で製造された物なら、バッテリーも日本国内で購入した国内メーカーの物を使うでしょうからね。それがわざわざアメリカのメーカーの物を使うということは……」
敷島:「デイライト・コーポレーション・アメリカ?」
平賀:「正確にはデイライト・コーポレーション・インターナショナルです。まだ予断は禁物ですよ。今は、こいつの調査あるのみ」
敷島:「それもそうですね。すいませーん!台車貸してくださーい!」
敷島はホテルに戻って、黒いロボットを運ぶ為の台車を借りた。
敷島:「他にもいるのか?」
エミリー:「はい。この奥にも、こいつと同じ反応をした物が2つほど確認できます」
敷島:「分かった。そいつらも多分雪に埋もれて故障しているだろうが、油断はするなよ?見つけ次第、こいつと同じようにバッテリー抜いとけ」
エミリー:「かしこまりました」
平賀:「ホテルに頼んで、こいつを調べるスペースを借りましょう」
敷島:「そうですね」
エミリーは再び、ホテルから借りたスコップでロボットの反応のする方へ掘り進んだ。
エミリー:「!?」
もう少しで反応のする方だという時、ズボッと雪の中から黒い手が伸びて来た。
ムニュムニュ!
エミリー:「!!!」
その手は迷わずエミリーの巨乳(93センチ)を揉みしだいて来た。
エミリー:「こ、このっ……!」
ズボッとまた別の所から手が伸びて来て、それはエミリーの尻を撫で回して来た。
エミリー:「変態どもめ!!」
エミリーは持っていたスコップで、まずは自分の胸を揉んで来た金属製の手を切り落とし、今度は尻に触って来た金属製の手を切り落とした。
ブシューッと火花とオイルが飛び散る。
エミリー:「出て来い!卑怯者ども!!」
エミリーが切り落としていない腕を引っ張った。
すると……!
[同日08:30.天候:晴 同ホテル内]
平賀:「敷島さん、やっぱこいつはアメリカ製ですよ!ほら、ここ!ロゴマークを削り取って分からないようにしていますけど、この部品はデイライト・コーポレーションが取った特許製品です。他のメーカーが勝手に造れない部品てずから、間違いありません!」
平賀はデイライト社の日本法人の非常勤役員という顔も持っている。
だから知っているのだろう。
敷島:「なるほど。犯人はデイライト・アメリカですか。あのクソ所長と愉快な仲間たちのしわざってことですね」
平賀:「可能性は大ですね。ただ、何の目的で何の命令で動いていたのかまで掴まないと……」
敷島:「掴めそうですか?」
平賀:「それが、行動記録の媒体らしきものが見つからないんです。恐らく、遠隔で操作しているヤツのサーバーか何かに記録するようにしているのでしょうが……」
敷島:「外部メモリー方式ですか……」
平賀:「あと、それとこれ。やっぱり、搭載していやがりましたよ。自爆装置」
敷島:「何ですか、これ?ガスボンベみたいだな……」
平賀:「ガスボンベに見せかけて、中身はグレネードですよ。聞いたことあるんですけどね。自分が破壊されかねないほどのダメージを受けた時、この安全ピンが抜けるようになっていて、それで自爆するようになっているんですって」
敷島:「昔のマルチタイプの自爆装置みたいなものですね。あれは舌が起動スイッチになっていて、舌を噛み切ると自爆するようになっていた……」
今のマルチタイプは自爆ではなく、自壊装置になっている。
平賀:「先に無傷でバッテリーを抜いておいたのは正解でしたね。こいつらがどういう基準で、どれだけのダメージを受けたら自爆装置を起動させるかが分かりませんから」
敷島:「確かに。一応、エミリーにも伝えておきましょう。ヘタに戦闘は避けるようにと……」
平賀:「その方がいいですね」
敷島はエレベーターに乗り込んで、1階へ向かった。
敷島:「ある程度のダメージを受けたら自爆する。……メガンテ。爆弾岩みたいなロボットなのかよ、あいつらは……」
もっとも、ロボットをテロ行為に使おうとする場合は必ず選択肢に入るやり方だ。
エレベーターを降りると……。
敷島:「!? 何かあったんですか?」
従業員:「お客様、外は危険です。先ほど、奥で爆発がありまして……」
敷島:「爆発!?」
従業員:「その衝撃で雪が崩れて、この有り様です」
まるで雪崩があったかのように、雪がエントランスになだれ込んでいた。
敷島:「え、エミリーは!?あいつ、どうしたんだ!?」
従業員:「し、知りませんよ!」
敷島:「おおーい!エミリー!?」
エミリーの運命や如何に!?
敷島と平賀がホテルで朝食を取っていると、エミリーから通信が飛んできた。
この雪でついに凍死者を発見したのかと思ったのだが、どうやらそうではないようだ。
いや、結論から言えば広い意味での凍死者なのかもしれないが、死んでいたのは人間ではなく……。
敷島:「うわっ!?黒いロボット!?」
ホテル前の狭い通りを掘り進めたエミリー。
あまりにも雪が深過ぎて地上の太陽光は届かず、真っ暗であった。
幸いに停電まではしていない為、ホテルの照明とエミリーの目から放たれるサーチライトで照度は確保できている。
通りには凍結して停止する黒いロボットがいた。
エミリー:「まだ奥にもいる模様です!」
敷島:「マジかよ!?」
平賀:「自分達を狙って来たのかな?」
敷島:「油断も隙も無いですなぁ……」
黒いロボット達は雪に埋もれてしまった為、モーターが凍結してしまったらしい。
エミリー:「いかが致しますか、社長?」
敷島:「頭部のメモリーとデータを抜き取ってしまえ。それと、再稼働できないようにモーターを破壊しとけ」
エミリー:「かしこまりました」
エミリーは黒いロボットの頭部をこじ開けた。
エミリー:「! 社長、頭部にはメモリーがありません!」
敷島:「なにっ!?」
平賀:「頭部にメモリーを仕掛けることはしなかったらしいですね。このロボットの設計者は……」
敷島:「先生」
平賀:「とはいえ、この体のどこかに行動を記録する媒体は搭載されているはずです。自分が調査してみたいと思います」
敷島:「分かりました。取りあえずエミリー、モーターだけ破壊しとけ」
エミリー:「かしこまりました」
平賀:「ああ、慎重にやってくれよ?もしかしたら、自爆装置と直結してるかもしれないからな」
エミリー:「はい」
どうやらこれも、バッテリー駆動らしい。
背中をこじ開けると、中のバッテリーを抜き取った。
エミリー:「私が使用している物と、タイプが違います」
敷島:「! これはアメリカ製だぞ!」
平賀:「もしこれが日本で製造された物なら、バッテリーも日本国内で購入した国内メーカーの物を使うでしょうからね。それがわざわざアメリカのメーカーの物を使うということは……」
敷島:「デイライト・コーポレーション・アメリカ?」
平賀:「正確にはデイライト・コーポレーション・インターナショナルです。まだ予断は禁物ですよ。今は、こいつの調査あるのみ」
敷島:「それもそうですね。すいませーん!台車貸してくださーい!」
敷島はホテルに戻って、黒いロボットを運ぶ為の台車を借りた。
敷島:「他にもいるのか?」
エミリー:「はい。この奥にも、こいつと同じ反応をした物が2つほど確認できます」
敷島:「分かった。そいつらも多分雪に埋もれて故障しているだろうが、油断はするなよ?見つけ次第、こいつと同じようにバッテリー抜いとけ」
エミリー:「かしこまりました」
平賀:「ホテルに頼んで、こいつを調べるスペースを借りましょう」
敷島:「そうですね」
エミリーは再び、ホテルから借りたスコップでロボットの反応のする方へ掘り進んだ。
エミリー:「!?」
もう少しで反応のする方だという時、ズボッと雪の中から黒い手が伸びて来た。
ムニュムニュ!
エミリー:「!!!」
その手は迷わずエミリーの巨乳(93センチ)を揉みしだいて来た。
エミリー:「こ、このっ……!」
ズボッとまた別の所から手が伸びて来て、それはエミリーの尻を撫で回して来た。
エミリー:「変態どもめ!!」
エミリーは持っていたスコップで、まずは自分の胸を揉んで来た金属製の手を切り落とし、今度は尻に触って来た金属製の手を切り落とした。
ブシューッと火花とオイルが飛び散る。
エミリー:「出て来い!卑怯者ども!!」
エミリーが切り落としていない腕を引っ張った。
すると……!
[同日08:30.天候:晴 同ホテル内]
平賀:「敷島さん、やっぱこいつはアメリカ製ですよ!ほら、ここ!ロゴマークを削り取って分からないようにしていますけど、この部品はデイライト・コーポレーションが取った特許製品です。他のメーカーが勝手に造れない部品てずから、間違いありません!」
平賀はデイライト社の日本法人の非常勤役員という顔も持っている。
だから知っているのだろう。
敷島:「なるほど。犯人はデイライト・アメリカですか。あのクソ所長と愉快な仲間たちのしわざってことですね」
平賀:「可能性は大ですね。ただ、何の目的で何の命令で動いていたのかまで掴まないと……」
敷島:「掴めそうですか?」
平賀:「それが、行動記録の媒体らしきものが見つからないんです。恐らく、遠隔で操作しているヤツのサーバーか何かに記録するようにしているのでしょうが……」
敷島:「外部メモリー方式ですか……」
平賀:「あと、それとこれ。やっぱり、搭載していやがりましたよ。自爆装置」
敷島:「何ですか、これ?ガスボンベみたいだな……」
平賀:「ガスボンベに見せかけて、中身はグレネードですよ。聞いたことあるんですけどね。自分が破壊されかねないほどのダメージを受けた時、この安全ピンが抜けるようになっていて、それで自爆するようになっているんですって」
敷島:「昔のマルチタイプの自爆装置みたいなものですね。あれは舌が起動スイッチになっていて、舌を噛み切ると自爆するようになっていた……」
今のマルチタイプは自爆ではなく、自壊装置になっている。
平賀:「先に無傷でバッテリーを抜いておいたのは正解でしたね。こいつらがどういう基準で、どれだけのダメージを受けたら自爆装置を起動させるかが分かりませんから」
敷島:「確かに。一応、エミリーにも伝えておきましょう。ヘタに戦闘は避けるようにと……」
平賀:「その方がいいですね」
敷島はエレベーターに乗り込んで、1階へ向かった。
敷島:「ある程度のダメージを受けたら自爆する。……メガンテ。爆弾岩みたいなロボットなのかよ、あいつらは……」
もっとも、ロボットをテロ行為に使おうとする場合は必ず選択肢に入るやり方だ。
エレベーターを降りると……。
敷島:「!? 何かあったんですか?」
従業員:「お客様、外は危険です。先ほど、奥で爆発がありまして……」
敷島:「爆発!?」
従業員:「その衝撃で雪が崩れて、この有り様です」
まるで雪崩があったかのように、雪がエントランスになだれ込んでいた。
敷島:「え、エミリーは!?あいつ、どうしたんだ!?」
従業員:「し、知りませんよ!」
敷島:「おおーい!エミリー!?」
エミリーの運命や如何に!?