木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

政権交代からまだ半年

2010-03-16 22:31:09 | インポート
 政権交代から半年である。色々な声が錯綜するが中に
は意図的に吹聴しているプロパガンダもある。
 よく考えよう。まだ半年である。
 電子レンジでご飯を温めるような感覚で、1分かそこ
らでご飯ができてしまう感覚に慣れ切った視野で物事を
見ると、政権交代した、次の瞬間にもう何かとてつもな
い素晴らしい事をしてくれる筈だ、何かとてつもなく美
しい花を咲かせてくれる筈だと性急に見てしまいがちな
時代になった。
 しかし普通にご飯を炊くにも良いご飯を炊こうと思え
ば米を研いで炊飯器で炊く、それだけでも随分と時間は
かかるものである。電子レンジに慣れた世代と時代では
待ちきれない時間かもしれない。

 また余りにもテレビドラマ、特にトレンディードラマ
を見過ぎている人々が増えている為か、約2カ月半で最
終回を迎え総てが上手く結末を迎える残像に思考回路自
体が染まっている時代になった。テレビドラマでは次の
瞬間に場面がいきなり10年後になったり、次の瞬間に
場面が海外になったりし、また主人公が設定され万事物
事が首尾よく展開していく、そういう物事の思考回路に
染まってしまえば現実の世の中の物事の進展等待ちきれ
ない、時間の経過に我慢できないまま叫んでしまう、そ
ういう視野になってしまう。

 明治維新が起こるまで約15年かかり、維新後に世の
中が形になり安定するまで更に10年の年月を要してい
る。明治の世の人々が現代人のようにせっかちであった
なら維新の大業は頓挫していたに違いない。
 物事には時間がかかるのである。
 世の中の物事、そして政治において大切な視点はその
過程と時間がかかるという認識である。問題設定さへ間
違っていなければ問題ないのである。後は設定した物事
が時間を経て芽を出し形として世の中に表面化するその
過程を明治人は知っていたが現代人は余りにも性急に答
を求めすぎる時代にいるためか忘れてしまったのだろう
か。だとすれば物事は何事も為し得ない。自業自得に陥
る、その自業自得に気がつかないのかもしれない。

 酒でも良い酒を醸成しようとすれば一定の年月がかか
る。性急に答えを求めて騒いでいるマスコミもその本社
ビルを竣工するまでに様々な手続きの為に数年かかり建
築に着工してからビルが完成するまで更に数年かかるで
はないか。現実の物語は歳月を要するものである。

コメント
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