30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

膝痛を抱えて再開の山歩きー丹沢・塔ノ岳

2012-06-05 | 登山

塔ノ岳北斜面のシロヤシオ。ことしも会えた


山行日 2012年6月4日(月)日帰り
天気 晴れのちガス
山域 丹沢
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅4:53=6:01代々木上原6:06=7:10渋沢7:16=7:33大倉7:40-8:20見晴小屋8:25-9:00駒止茶屋9:05-9:27堀山の家-10:10花立山荘10:15-10:45塔ノ岳(シロヤシオ撮影タイム)12:25-12:48立花山荘-13:15堀山の家13:20-13:40駒止小屋-14:03見晴小屋-14:40大倉14:52=15:08渋沢駅15:22(代々木上原乗り換え)=17:36我孫子駅


5カ月ぶりで山を歩いてきた。ことしは1月以来歩いていない。1月中旬に左膝にチクチクした痛みを感じた。とうとうわが身にも来たか、そんな思いだった。鋭い痛みは消えたがいまも鈍痛が続いている。痛みが消えるまで山はあきらめざるを得なかった。がっかりきた。このまま引きこもり老人になってしまうのか。

しかしこのまま終わらせたくはない。一か八か山に行ってみよう。その結果さらに悪化したらと思うと腰が引けるが、このままではいたずらに時が過ぎるばかりだ。出掛けてさらに悪化したらあきらめるしかない。それでも決心がつかないでいた。

6月になった。この時期の山といったら、シロヤシオだ。毎年のように会いに行っている。この花を思い浮かべると心がはずむ。私の大好きな花である。美しく清らかで品がある。私の女性の好みと同じだ。誰だってそうかもしれない。またもあらぬ方へ話が行ったが、シロヤシオに会いに行こう、と決めた。好きな花に会えるなら本望だ。ここは腹を決めるしかない。シロヤシオなら檜洞丸か塔ノ岳か。私の好みは後者だ。 

すぐにネットで今年のシロヤシオの咲き具合を探した。ことしは「はずれ」「不作」だという。道理で情報が少ないはずだ。昨年の塔ノ岳のシロヤシオは当たり年だった。山肌が白い花で染まり、そよ吹く風に揺れていた。それはそれは見事な眺めだった。「そうか、今年は駄目なのか。それでも少しは咲いているはずだ」。会えればいいのだ。


塔ノ岳へは大倉尾根をピストンすることにした。登山者が多く、山小屋があるから、動けなくなったらなんとか対応できるだろう。しかし“病み上がり”というより“病み中”の身にはけっして楽な山ではない。不安がある。とにかく慎重にゆっくり歩くことを心がけよう。

見晴茶屋を過ぎても膝に異常は感じられない。痛くなってもおかしくないのに、どうしたんだろう。喜んでいいはずの快調さに首をかしげてしまうのだから、よほど神経質になっていた。



単独で歩いているとほとんど休憩は取らない。この日は意識して休憩を取ることにした。山小屋が出てくるたびにベンチに座って水を飲んだ。駒止小屋を経て堀山の家まで来た。つねに膝の具合を気にするがここまではまったく順調だ。しかしこれからだ。立花山荘手前の急坂でこの膝が試される。

しかし、その急坂もいつもより快調に登れた。金網の向こうに花が咲いていた。それを眺める余裕があった。

立花山荘から富士は見られなかった。ここからの富士の眺めはいい。登るにつれてガスが出てきた。これだと頂上から富士は見えないか。

花立花山荘から頂上はまじかだ。急坂もない。気分がぐっと楽になった。ここまで来たのだが、もう大丈夫だろう。あの膝の痛みが山に入ったら嘘のように消えてしまった。いまだけか。それでもふだん通りに登れているのでだいぶ気分がよくなっている。

頂上までは、いつものようにミツバツツジのトンネルだ。ことしも咲き具合はいい。



頂上に着いた。心配したが、膝の痛みをまったく感じない。いつもなら休憩を入れて3時間を切るのだが、きょうは3時間5分かかった。不安を抱えながらゆっくり登ることを心掛けてきて、このタイムだから、いつもと変わらない。どうなっているのだろう。

富士は頭だけを雲間から出していた。あいにくこの方面は雲だが、蛭ケ岳方面の展望はいい。

塔ノ岳を登るときは、それだけではもの足りなくていつもは丹沢山まで足を延ばしている。きょうは無理をしないでここまでとする。時間がじゅうぶんある。ゆっくりシロヤシオを観賞することにしよう。


↑頂上からの富士。天辺だけをちょこんと雲の中から出している。
↓丹沢山(右端)から不動の峰、蛭ケ岳(左寄り奥)方面は雲もなく眺めがいい

いよいよである。頂上から丹沢山方面へ下る。すぐにシロヤシオの群落になる。塔ノ岳の北斜面がそうなる。ことしははずれだ、不作だといわれていても期待はあるのだ。しかしその期待はすぐにしぼんだ。やはりことしはそうだった。昨年と比べようもないほど花が咲いていなかった。昨年との落差に驚く。咲き誇るシロヤシオはまったくみられない。

やっと咲いていたのは4,5本ぐらいでまったく話にならない。それでも胸が躍る。会えた。ことしも会えた。再会の喜びが心にしみる。なぜにこんなにもいとしく感じるのか。そんな心のはずみをたしかめながら見入った。

団塊のオヤジだって、静かな感動にしんみりしたり、もの思いにふけったりするものだ。数少ないシロヤシオの前に陣取ることにした。時間はたっぷりある。この再会を少しでも長く楽しもう。ためつすがめつ眺めては写真を撮った。



 





シロヤシオをもとめて、さらに丹沢山方面に進んだ。キレットまで来た。やはりシロヤシオの咲いている姿はなかった。ここから引き返した。



正午を過ぎるとガスが出てきた。シロヤシオもガスにつつまれ、しっとりとして、はかなげな情緒ある姿になった。そろそろお別れだ。

 

すっかり頂上でゆっくりしてしまった。1時間半近くもいてしまった。せっかちな私にしてはめったにないことだ。“はずれ”のことしのシロヤシオだが、十分に再会を楽しむことができた。

下山だ。大倉尾根の下山はつらい。必ず足にくる。覚悟して左膝を気にしながら慎重に下って行った。痛みは出ない。堀山の家で5分ほどいちど休憩を取った。しかし駒止茶屋あたりから膝が痛くなった。それでも一気に下った。2時間15分で下ったのだから、このタイムならふだんと変わらない。

これからも山歩きを続けられるかなと少し自信を取り戻せた。しかし山中泊の長丁場となるとまだまだ不安だ。夏山までにはなおってくれればいいのだが。もう少し試運転して様子をみたい。そんな気持ちになったのも今回の収穫だった。


         


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