「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「一朶の梅の」

2006-01-31 17:09:41 | 和歌

 盆栽仕立ての白梅を、露地に下ろして二年目になる。小さな梅の木が初花を付けた。

  
 



             夕されば白く莟はほころびぬ

             明日こそ観らめ梅が初花




 昨日の夕暮には綻びかけていたので、今朝の雨が心配であったが、幸いに初花を濡らさずに、ご挨拶できた。寒空に咲く健気な梅の花を、あるがままに写し撮りたいと念じて、カメラを取り出して構えたが、虚庵氏の撮影技量では及ばぬ願いであった。清楚で凛と咲く白梅の、香りたつ姿は、掲載する写真ではなく、読者の頭の中に描き出して頂きたい。

 カメラを構えた手がブレテ・・・。いやいやその様な聞き苦しいことは言うまい。白梅の気品に、虚庵居士が到底及ばぬということであろう。

  

 




             雨降ると予報のあればぬばたまの

             昨夜はいとどこころ乱れぬ



             がわ妹の呼ぶ声ききており立てば

             庵の庭に白梅ぞ咲く



             いとけなき梅の木なれどたがわずに

             花咲きにけり睦月晦日に



             たまくしげ身を屈めてはいとけなき

             一朶の梅の香りをばきく