切り絵

浮世絵を切り絵に

六十余州名所図会 相模江之嶋 岩屋ノ口

2023年03月14日 | Weblog

「相模」江之嶋岩屋ノ口

江ノ島は、相模湾岸の境川の河口にあり、境川によって運ばれた土砂でできた片瀬海岸とつながる、満潮時にはこの砂州が水面下に消えた。人々は渡し舟に乗るか、引き潮を見計らって歩いて渡っていた。その後、江ノ島大橋、江ノ島弁天橋が架橋され、干満の別なく渡ることが出来る様に成った。箱根・江ノ島方面への旅は、江戸から2~3日の近郊の旅行として人気があっただけでなく、足を伸ばせば富士詣、身延詣、にも行けるので、これらの参詣の流行とともに隆盛を極めた。本図では、富士山の左半分と江ノ島の右半分が枠外に消え、画面上にはそれぞれ半分しか描かれていない。此の事によって、横長に広がる景色を無理に縦の構図に入れ込むのではなく、左右に広がる構成をイメージでき、より広い空間を演出している。

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