甘利経済再生担当相は共同通信のインタビューで、2015年10月に予定されている消費税率10%への再増の是非は、安倍首相がことし12月初めをめどに判断するとの見通しを明らかにした。
有識者による景気の集中点検会合を11月後半に開き、判断の材料にする考えも表明した。
首相による再増税の判断は年末までとされているが、甘利氏は「12月初めまでに判断しないと予算編成作業に支障が出る」と指摘。
(ポイント)
●消費税率10%への再増税の是非は、安倍首相が12月初めをめどに判断。
11月後半に景気の集中点検会合を開催。
●増税判断では4~6月期の景気の落ち込みと、7~9月期の回復状況を重視
●前回増税時以上の慎重な判断が必要。
再増税を先送りする場合、新たな財政再建プランを求められる。
●人口減少対策は、少子化対策の拡充やインフラ更新、地域の産業振興などが課題。
安倍政権による費税率10%への再増税判断は、8%への引き上げ時よりも難しい決断を迫られる。
デフレ脱却へ進んできた政権にとって、増税は景気失速のリスクをはらむ。
逆に増税を先送りすれば、財政への市場の信認が揺らぐ恐れがある。
景気動向を見極める時間が8%時より少ないのも懸念材料だ。
ことし4月の消費税増税から時間があまり経過していないため、最近の景気指標の振れはまだ大きい。
7~9月期のGDPは2%台の伸びが予想されるが、4~6月期の落ち込みの反動という側面もあり、景気回復を確認しにくい。
しかし、増税の判断を遅らせると、年末の予算編成作業や税制改正論議に支障が出る。
社会保障の充実策には増税分を財源として見込んでいるものあり、看板政策の少子化対築につながる可能性もある。
増税判断で参考とする景気の集中点検会合は、8%への引き上げを決めた10月の首相判断まで約1カ月あった。
今回は判断の直前に点検会合を開く見通しで、その内容や景気指標を精査する時間は乏しい。
年内には環太平洋連携協定(TPP)交渉も大詰めを迎える見通しで、安倍首相は多くの重要課題で決断を迫られる正念場を迎える。
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