盆栽仕立ての白梅を、露地に下ろして二年目になる。小さな梅の木が初花を付けた。
夕されば白く莟はほころびぬ
明日こそ観らめ梅が初花
昨日の夕暮には綻びかけていたので、今朝の雨が心配であったが、幸いに初花を濡らさずに、ご挨拶できた。寒空に咲く健気な梅の花を、あるがままに写し撮りたいと念じて、カメラを取り出して構えたが、虚庵氏の撮影技量では及ばぬ願いであった。清楚で凛と咲く白梅の、香りたつ姿は、掲載する写真ではなく、読者の頭の中に描き出して頂きたい。
カメラを構えた手がブレテ・・・。いやいやその様な聞き苦しいことは言うまい。白梅の気品に、虚庵居士が到底及ばぬということであろう。
雨降ると予報のあればぬばたまの
昨夜はいとどこころ乱れぬ
がわ妹の呼ぶ声ききており立てば
庵の庭に白梅ぞ咲く
いとけなき梅の木なれどたがわずに
花咲きにけり睦月晦日に
たまくしげ身を屈めてはいとけなき
一朶の梅の香りをばきく