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光と影、夜は暗くてはいけないか

 以前に丸の内仲通のイルミネーションについて書いたらいろいろな意見をいただいた。環境問題としての意見が多かったのだが、私の意図しているところはそれではない。確かに人工衛星から地球の夜を眺めると日本は際立って明かるい。環境問題として、考えるべきことだとは思う。

人工衛星から見た地球の夜

 しかし丸の内仲通のイルミネーションはやめたほうが良いのではないかと書いたのは、せっかくの落ち着いた、意図された暗い照明が台無しになってしまうと思うからである。

 これが年末の丸の内仲通り。三角錐になっているのはパンジー、歩道に敷き詰められているのもパンジー。これらがとりどりの色で照明されている。

年末の丸の内仲通り

 これはちゃんとデザインされていて光の芸術と言っても良いだろう。年末に限ったお祭りとしてのライトアップであればそれも良いかもしれない。

 しかし、これが一月になっての丸の内仲通り。相変わらず発光ダイオードで街路樹が照らされている。光の芸術と言うにはあまりにも安易。これならやめるべきではないだろうか。

一月の丸の内仲通り

 建築家、乾正雄の書いた「夜は暗くてはいけないか」という本がある。16世紀の画家ブリューゲルから始まり谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」に言及し、現代の明るすぎる夜に苦言を呈している。環境問題だから夜は暗くすると言うよりも、明るすぎる夜はちょっと下品と言う意識が広まると良いと思う。

 最近、歳と共に暗いところでの視力がぐんと落ちてきた。そのうち「夜の照明はもっと明るくして欲しい」などと言い始めるかもしれないが老人のわがままとして許して欲しい。


ref:乾正雄「夜は暗くてはいけないか」朝日選書


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