木村正治のデイリーコラム

木村正治(きむらまさはる)が世の中の様々な事項について思う事や感じた事を徒然に綴っています。

北方の息吹(三十六)

2006-07-01 01:03:13 | インポート
 ( 続 き )
 日本国大本営は更に日本国国内及国外に在る其の指揮
 官に対し何れの位置にあるを問わず一切の日本国軍隊
 又は日本国の支配下に在る軍隊を完全に武装解除し且
 前記連合国指揮官に依り指定せらるる時期及場所に於
 て一切の兵器及装備を現状のまま且安全にして良好な
 る状態に於いて引き渡すべきことを命ず。追って指示
 ある迄日本国本土内に在る日本国警察機関は本武装解
 除規定の適用を免るるものとす。警察機関は其の部署
 に留るものとして法及び秩序の維持に付其の任すべし
 上記警察機関の人員及び武器は規定せられるものとす。
               (以上、引用を終える)

 無条件降伏、という言葉は正しくは当初、日本軍隊の
無条件降伏という意味で発せられたのが、いつしか日本
の無条件降伏という意味で巷に流通したように思える。
 何れにしてもこの段階で日本国はポツダム宣言を受諾
した後の行動として各所で降伏している。それでも樺太
や千島列島でソ連軍の侵攻が行われていた事実は侵略で
あり戦闘意思を持たない相手へのリンチと言えまいか。

 今日においてロシア大統領が豊富な資源を背景に強気
の声明を発表し北方領土の正当性を「発音」しているが
歴史と事実を辿れば、それがいかに政治的な演出に過ぎ
ないかが炙り出される。

 さて、降伏直後の我が国はあらゆる主権を停止させら
れる。その空気を当時の覚書から感じてみたい。以下、
引用する。

 ?若干の外郭地域を政治上行政上日本から分離する
  ことに関する覚書?
             一九四六年一月二十九日

 一、日本国外の総ての地域に対して又その地域にある
   政府役人、雇傭員その他総ての者に対して政治上
   又は行政上の権力を行使すること及、行使しよう
   と企てることは総て停止するよう日本帝国政府に
   指令する。

 二、日本帝国、政府は既に認可されている船舶の運航
   通信、気象関係の常軌の作業を除き、当司令部か
   ら認可のない限り、日本帝国外の政府の役人、雇
   傭人其の他総ての者との間に目的の如何を問わず
   通信を行うことは出来ない。
                   (引用続く)

コメント
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