おぞましくも空恐ろしい光景だった。NHKテレビの画面を食い入りように見つめた。津波が名取川をうねるようにさかのぼっている。まるで大蛇だ。田んぼを、整然と並んだビニールハウスをのみこみ、さらに走行中の車を襲う…。絵空事のような世界が現実になっていることを思い知らされた映像だった。
はげしい揺れを感じたのは、ちょうど用事で家を出かけるときだった。このまま家が壊れてしまうのではないかとさえ思えるほどのはげしい振動だった。いまも体か常に揺れているように感じる。これはきっと絶えまなく続く余震に敏感になっているからだろう。
かみさんは茨城の大洗町に用事で出かけていた。津波は大洗町も襲った。高台に避難していると連絡があってひと安心したものの、道路事情でいまも帰れないでいる。
被災者のこんごの生活再建の苦労に思いをはせると、太平楽なブログを書いている場合じゃないだろうという思いとともに、つくづくわが身の幸運に感謝しなければいけない。