goo blog サービス終了のお知らせ 

日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

菅総理に残されたのは暫定予算を成立させて衆議院を解散すること

2011-02-20 10:55:15 | 社会・政治
この頃の政治の動きはわけが分からない。あんなこと、こんなことがあったりして、平成23年度の予算案が成立しても、関連法案が国会を通る見込みがないから、予算の執行が止まってしまうということらしい。政治家はどのような方策でこの事態を切り抜けようとしているのだろうか。

私は宮中歌会始 菅第二次改造内閣 The Perfect Stormで、《わが日本国の舵取りをするのは、当面この内閣以外にはないのである。好き嫌いはともかく、この自称「実務協力推進内閣」はなんとか頑張っているなと国民の目に映る実績をとにかく挙げて欲しいものである。》と述べたものの、早くも先行きが危うくなってしまった。しかしもともと菅内閣はなぜ衆議院解散・総選挙をしないのか  追記有りとかリーダーの器でない菅総理と大臣に値しない柳田稔法相というような意見を持っているので、決して菅内閣を積極的に推していたわけでもない。

この時期に及んで菅総理の出来ること、しなければならないことは、暫定予算を成立させて衆議院を解散し、まずは国民に政権の選択を丸投げすることであろう。民主党のリーダーが誰になるにせよ単独過半数は間違い無く無理であろう。民主党に火中の栗を拾う次のリーダーが現れてもよいが、菅総理が昨日、一体改革実行前に「必ず選挙行う」と言ったことでもあり、税と社会保障の一体改革の骨子を前面に出して選挙戦に臨む体勢を組むのもよかろう。

解散前提の暫定予算成立にことさら反対する野党もないだろうから、解散・総選挙は早ければ早いほどよい。統一地方選挙とのかかわりで各党の党利党略が働いて、解散がすぐにとはならないかも知れないが、ここは菅さんの最後っ屁のほうがカードが上である。即刻カードを切るべきである。今の閉塞感さえ打破されれば、後のことはなるようになるものである。菅総理の一刻も早い決断を期待したい。

名古屋市長に河村たかし氏、名古屋市議会は解散 ついでに地方議会廃止の先魁を

2011-02-06 23:03:34 | 社会・政治
今日行われた愛知県知事選、河村たかし前市長の辞職に伴う出直し名古屋市長選、さらに同市議会解散の賛否を問う住民投票で、河村たかし氏の完勝が確定した。

名古屋トリプル投票 河村・大村氏が当選、市議会は解散

 名古屋市長選、愛知県知事選、名古屋市議会の解散の是非を問う住民投票が6日、投開票された。市長選では地域政党「減税日本」代表の河村たかし氏(62)が再選を果たし、知事選では同党推薦の大村秀章氏(50)が初当選。河村氏が仕掛けて実現した住民投票は賛成多数で、政令指定市で初めてリコールが成立し、即日解散された。4月の統一地方選を前に、支援した候補が惨敗した民主、自民の2大政党には大きな打撃となった。
(asahi.com 2011年2月6日22時8分)

これに続く次の記事が、トリプル投票が行われるようになった経緯を簡単にまとめている。

 河村氏は、公約の市民税の10%恒久減税が民主、自民が多数を占める市議会に否決されたため、任期を2年以上残して1月に辞職し、出直し市長選に臨んだ。さらに市議報酬の半減をめぐって対立を深めた河村氏はリコール運動を主導し、住民投票実施にこぎつけた。

総理大臣と違い地方自治体の首長は住民の直接投票で選ばれる。ところがこの首長が公約を実行しようとしても、議会が反対にまわると公約を実現出来なくなる。地方議員も住民の直接投票で選ばれるのであるから、首長選挙で示された民意が議員選挙にも反映されてしかるべきだと思いたいが、現実には議会で首長への反対勢力が大半を占め、いわゆる「ねじれ現象」を生むことが珍しくない。選挙の時期がずれることも「ねじれ現象」の一因であろうが、それよりも住民が異なる判断基準を首長選挙と議員選挙に適用するせいではないかと思っている。

「ねじれ現象」の生じる原因はさておいても、現実に「ねじれ現象」が生じたことが今回のトリプル投票を引き起こしたことは確かなのであって、考えてみれば無駄なことである。今回は河村たかし氏という異色のキャラクターが、市議報酬の半減という施策を打ち出すことによって、既得権益擁護に走る市会議員の姿を住民に見せつけたのがよかった。住民が代表として選んだつもりの議員が、私利私欲の虜になってしまっていたのである。その是非を住民に問うたことが今回の結果をもたらしたと言えよう。

私はかって面白い宮崎県知事選挙の結果で地方自治体議会不要論を次のように唱えたことがある。

私は地方自治体の今のような議会は不要であると思っている。もし住民に何か積極的な意向があれば、県庁とか市役所などに直接に申し入れをすればよい。とりまとめ役は必ず現れる。それもボランティアとして。私的な口利きと自分の選挙運動を除くと、現行の議員が生き生きとして働くような仕事が一体どこにあるのだろう。

県行政の是非をチェックする機能は、これは人間社会である以上必要である。議会の機能をチェックに一元化すればよい。議員は県民有権者のなかから、たとえば裁判員制度のように無作為に選んでもいいが、ボランティアのなかから選挙民が選んでもよい。ただし人数は現在の議員数の十分の一以下とする。いずれにせよ議員は無報酬で、交通費のような必要経費のみを実費支給すればよい。議会の開会は夜とか週末にする。

これは4年前のことであるので細かいところは修正の余地がある。第一にチェック機関を「議会」と呼ぶと誤解があるだろうから名称自体を変えた方がよいであろう。その他多々あろうが基本姿勢は今も変わらない。

もし3月13日に予定されている名古屋市議選で河村氏の「減税日本」が過半数を制すれば「ねじれ現象」は確かに解消するが、逆にそのような翼賛議会は存在する必要がない。まさに税金の無駄遣いである。今回の結果は地方議会無用論を大きく力づけるものであった。だから次ぎに河村氏に期待することは名古屋市議会の廃止で、それこそ全国自治体を席捲する先魁となっていただきたいものである。

今さら小沢問題でもあるまいが

2011-02-01 23:49:28 | 社会・政治
小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で東京地裁に強制起訴された。これに対して朝日朝刊に元中学校校長藤原和博さんの「小沢さんなんて関心外」という次のような記事が出た。

 世の中では、小沢さんの問題なんてもう関心外でしょう。小沢さんがやった仕事って何ですか。票とカネで軍団をまとめた。チルドレンを大量当選させた政権交代の立役者。そんな功績は民主党への期待とともにとっくにかすんでいる。今や代議制そのものが信用されず、人々の声を直接聞いて動く首長らに支持が集まる時代です。利益代表が集まって多数派工作で物事を動かす「古いルール」の権化だった人が起訴されても、関心が薄いのは当然です。

この意見にはまったく賛成。私も1年前は政局を面白くしたか小沢さん?で《政治家のふりをした利殖家にはそろそろ政界からお引き取りいただこう》と意見を述べたことがあるが、もはやそこまでコミットする気さえ起こらない。小沢さんは「無罪判決を獲得する」と意気込んでいるようであるが、無罪であろうとなかろうと、国民の多くは彼にそっぽ向いている。その意を受けて、政治家がどのように動くのか、国民はただそれのみを注目している。

若い政治家がもっと頑張らなくちゃ

2011-01-25 18:14:22 | 社会・政治
昨24日、通常国会が始まった。今国会の大きな焦点が2011年度予算案と関連法案の成立であること、そして消費税増税が避けては通れぬ道であることは分かるが、それ以外のことはほとんど関心がない。菅内閣にことさら期待を抱くわけではないので、菅総理の施政演説の全文が今日の朝刊に載っているが、目を通そうという気が起こらない。どうせ言いっぱなしだと諦めているせいである。

産経新聞のiPhone版に面白い記事が出ていた。と言っても新聞オリジナルの記事ではなくて「新報道2001」抄録なのである。

 フジテレビ系、23日放送
 東京都の石原慎太郎知事が政局を語った。
 ― 与謝野馨氏入閣は
 石原氏「情けない。好ましくない政権を倒すためといって新党をつくった。男同士の信義、友情のきずなはどこにいったのか」
 ― 菅直人首相は
 石原氏「発想力がない。市民運動から出てきた政治家はご用聞きみたいなもの。国を運営する基本理念はどこにあるのか。だからバラマキになる」
 ― 蓮舫行政刷新担当相の都知事としての資質は
 石原氏「事業仕分けで『スーパーコンピュータが2番目では悪いのか』といったのは致命的失言だ」
 ― 自身の出馬は
 石原氏「気力も体力もなくなりました。やっぱり年齢は意識する」
(2011.1.24)

菅総理へのコメントが手厳しいがこの件には私も同感で、リーダーの器でない菅総理と大臣に値しない柳田稔法相でその思いの一端を記した。ただ石原氏の蓮舫大臣についての発言、《事業仕分けで『スーパーコンピュータが2番目では悪いのか』といったのは致命的失言だ》の真意が、これだけでは政治家の感覚がない私には理解出来ない。

与謝野馨氏の入閣については結果がものを言うであろう。財源も確保せずにバラマキに走った民主党政権に最初から危惧を抱いていただけに、消費税増税を現実のことと見据える政策の推進役としての働きいかんで評価が自ずと定まるであろうから、後は見守るだけである。しかしそれにしても与謝野大臣が72歳で、消費税増税に向けて強力な連携者と目されている藤井裕久内閣官房副長官に至っては78歳である。年齢をものともしないお二人の意気込みに敬意を表すには吝かではないが、残念に思うのはその後に続く若手、と言っても四十代から五十代であるが、の姿が浮かび上がってこないことである。石原氏の言葉を借りると、国を運営する基本理念をことあるたびに論じる若い政治家が輩出して、われわれ高齢者の心を大いに揺すぶって貰いたいものである。それがわれわれに残された希望でもあるからだ。

宮中歌会始 菅第二次改造内閣 The Perfect Storm

2011-01-14 19:29:15 | 社会・政治
午前11時前、内閣改造のニュースでもあるかなとNHKテレビをつけたところ、宮中歌会始の様子が流れていたのでそれに釘付けになった。ちょうど一般詠進歌が披露されていたが、藤原鎌足(ふじわらかまたり)のように、詠進者の名前が姓と名の間に「の」を入れて読み上げられているのが浮世離れしていて印象的だった。そういえば常陸宮は「まさひとのみこ」だし東宮は「ひつぎのみこ」で東宮妃が「ひつぎのみこのみめ」と古めかしいがなかなか趣があってよい。宮内庁のホームページで「歌会始」を見ると、

毎年1月の歌会始の儀では,天皇皇后両陛下の御前で,一般から詠進して選に預かった歌,選者の歌,召人(めしうど)の歌,皇族殿下のお歌,皇后陛下の御歌(みうた)と続き,最後に御製(ぎょせい)が披講(ひこう)されます。皇太子殿下をはじめ皇族方が列席され,文部科学大臣,日本芸術院会員,選歌として選ばれた詠進者などが陪聴します。

この儀式は,読師(どくじ)(司会役),講師(こうじ)(全句を節をつけずに読む役),発声(はっせい)(第1句から節をつけて歌う役),講頌(こうしょう)(第2句以下を発声に合わせて歌う役)の諸役によって進行されます。

とあるように、講師が歌の区切りの語尾を長く伸ばして詠み上げると間髪を入れず発声が歌い始め、講頌がそれに和す。このように短歌に節をつけて詠み上げることを披講というそうだが、実に優雅にして優美、こういう文化を持っている日本人であることが嬉しくなってしまう。国家元首」が新年に「歌会」を伝統の行事として催すなんて、世界でわが国だけではないだろうか。こういう伝統を大切にして、まさに万世に伝えていって欲しいものである。

正午からのNHKニュースで枝野新官房長官による菅第二次改造内閣閣僚名簿発表の実況中継があった。私が気になったのは江田五月前参議院議長が法務大臣になったことである。ご本人はそう思っていないのであろうが、参議院議長と言えば三権分立の立法府の長で、その地位と権威は行政府の長である総理大臣に比肩する筈である。その前参議院議長が総理大臣の下にある大臣に身を落とすとは、かって立法府の長としての自覚・矜恃なんてあったものではない。いくら人材不足の民主党とは言え、参議院とはせいぜいそんな程度の存在だと世間に喧伝しているようなものである。かねてから参議院無用論を唱えている私には心強い味方ではあるが・・・。

官房長官が46歳で史上最年少とか、それはよい。揉まれ叩かれて力強く成長して欲しいものである。当たり前のことながら、わが日本国の舵取りをするのは、当面この内閣以外にはないのである。好き嫌いはともかく、この自称「実務協力推進内閣」はなんとか頑張っているなと国民の目に映る実績をとにかく挙げて欲しいものである。

ところがこの後午後2時からケーブルテレビで観た「The Perfect Storm」がちょっと心に引っかかった。この物語はかなり評判が高かったので以前ペーパーバックスで読んだことがあるが、それが映画化されていたのである。


船主に尻を叩かれた船長を含めて6名の乗組員がカジキマグロ漁に出かけるが、豊漁にも拘わらず製氷機が動かなくなり早く港に戻らないと漁獲がふいになってしまう。ところが運悪く数々の気象条件が重なって、一世紀に一度ぐらいにしか発生しないといわれる巨大ハリケーン、これ以上大きなハリケーンが有り得ないという意味でThe Perfect Stormと呼ばれるのであるが、が前方を塞ぎにかかっている。漁獲をふいにしてもハリケーンをやり過ごして帰るか、それとも運を天に任してハリケーンのまっただ中を突っ切るかで、船長以下漁師魂を鼓舞しあいつつ後者を選ぶ。このハリケーンと闘う漁船乗組員の映画での描写と迫真の暴風シーンとが併せて評判となったのであるが、奮闘空しく最後に漁船は乗組員ともども沈没してしまう。この漁船の名が「Andrea Gail」。

引っかかるというのは菅第二次改造内閣がこの「Andrea Gail」のイメージと重なってしまったからである。




どっちもどっちのNHK会長人事 NHKを国営化してしまえば・・・

2011-01-12 14:42:30 | 社会・政治
NHK経営委員会が慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏にNHK会長への就任を要請したのにも拘わらず、その後会長就任を内諾した安西氏に就任要請撤回の意向を伝えたところ、今度はこれに反発した安西氏がみずから就任を拒否したとかでマスメディアが騒いでいる。

安西氏が会長就任を内諾した一方、次のような情勢変化があったらしい。

 ところが安西氏の受諾後に、会長就任にあたって「交際費の使用」「副会長を連れて行く」「都内に部屋を用意する」の3条件がついたという話がNHK関係者の間に広まった。一部の委員は「責任を持って推すことはできない」と難色を示し、推薦の経緯をめぐる小丸委員長への批判も出てきた。

 経営委は5日に非公式の会合を開き、安西氏から直接、話を聞いた。安西氏は「3条件は虚偽の情報」と全面的に否定した
(asahi.com 2011年1月11日4時0分)

安西氏は「3条件は虚偽の情報」と全面的に否定したとのことであるが、MSN産経ニュースには、次のような安西氏と報道陣との一問一答の記事がある。

 --10日に小丸成洋委員長らからはどんな説明が

 「私についての風評がいろいろあり、風評が正しいか間違っているかは分からないが、風評が立つこと自体が困るということだった。こちら側としては(就任を)辞退してほしいということだったと理解している」

 --会長職受諾に当たり条件を付けたと報じられた

 「例えば、住む所や交際費について、そういうものがあるのか伺った。私は大学勤めでそういうことを全く知らない。ただ、これは条件を付けたということでは全くない」
(2011.1.12 00:45 )

火のないところに煙は立たぬ、ではないが、安西氏が住む所や交際費について、そういうものがあるのか伺ったことは事実であるらしい。安西氏には申し訳ないが、「なんて小っちゃな人」というのが私の偽らざる印象であった。駆け出しのサラリーマンではあるまいし、天下のNHKをリードすべき人物が語るべきは先ず仕事に対する抱負であって、それが経営委員会にいかに支持されるかかを見極めることこそ最重要の課題であろう。住む所がどうなるとか、交際費がどうだとか、会長職に就けば自然となるようになる。すでに慶応義塾塾長という輝かしい要職を立派に?果たした人物である。生活に困るわけでもなし、後は手弁当で奉仕するぐらいの覚悟があってしかるべきであろう。私がかりに経営委員会のメンバーであるなら、「交際費の使用」「副会長を連れて行く」「都内に部屋を用意する」がたとえ条件でなくても、就任前にこのようなことを口にしたというだけで即刻会長就任をお断りすることだろう。

一方のNHK経営委員会であるが、実際の経緯がどうであれ、いったん会長就任を要請した後でそれを取り消したことは事実である。誰が見ても真面目な仕事ぶりとは思えない。ところがなんとこの経営委員会のメンバーはボランティアではなく、結構な報酬を受け取っているのである。今日のasahi.comは次のように伝えている。

 ◆NHK経営委員会 放送法により、その設置および権限、組織、任免、報酬が規定されており、NHKの経営方針や業務の運営に関する重要な事項を決定する。定例会議を原則月2回開催し、執行部から提案された経営の重要事項について協議し、議決を行うほか、NHK会長の任免と、副会長や理事の任免の同意を行う。委員は12人で構成され、内閣総理大臣が任命する。任期は3年。報酬は常勤、非常勤で異なり、委員長は年間約3192万円(非常勤は約633万円)。委員は約2256万円(非常勤は約506万円)となる。

 ◆NHK会長の処遇 月額211万円で、各期末報酬が330万円。期末報酬は業績評価の結果によっての増減があり、平均すると年俸3200万円ほどだ。交際費は、12人の役員交際費として上限2500万円あり、会食費、土産代、慶弔費などに使用される。21年度は1500万円強だった。会長用の住居及び、住居手当などはない。送迎は、NHKから家までの移動、公的な業務のみ車が用意される。もちろん個室があり、3人の秘書が付く。任期は3年。

委員の常勤と非常勤が職務上どのように区別されるのかは分からないが、かりに月2回の定例会議のみに出席するのを非常勤委員とすると、年間24回の出席で506万円ということなのだろうか。われわれの聴取料から払われていると思うと勿体ない。それにしても分からないのは、委員長の報酬が常勤と非常勤で分かれていることである。金額が異なるのが分からないのではなくて、委員長の職務が常勤でも非常勤でも支障なく務まるということが、素直には理解出来ないのである。それほど軽い仕事ということなのであろうか。それにしても今回の杜撰な仕事の言い訳にはならないことを銘記すべきであろう。

現在の委員の顔ぶれは経営委員一覧で知ることができるが、いったいどういう資格が重視されて選ばれたのか門外漢の私には分からないが、私の目には大相撲の横綱審議委員会の顔ぶれと同じように見える(ただしこちらは無報酬)。さらにこの顔ぶれでどんな実務がこなせるというのであろう。ただの素人集団ではないのか。今回のNHK会長の任免にかかわるゴタゴタがその無能ぶりを実証していると言える。

ところでNHK会長であれ経営委員会であれ、こういうものは組織を改めれば不要になる。実は私はかねてから以下の過去ログでNHK国営化論を唱えているのである。

NHKを国営化して政府・政権党の報道機関に
NHKは民営化ではなく国営化を
みたび『NHKは民営化ではなく国営化を』

何を今さら国営化をとお思いであろうが、それなりのメリットを数々挙げているので、興味を持たれる方はお目通しいただきたい。国営化ではないが、現在でもNHK会長人事が総務省主導で行われている現実がある。今朝の読売は社説で《問題は、その「条件」以前に、経営委員会の小丸成洋委員長が総務省主導とされる安西氏起用案に沿って、独自に人事を進めた点にあったのではないか》と指摘し、産経ニュースは《関係者によると、安西氏の起用は片山善博総務相の後押しがあったとされる》と伝えて、総務省の積極的な関与を浮かび上がらせている。NHK国営化でこのような手間の省けるメリットもある。





参議院の問責決議という妖怪

2011-01-07 21:50:47 | 社会・政治
昨日asahi.comが

「菅・仙谷には国を任せられない」…西岡参院議長が手記

 西岡武夫参院議長が8日発売の月刊誌「文芸春秋」に、菅直人首相を「国家観、政治哲学を欠いたままで国を担う資格なし」、仙谷由人官房長官を「放言はとどまるところを知らない。問責決議を受けたのは当然」などと批判する手記を寄せた。

 手記の表題は「菅・仙谷には国を任せられない」。民主党出身の議長の厳しい政権批判は異例だ。国営諫早湾干拓事業への首相の対応について「すべてがスタンドプレーありきの思いつき」。新年度予算案で増額した子ども手当にも矛先を向け、「増税辞さずにひねり出した財源を所得制限もなくバラまくなんて、社会主義的発想がよみがえったかのようだ」とした。

 問責決議を受けながら辞任しない仙谷氏には「法的拘束力のなさを理由に平然としているのはいかがなものか」と指摘。国会答弁は「わざと相手を怒らせ論点をそらす」として、「彼の発言は国会答弁の名に値しない。弁護士の経験からつかんだ法廷闘争のやり方だ」と記した。
(2011年1月6日22時0分)

と報じたかと思ったら、それに仙石官房長官が次のように反論したそうである。

仙谷氏、西岡参院議長に反論 問責の効力めぐり論争

 仙谷由人官房長官は7日の定例会見で、西岡武夫参院議長が問責決議を理由に仙谷氏の官房長官辞任を月刊誌で主張したことを問われ、「憲法論、権力論との関係でどういう論理なのか拝見したい」と疑問を呈した。西岡氏は民主党出身の議長で、問責の効力をめぐる論争が政権党にも飛び火している。(中略)

 西岡氏はこれまでも「問責を受けたことへの重さの自覚がない」などと仙谷氏らを繰り返し批判してきた。問責効力の否定を容認すれば、参院の存在感低下につながりかねないためだ。

 そもそも、問責効力をめぐる論争は今に始まった話ではない。2008年6月に福田康夫首相(当時)の問責決議が参院で可決された際、当時野党だった民主党側は問責の効力を主張し、政権側の自民党が問責を否定していた。攻守の立場を変えて同じような論争を繰り返し、さらには政権内でもいさかいが始まったことに、衆院副議長経験者は「問責というのは単なる『おしかりを受けた』というだけの話だ」と嘆いている。
(2011年1月7日20時15分)

私はそもそも貴族院の亡霊のような参議院なんて不要であると折に触れて論じてきた。

総選挙雑感(2) 『風見鶏のヤス』の子は不肖の子
『ずっこけ風見鶏』は参議院廃止論に拍車をかける
今こそ参議院廃止を声高に唱えよう!

だからこんな参議院の、しかも何ら法的拘束力のない問責決議が単なる『おしかりを受けた』というだけの話というのを素直に受け取ることが出来る。ところが野党のみならず民主党出身の参議院議長までが、いや議長だからこそと言うべきなのかもしれないが、問責決議に過大な権威付けをしようとしているのが以下にも滑稽で猿芝居にみえる。私は民主党政権に肩入れする者ではないが、国民の一人として問責決議を巡る茶番劇の幕を早く下ろして欲しいのである。今となっては仙石官房長官と馬淵国交相がどういう理由で問責決議をされたのか、それを即思い出せないだけにこの思いは深い。



沖縄に手玉取られる民主党? 追記あり

2010-12-15 14:23:37 | 社会・政治
沖縄振興開発計画なるものが第一次から第四次まで進んでおり、現在の第四次開発計画が平成23年度で終わろうとしている。第一次が始まったのが昭和47年度であるから40年にわたる長期の計画である。内閣府沖縄関係予算のあらましでおおよその規模が分かる。

 内閣府沖縄関係予算及びその中核を占める沖縄振興開発事業予算 (各種公共事業と教育振興、保健衛生、農業振興のための予算) の総額の推移を見ると次ページの図のとおりです (昭和47年度予算には約366億円に上る復帰対策諸費が含まれています)。
 このうち、振興開発事業費は、昭和47年度373億円から平成12年度第1号補正後では3,336億円となり、8.9倍を超える大幅な伸びを示しています。
 復帰以降現在までの振興開発事業費の累計は、平成12年度第1号補正後時点でおよそ6兆4,169億円 (補正後ベース) に上っています。

その後の振興開発事業費を沖縄担当部局予算額から求めると、第三次計画最後の平成13年度3490億円、そして第四次では年間2800億円ベースになっているので、この40年間に約9兆5000億円注ぎ込まれたことになる。

一方、第3次沖縄振興開発計画の「人口及び経済社会のフレーム」の項目に次のような見通しがある。

県内総生産は、亜熱帯農業、製造業、観光・リゾート産業、情報サービス産業等、本県の特性を生かした産業の振興開発が期待されることから、平成2年度の2兆8千億円から平成13年度にはおおよそ4兆9千億円(平成2年度価格)となる。(中略)

一人当り県民所得は、平成2年度の200万円から平成13年度には310万円(平成2年度価格)を超え、全国の所得水準との格差は縮小していくことが期待される。

実際に到達したのは平成13年度の県内総生産が3兆5千億円(平成19年度においてすら3兆7千億円)一人当り県民所得は211万円(平成19年度では205万円)に留まっており、その間投じられたほぼ3兆円に及ぶ振興開発事業費の振興効果は、なに一つ現れていないことになる。この3兆円は総額9兆5千億円の一部に過ぎないが、たとえば昭和50年度、平成11年度、平成19年度で沖縄県総生産の全国総生産に占める割合は0.61%、0.68%、0.70%と32年間に0.1%の微増に終わっており、沖縄県に振興開発事業費を集中投下した全期間にわたって、それなりの成果があったとは言えない。何故このような結果に終わったのか、ぜひ専門家の分析が欲しいところであるが、ここでは先を急ぐこととする。

沖縄振興特別措置法の第一章総則には「目的」などが次のように記されている。

(目的)
第一条  この法律は、沖縄の置かれた特殊な諸事情にかんがみ、沖縄の振興の基本となる沖縄振興計画を策定し、及びこれに基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、沖縄の総合的かつ計画的な振興を図り、もって沖縄の自立的発展に資するとともに、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与することを目的とする。

(施策における配慮)
第二条  国及び地方公共団体は、沖縄の振興に関する施策の策定及び実施に当たっては、沖縄の地理的及び自然的特性を考慮し、並びに産業活動及び住民の生活における基礎条件の改善、沖縄固有の優れた文化的所産の保存及び活用、環境の保全並びに良好な景観の形成に配慮するとともに、潤いのある豊かな生活環境の創造に努めなければならない。

なんと全文が59145文字もある膨大な条文で第120条まであり、それに附則、別表までが附属している。こんな立派な?条文に支えられた計画であるのに、沖縄県内総生産と一人当たり県民所得の動向で見る限り、沖縄振興開発事業費はまったくの空振りであったと言わざるをえない。県民一人ひとりの生活の質を高めるのではない方向にカネが流れてしまったのであろう。それなのに平成23年度で終わる現在の第四次開発計画の後を沖縄が狙っている。昨日の琉球新報の記事である。

交錯「普天間」と「振興」 両官房副長官来県

 11月末の知事選から2週間余り。福山哲郎、滝野欣弥の両官房副長官が来県した背景には県と意見交換を重ねることで、できるだけ早く普天間飛行場移設問題の解決の糸口を見いだしたい政府の意図が見え隠れする。一方、県は、仲井真弘多知事が選挙戦で県外移設を公約に掲げた普天間問題での突っ込んだ議論よりも当面は、沖縄振興に関して実を取りたい考えだ。知事の再任後、初となる菅直人首相来県を前に、双方の思惑が交錯している。
(2010.12.14)

これより前の沖縄タイムスには次のような記事があった。

普天間リンク論「大変な違和感」 翁長那覇市長が批判

 知事選後、米軍普天間飛行場移設問題の進展に向け、閣僚の一部から沖縄振興と関連付けた発言が出ていることに、翁長雄志那覇市長は7日、「大変な違和感と強い憤りを感じる。県民の心を引き裂こうとする姑息(こそく)な『リンク論』は強く非難されなければならない」と強くけん制した。開会中の12月市議会代表質問で述べた。

 翁長市長は「知事選では基地か経済か、という議論を乗り越え、初めて県民の心を一つにできた」との見解を示した。来年度で期限の切れる沖縄振興特別措置法に代わる新たな法整備には、戦後65年続く基地負担を挙げ「何にも結び付けられることなく、国の責任で、確実に手当てされなければならない」と強調した。
(2010年12月9日 09時36分)

「普天間」と関係なくカネを寄越せというのだから、こちらの主張の方がわれわれには分かりやすい。しかしそれは「沖縄側」の理屈で、日本国民の多くは沖縄に基地を置く代償と受け取っているのではなかろうか。沖縄振興特別措置法にある「沖縄の置かれた特殊な諸事情にかんがみ」がそうである。第四次計画最後の平成23年度の沖縄振興予算の要求額は前年度と同レベルの2304億円であるが、日米両政府の合意事項に縛られる民主党政権の弱みに付け込み、来る第五次計画では要求額を大きく上積みしてくることが予想される。となれば守屋武昌著 「普天間」交渉秘録 は面白い ついでに沖縄科技大のこともでも書いたように、タフ・ネゴシエイターである沖縄の人々に民主党政権が手玉に取られ、気がつけばカネは取られる、普天間は動かせない、と言うことになりはしまいかと、これはげす勘ぐりである。

いつのことになるのか分からないが、将来北朝鮮との間で戦後処理が終了し、かりに北朝鮮に賠償金が支払われるとして、100億ドル(8400億円)という金額が取り沙汰されている。とするとその10倍にも及ぶ「賠償金」を日本国民はすでに沖縄に払ってきたとも言える。それにもかかわらず県民所得が全国47都道府県中最低をいつまでも売り物にしている沖縄に、日本国民はいつまで付き合っていかなければならないのだろう。しかし米軍基地を沖縄に押し付けたままでは、この当たり前のことを沖縄の人に言うことは出来ない。少なくとも沖縄の米軍基地の県外移転がその前提になる。その一案を神戸空港を米国海兵隊航空基地にするのも一案で論じたが、大切なのは国民意識の覚醒でもある。「普天間」と「沖縄振興」の論議を絡み合わせていく過程で、ぜひ新たな展望に辿り着きたいものである。国民が積極的にコミットすることによってのみ、民主党政権が沖縄の手玉に取られる愚は避けられることであろう。


追記(12月16日)
この項を追うような形で《普天間日米合意「見直しを」6割 朝日新聞世論調査》が報じられた。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を同県名護市辺野古にするとした今年5月の日米合意について、朝日新聞社が全国世論調査(面接)で聞いたところ、「見直して米国と再交渉する」が59%に上り、「そのまま進める」は30%にとどまった。地元沖縄だけでなく、国民の多くが合意の見直しを求めている現状が浮かび上がった。

 支持政党別にみると、民主支持層の61%、無党派層の62%が「見直し」を求めた。自民支持層では「見直し」が47%だったが、「そのまま進める」の41%を上回った。

 「日米合意を見直す」と答えた人にどうしたらよいと思うか、三つの選択肢から選んでもらうと、「国外に移設する」が51%と最も多く、「沖縄県以外の国内」が32%、「沖縄県内の別の場所」が12%だった。
(asahi.com 2010年12月15日23時0分)

国民意識覚醒の兆しであろうか。




神戸空港を米国海兵隊航空基地にするのも一案

2010-12-01 18:39:21 | 社会・政治
私は以前伊丹空港が米軍基地だった頃 そして・・・で、次のようなことを述べた。

私は日本からは米軍基地のすべてを追い出すべきであると思っている。しかし「ヤンキーゴーホーム」の意味がもはや通じない世代が大勢を占める今の日本で、米軍基地撤廃の声が一つに纏まることはまずあり得ないような気がする。国民の気持ちが一つになり得ないのは、やはり沖縄だけがその不条理の被害を被るだけで国民のほとんどにとって、他人事となってしまっているからであろう。占領下の情況を駐留米軍に再現して貰い、本土の人間が占領下にある屈辱を今改めて実感するようになれば、ひょっとすると「ヤンキーゴーホーム」の声がまとまって大きくなるのかも知れない、なんて破れかぶれに思ったりする。橋下大阪府知事がそこまで考えているのなら、米軍基地を再び関西に、という誘致案も一考に値するというものだ。かっての国体のように全国都道府県回り持ちで順番に基地を引き受けるともっと効果が上がることだろう。

これは橋下大阪府知事が普天間基地の機能や訓練の分散移転について、関西での受け入れを検討すべきだとの考えを示した時の私なりに反応であった。その橋下知事の本音がどうやら神戸空港の転用にあるようだと昨日の報道で思った。神戸市のことを大阪府知事に口出しして貰いたくはないわ、と思う一方、問題提起としては、私が上に述べたような観点からは、十分に検討に値するように思う。

「将来性見えぬ神戸空港見て」 普天間移設で橋下知事

 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり、仲井真弘多・沖縄県知事が視察先として関西空港を挙げたことについて、橋下徹・大阪府知事は30日、報道陣に「関空は伊丹(大阪空港)との経営統合の流れが決まっており、申し訳ないがそういう状況でない。将来性が見えない神戸空港を見てもらいたい」と述べた。
(asahi.com 2010年11月30日13時11分)

普天間基地問題はもとを質せば国民一人ひとりの問題である。ところが私自身もその実情をほとんど知らないのでネットで調べたところ、普天間基地@米軍飛行場がある暮らしというサイトに出合った。①普天間基地(普天間飛行場)の概要、②普天間基地の市民生活への影響、③普天間飛行場周辺の生活環境、④普天間基地移設問題について・何が問題なのか?、と四つのカテゴリーに分かれて普天間基地問題が包括的かつ具体的に冷静な筆致で描かれている。管理人は《沖縄県・宜野湾市の発展を心から望み、米軍基地と共存共栄できることを願ってやみません》と仰る宜野湾市在住の主婦の方であるが、現状を垣間見るためにも一人でも多くの方このサイトを訪れていただきたいと思う。私が知りたいのはこの基地における日常訓練の実態であるが、現時点では把握出来ていない。従って普天間海兵隊航空基地の果たす機能が神戸空港で代替出来るのか分からないが、一応可能という前提で話を進めることにする。

現在普天間基地は2800m×46mの滑走路を含む480ha(ヘクタール、ha=100m×100m)の敷地を占めるが、移転先と目された辺野古周辺での一案として、埋立工法も含み2500m×730m、すなわち184haの用地を確保して、1800mもしくは1600mの滑走路を建設することが挙げられる。一方、神戸空港は272haの空港島で2500mの滑走路があるから施設規模としては十分であろうし、すぐ近くにはポートアイランドの空き地もある。

神戸空港の管理収支の見通し(平成18年度~平成27年度)が公表されている。どの程度実体を反映しているのか素人の私には分からないが、平成21年度には49億9千万円の管理収支見込み対して、何らかの細工をしている模様で辛うじて0になっているが、その先にあるのは赤字だけのようである。神戸市が主体となって約3000億円投じて建設したものの利用客や発着回数が目標にはとても及ばず、発行した市債の償還に当てるために造成した用地の売却も進んでいない。まだ先のことになるが、リニア新幹線の開通で神戸-羽田便が廃止されると旅客が開港直後の平成19年度の半分以下になるとも試算されている。

この神戸空港に米軍海兵隊航空基地も持ってくるのである。幸い陸地を離れた沖合に出来上がっているし、空港としての潜在力はきわめて大きいことが次のようなことから分かる。平成22年9月9日に国土交通省に神戸商工会議所などから提出された政府に対する「神戸空港の今後のあり方に関する要望」にも、次のような要望が記されており、現行規制がその有効活用を阻害している実情が明らかにされているのである。

 しかしながら、24時間運用可能の海上空港であるにも関わらず、現在は運用時間や発着枠など様々な制限が課せられており、そのポテンシャルを最大限に発揮できない状況を余儀なくされている。
 地域主権の確立や、社会資本整備の無駄などが叫ばれる今日、折角作った空港を、各種規制によって活用を制限することは、地元市民、地域経済はもとより日本国全体の損失と言っても過言ではない。
今求められていることは社会資本の有効活用であり、神戸空港についても、現行規制を撤廃し、そのポテンシャルを最大限発揮することにより、市民生活の向上や地域経済活性化、さらには日本経済の新たな成長発展へと繋げていくことが喫緊の課題である。

まずは神戸市長が口火を切ればよい。これで神戸空港建設に伴って生じた数々の負債への市民負担が大幅に軽減されるという、市民にとっての現実的なメリット?がある。その上、海兵隊航空基地を「見せ物」にすればよい。沖縄までわざわざ米軍基地を見物に出かける物好きは少ないだろうが、神戸で見物出来るとあれば結構人が押し寄せることだろう。さらには文部科学省が学習指導要領で指導するとか、または「日教組」が先頭に立って修学旅行地として神戸を選ぶことを必須にするのである。何を教えるかはともかく、日本固有の領土それも本土で、よその国の軍隊が我が物顔に振る舞っている現状を若い人たちに見て貰うことが生きた「社会科」の学習となる。もちろん本土にも基地は数々あるが、その多くは周りにとくに見るべきものはない。その意味で神戸の立地条件は抜群と言える。すべての日本国民が米軍基地の現状を自分の目でとくと眺め、日本が独立国としての主権を放棄させられている事実を理解することが大切なのである。その国民的合意があってこそ、はじめて「ヤンキーゴーホーム」が現実に近づくことであろう。

神戸空港の米国海兵隊航空基地化には当然いろいろな立場で反対運動が起こることだろう。その過程で日本に米軍基地不要論が国民のコンセンサスになれば、そちらに方向転換すればそれでよいのである。そうはなりにくいと思うから、迂遠ではあるが遠い道程の第一歩として、神戸空港の米軍基地転用を積極的に現状打破の一助としたいのである。かって最後の沖縄県知事島田叡を母校からを記したこともあり、沖縄の人々の基地負担軽減にとりあえず役に立つ現実的な一案として考えてみた。

私の疑問に答える二つの新聞記事 特別公務員職権濫用罪と村木さんの監督責任

2010-10-23 17:34:45 | 社会・政治
昨日の新聞朝刊は大阪地検特捜部前部長と副部長が懲戒免職された上、犯人隠避罪で起訴されたことを大きく伝えた。もっとも起訴された二人は罪状を全面否認しているとのことだから、郵便不正事件での村木裁判の状況とよく似ているのが皮肉である。この二人が犯人隠避罪に関してはまた無罪になるのも面白いかなと思っている、というより期待している。前田前検事による「FDデータ書き換え」は確かにあってはならないことで、それで前田前検事が懲戒免職されて刑事罰をも受けるのは当然のことであるが、そのかっての上司が「FDデータ書き換えについての関わりだけで処分をされるのはおかしいと私はかねてから思っているからである。このことに関して三週間ほど前に「FDデータ書き換え」もさりながら「犯罪捏造」の罪の方がはるかに重いで次のように述べた。

公判での証拠にはならなかったが、「証拠品」に手を加えたのは確かに悪い。しかしこのことは、私が前田検事の「FD書き換え」より大事なこと  検察に踊らされた朝日新聞?でも述べたことであるが、郵便不正事件で無罪となった村木厚子さんに無実の罪を着せようとした「犯罪捏造」に比べると、敢えて言うが、取るに足らない些末なことである。

村木さんの無罪確定で明らかなように、もともと「村木事件」はあり得るはずのものではなかった。断片的であれ報道を通じて分かったきたことは、そもそも村木さんの起訴どころか、逮捕すらあってはならないことであった。(中略)

検察の仕組みは私は知らない。しかし大阪地検では特捜部自体も一つの組織で、だからこそ主任検事、副部長、部長が存在し、地検ではさらにその上に次席検事、検事正が存在するようである。村木さんの逮捕、起訴に際して「はんこ」を捺した人間にはすべて直接の責任がある。科学者が論文を発表する際の著者に名前を連ねるのと同じだからである。

その意味で昨日の朝日朝刊社会面の次の記事が、この事件の本質をついた弘中弁護士の意見を伝えているのはよかったと思う。

">

白抜きの部分は市井人の常識的な見方に法律の専門家が与えたお墨付きと言えそうである。遅きに失した感があるが、まずは前田前検事を特別公務員職務乱用罪で追起訴することから出直しを計るべきである。それが社会正義というものだろう。刑法に次の条項のあることを今回始めて知った。

 (特別公務員職権濫用)
第百九十四条 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、六月以上十年以下の懲役又は禁固にしょする。


もう一つの記事は今朝の朝日新聞である。


私は五日前のチリ・落盤事故全員救出と村木厚子さん完全無罪の裏にあるもので次のように述べた。

当時の村木課長が知らない間に、彼女の公印が捺された証明書が現に存在したのである。もし公印の管理が厳正に行われていたら、上村被告といえども偽の証明書を作成出来なかったはずである。自らの公印であるからもちろんその管理責任は村木さんにある。村木さんが公印の管理さえしっかりしておれば、偽証明書が作られようがなく、郵便不正事件そのものも発生しなかった筈である。

公印の管理は落盤事故防止に比べればはるかに容易であろう。それを怠ったばかりに、世間が大騒ぎする羽目になったのに、その反省と対策の話がほとんど聞こえてこないのはどういうことだろう。「完全無罪」の興奮から覚めた村木厚子さんに、国民に対する管理状況の説明と謝罪があってもいいように思う。部下に対する監督責任は当然追求されるべきであろう。それともすでに処分は下されたのだろうか。

その監督責任について、これから答えが出てくるようであるが、そのうえに公印管理を怠った職務怠慢が責められるべきなのではなかろうか。