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曇った鏡、のち晴れ

 電車で隣に座った女高生が化粧をはじめた。正直な感想を書くと、おやじコールで非難される危険があるのでやめておく。ふふふ、それはファウンデーションて奴かな?しかし、ちょっと気になったのが手鏡が汚れていること。余計なおせっかいだが、その鏡で蝶に変身できるのか心配である。この汚れた鏡を分析すると、きれいになりたいけど現実は見たくないということ。これは私の意見ではなく、心理歴史学者ハリ・センボン博士の分析手法によるとこうなるのだ。

 鏡には3種類あると思う。見たいのに見えない鏡、見たくないのに見える鏡、そして女高生愛用、見たくないから見えなくていい鏡。

 日本で毎日、最も多く見られている鏡は、車のバックミラーだろう。強面のトラックの運転手さんが、3秒に一度は鏡に目をやるというのは、一寸可愛いしぐさに思える。もっとも映っているのはご自分の顔でなく、覆面パトカーのようだが。彼らのパーキング・エリアでの、バックミラーだけを頼りにした、誤差10cmかと思える職人芸を見るたびに、木下大サーカスをただで見られて得をした気分になる。

 それに比べ我がエスカル号についているバックミラー、前進中はほとんど開店休業状態。パーキング・エリアでは職場放棄、どこでハンドル切っていいのやら、どこでブレーキを踏んでいいのやら、ちゃんと教えろよと思う。見たいのに見えない鏡、きっと安物のバックミラーが付いているのだろう。

 カーブミラーも見たいのに見えない鏡のひとつ。交差点のミラーにウインカー出している車が映っている。えーと、鏡の中で向かって左側のウインカーだから、うーんと、お茶碗持つほうが左手で、わっ、こっち曲がってきたよ、危ないじゃねーか。正しい情報を伝えてるって?いえ、それは極端な異端の邪説だ。

 見たくないのに見える鏡の第一位は風呂場の鏡。目と鼻の先の大きな鏡の前で、三段腹を洗えとは、最初の頃に書いた自分のblogを無理やり読まされるのと同じくらいの拷問だ。昔は湯気でちゃんと曇るように設計されていたのだが、最近は鏡の裏にヒーターとやらが忍ばせてあるらしく、曇らない。科学の進歩が、文明の衰退を加速する良い例だろう。この衰退の期間をいかに短くするかが問題なのだ。

 見たくないから見えなくていい鏡には歴史の鏡もある。いやー、この段で落とすつもりが、なにやら面倒な話題になってきた。私の宿題にさせてもらう。

 それにしても鏡とはすごい装置だと思っている。電気もガソリンも食わないのに365日、24時間、世界を映し続けているのだから。時々ガラス・クリンビューできれいにしてやろう。



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