中国には13億人が住んでいますが、ごみの分別やリサイクルが進んでいません。それによって年間の経済的損失が5100億円にも上るとされています。北京市の中心部から車で30分。車から降りると、ものすごい悪臭が街の全体を覆っています。原因は、道路の至るところに捨てられているごみです。
「ごみが増えると臭いがするのは当たり前だよ。片づける人はいたりいなかったり」(近所の住人)
悪臭を放つごみの山をよく見ると、プラスチックや瓶などリサイクル可能なものも。ごみの再利用、それは13億を超える巨大な人口による大量の消費社会へと突入した中国が抱える新たな問題です。
世界遺産の西湖でも知られる中国沿岸部の都市・杭州市。今から14年前、杭州は北京などとともに“ごみ分別試行都市”とされ、それ以降、数々の取り組みが行われてきました。市内の団地に集まるのは、退職したお年寄りや学生で構成されるボランティアたち。彼らの任務は、住民たちにごみの分別を指導することです。
「前に40~50代の住民にごみの分別を指摘したら、『私はもうすぐ引っ越すから』と怒られたこともあります」(ボランティア団体代表 王玲さん)
このボランティア団体は現在、会員数は1万人を超え、市内のさまざまな場所でごみ分別の重要性を訴える活動を行っているといいます。また、中国全体としても珍しい古着のリサイクルをはじめ、団体の活動に賛同する人たちが、1人、また1人と増え始めるなど、手応えを感じているといいます。
ところが・・・インターネット上に上げられた杭州市のごみ処分場の映像。さまざまな分類のごみが1つにまとめられているのがわかります。実は、市民たちがしっかりごみを分別しても、回収する業者がそれらを混ぜて運んでしまうという問題があります。実際、北京市の路上にあるごみ箱では、しっかりと分別を守ってごみを捨てる市民の姿が見られます。ところが、ごみ回収業者はこれらを一緒くたにしてしまうのです。
「誰も分別して捨てていなかったじゃない」
Q.いつも分別しないのか?
「分けません」(ごみ回収業者)
現在、中国では、再利用可能なごみのうち、実に90%は燃やされるか埋められるかなどしていて、その経済的損失は日本円にして年間およそ5100億円にも上るとされています。また、ごみを焼却する際にダイオキシンなどの汚染物質が出るといった環境への影響も心配され、実に全国の3分の1の都市がごみに関係する問題を抱えているといいます。
「なるべく早く自分たちの力でごみの分別を、杭州、さらに全国で推進していきたいと思っています」(ボランティア団体代表 王玲さん)
国の発展とともに日々新たな問題が生じる現代の中国社会。しかし、経済成長を最重視する中国政府によって、これらの問題解決は後回しにされていると言っても過言ではありません。
@ゴミって言うからシナ人の事だと思ってました。