日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

閑話三題 恩賜の煙草、フランス語、ノーネクタイ

2005-06-03 20:44:54 | 社会・政治
その一、昨日だったか一昨日だったか、「恩賜の煙草を廃止」の新聞記事を見た。

『恩賜の煙草』と云えばかっての『軍国少年』の口からは

♪恩賜の煙草いただいて
 あすは死ぬぞと決めた夜は
 曠野の風も腥く
 グッと睨んだ敵空に
 星が瞬く二つ三つ♪

との軍歌がすっと流れ出す。

なぜ恩賜の煙草を廃止するのか、また何故これまで続いてきたのか記事を見る限り説明がなかった。現代っ子の記者にはその背景なんぞになんの興味も無かったのだろう。

その二、記事と言えば朝刊を読んでいて噴き出した。

《「数勘定できぬ言語」発言に反発
  仏語校長、都知事提訴へ》
との見出しに始まる記事である。

さらにこのように続く。
《石原慎太郎・東京都知事が昨年10月、「フランス語は数を勘定できない言葉で、国際語として失格」などと発言し、これに対して東京都内の仏語学校の校長らが近く、損害賠償などを求めて東京地裁に提訴する。「フランス語を学ぼうとする市民の意欲を喪失させるもので、業務妨害だ」と主張する方針》

石原都知事のこの発言にはそれなりの伏線があるようだが、「業務妨害」だと真面目に提訴する律儀さに感心した。法律を書き記すにもっとも相応しいと云われるフランス語の教師だけある。ところで、提訴に踏み切るだけのデータが早くも集まったのだろうか。

ところで私は慎太郎さんの云うことゆえ、フランス語では数が数えられないのだ、と信じかけたが、校長さんたちは「フランス語は数を数えられ、国連など国際機関の公用語にもなっており、発言は虚偽」と訴えておられる。これ、どちらが正しいのでしょう、私はフランス語を知らないものですので。それともまた石原知事の発言を誰かが誤って伝えたのでしょうか。もちろんこの記事を書いた新聞記者は事実確認をしていると思うのですが・・・。

その三、先ほどのNHKニュースで小泉首相をはじめとするノーネクタイの閣僚が閣議を終えて解散する光景が放映された。『軍国少年』は拘置所に拘留され占領軍に無理強いに締まらない姿にされたかっての『戦犯』の姿を連想してしまった。しまりのないこと夥しい。閣僚たるもの、目に見えないところは汗ダクダクでも、涼しい顔をしてネクタイをキチンと締めるぐらいの矜持がほしいものだ。馬子にも衣装というが、あれでは馬子丸出しで目を背けたくなる。閣僚があんな姿を示すことがほんとうに省エネを国民に意識させるとでも思っているのだろうか。それでも、と仰るのなら金太郎姿でおきばりやす。