「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「赤芽の装い」

2006-01-25 17:13:29 | 和歌

 ご近所に、手入れの良く行き届いたカナメモチの生垣のお宅がある。俗称「赤芽」とも言うらしいが、その呼び名の通り、春先には新芽が一斉に芽吹き、その時節には赤紫の生垣に変って、誠に見事である。

 大寒を過ぎたばかりの昨今、珍しく一枚の赤芽を見つけた。赤芽というよりは、寒波に晒されて赤くなったものかもしれないが、陽ざしに透けるひとひらの葉は、深緑の葉に映えて、虚庵居士に強く訴えるものがあった。


  
 




             寒ければ ふか緑濃く身を包み

             赤芽を透かすカナメモチかな



             ふか緑 色濃きドレスの身支度に

             女人の木なるや赤芽を装い



             花ならず 若葉ひとひら翳すてふ

             こころ栄えたる赤芽なるかな