Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

いま抗暴のときに   辺見庸(毎日新聞社)

2005年09月05日 | 本と雑誌
Hitorigaten
「絶対暴力への不服従」
著者が読者に問い続ける強烈なメッセージ。
激動する国際情勢への対応、否、ぬるま湯に浸りきった我々を鼓舞する魂の言葉。

独断的要約
○ むなしさを底に溜めた冷めた意見のほうが、「愉悦」よりは正確であり、ときに戦闘的になりうる
○ マスコミという意識産業は、情報を消費する人々の意識を収奪し、現体制を維持する意識を誘導する
○ 現代人の眼のなかでは、ちょうど真理が減り幻想が増えるに比例して、神聖さが高まる
○ 技術の進歩は不可逆だが、政治は可逆的なものだ、つまり政治に進歩はない
○ 他民族をさんざ抑圧してきたのに、そうしなかったふりをする民族は自由ではあり得ない
○ 自分の中に手を伸ばし、考える力を見つけなければならない、そして戦う力を
○ 資本主義は本源的蓄積の段階を終えると、「非物質的搾取」つまり人々の意識の収奪に入るといいます
○ 「消費者」という「超階級」的概念が強力に導入された
○ 運動の最小単位に回帰して、運動の最大の波を夢想する
○ 群体としての人間がこしらえるこうした人倫の(無意識の)中間領域こそがいわゆる善意を育て、国家の肥大化を見すごし、結局戦争を許すことになる