朝日新聞が9月11日夜の記者会見で、5月20日付朝刊の吉田調書に関する「スクープ」記事を全面的に取り消し、朝鮮半島で女性を強制連行したと証言した吉田清治氏の証言に関し、少なくとも16回紙面で取り上げたことについても初めて読者におわびした。
一歩前進ではあるが、記者会見での幹部らの発言からはなるべく非を認めたくない本音もうかがえる。
一連の朝日報道が、国益と報道の信頼性を損ねてきたことへの真摯な反省はくみとれなかった。
杉浦取締役(編集担当)は、吉田調書についても慰安婦報道に関しても「意図的なねじ曲げなどはありません」と繰り返した。だが、とても素直にはうなずけない。
記者会見で木村社長や杉浦氏は「所長の発言の評価を誤った」「記者の思い込みやチェック不足があった」と説明し、何らかの意図を指摘する複数の質問は否定した。
しかし、自社の主張に都合のいい部分をつまみ食いし、全体像をゆがめて伝えたのではないかとの疑問は拭えない。
吉田氏が「馬鹿野郎」という言葉まで使い、菅直人元首相の言動や現場介入を強く批判していることも朝日は書いていない。
これも杉浦氏は「意図的ではない」という。
防戦一方ながら、何とか単純ミスの延長線上の「誤報」と位置づけようとしていた。
反対に、朝日が8月5、6両日に掲載した自社の慰安婦報道の「点検」記事に関しては木村氏はこう胸を張った。
「いろいろと批判を受けているが、内容には自信を持っている」
吉田清治氏の証言では「訂正が遅きに失したことを読者におわびする」(木村氏)とは言うものの、慰安婦問題については本心では悪くないと考えているようにみえる。
朝日の点検記事は、言い訳と自己正当化に満ちた甚だ不十分な内容だったのは、反省する気はもうとう無いという表れだろう。
「一部の記者の問題か、もっと深い(構造的な)問題があったのかも含め、社外の第三者委員会でも違う角度から検証していく」
木村氏は、今後も一連の誤報の検証を続けることを何度も強調した。
その言葉は往生際が悪く聞こえ、どこか人ごとのようだった。
「まったく反省しない」朝日新聞は、早く廃刊にすべき。
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