タイからやって来た料理の先輩 ー 「マクロビ&つぶつぶ雑穀料理&タイ流ベジタブル&玄米パスタ。」

2016年02月19日 | 日本の「食」

今日はタイから来た料理の名人、めぐみさん夫婦達との夕御飯、
特別な晩でした。
僕の奥さんはもう二週間以上ベトナムに行ったまま!!
そんな時に、留守番役の僕と末の娘には、隣国のタイからはるばる、
まさに「朋、遠方より来る」の楽しい一晩でした。



木幡めぐみさんは知る人ぞ知る、雑穀料理「つぶつぶ」を約20年ほど前に
考案・開発し、マクロビ・ベジタリアン料理の新たなジャンルとして
日本に広めた第一人者です。
ひえ、あわ、もちきび、たかきび等、日本古来からの雑穀を「つぶつぶ」
と命名し、その旧式なイメージを一新し、調理法もアイデア豊かに
和・洋・エスニックの様々な展開で自由自在なレシピを生み出しました。



(めぐみさんの手元に置いてあった、今日の料理のアイデアスケッチです)

彼女の著した「つぶつぶクッキング」の料理本には、健やかで美味しい
レシピが沢山あります。

さて、今日の料理は以下の通り。僕は急ぎの仕事で外出していたので、
一緒に料理が出来ず本当に残念。でも、うちのキッチンスタッフの
「大」さんが見事にサポートしていました。







下のオーガニック玄米パスタ、お湯だけで簡単に戻せて、保存も簡単。
めぐみさん達がタイで契約農家を見つけ出し、開発した商品です。
東京のガイアやクレヨンハウス等、日本の自然食品でも販売されて
いるとのことです。 



僕が帰宅すると同時に、次々に素晴らしい料理が食卓に
運ばれてきました。



南国風のグレープフルーツと赤タマネギ、コリアンダー、荒く砕いた
ピーナッツのコンビネーション。ヨーロッパ風のドレッシング等は
使わず、酸味と塩の加減が抜群の出来。簡単に見えて、食材の各々の
持ち味をよく見極めて、彩りも味のコントラストもくっきり爽やか、
素敵な一品でした。



軽く塩茹でした、やや大ぶりの房のブロッコリーにはしっかりした
噛み心地を残しつつ、すり鉢の中でくるみと水と塩だけを合わせて
やや粗めのピュレー状にすりあげたところに放り込み、ざくっと
仕上げた、グリーンとホワイトカラーの和え物。京都亀岡の
吉井さんの黒釉の器にアレンジしたのもバッチリ。
和食のポイントをしっかり押さえた、モダンな一皿でした。



大ぶりのエリンギの丸のままの姿を生かし、しっかり縦に厚切りし、
オイルは最小限、厚手の鉄鍋で焼き付け、きのこの香りを引き出し、
最後に天然醸造の味醂と濃口醤油をかけ合わせた、照り焼き風の
合わせ調味料で味付けした、食べ応えのある一皿です。
シンプルなレシピですが、調理の一つ一つの手法・手順が実に
理にかなっていると思いました。エリンギ自体の旨さ、噛み応えが
しっかり伝わってきます。



昆布水で炊いてあったセロリの根を大ぶりに切り、それに合わせて
洋野菜のズッキーニも棒状に切り、細長く切っただし昆布も加えて、
油で揚げた車麩で重厚感もある一品。溶き卵で〆るのではなく、
そこにもちきびがどんと乗っかってきます。野菜や食材の特徴を
よく知った料理人ならではの、自由な発想だと思いました。
美味しかったです。



タイ料理を応用した揚げビーフンがアクセントの、やや辛めのスープ麺。
辛みが苦手の「大」さんも、「うん、これは美味しい」と唸った一品です。



木幡さんご夫婦がタイで開発したオーガニックの細麺と太麺の玄米パスタ。
今回は細麺ではなく、きしめん風の太麺がちょっとイタリアンな感じで
鍋ごと出てきました。牛乳も卵も使わないビーガンレシピですが、
十分にコクがあり、かつ一方ではお腹にもたれない、美味しさたっぷり
のパスタでした。



写真では最後になりましたが、僕の手が最初に伸びたのはトマトのお寿司。
湯煎したトマトの皮を剥き六つに分割した後、薄塩をあて、握り寿しに
相応しいしっとりとした食感のねたとなっています。五分搗きのごはんに、
梅酢と味醂を合わせたすし酢がトマトの味と一体となり、レシピ自体の
発想もさることながら、味も楽しさも絶品の前菜でした。
「大」さんと一緒に早速作ってみようと思っています。



ウイーンの大学に行き始めてから、ベーガン料理にはまっている
下の娘も今日は大喜びでした。昨年、タイ・カンボジア・ラオスの
旅行の時も、起点となったバンコクで大変お世話になった間柄です。

日本・タイ・ドイツと暮らすところは異なっても、そして母と娘ぐらい
の世代の違いがあっても、「食」の楽しさ、「食」を大切にする心は共通です。

今日から明日へ、今の世代から明日へ、未来につながる料理交流の
一晩でした。



めぐみさん、木幡さん、どうもありがとう。



僕も相当の食いしん坊ですが、本当に食いしん坊の二人。
「好きこそ物の上手なれ!」


 興味のある方、木幡さん達のリンクです。 http://gaiatable.com