最近のニュースを見ていると、思わずウソだろ、って思えるような事件、不祥事が後を絶たない。連日報道されている、マンション建築偽造の問題もそのひとつだ。設計を生業とする自分も他人事として見過ごすわけにはいかない。
念願のマンションを購入し、喜んだのもつかの間、実はコストダウンの目的で梁などの主要な構造物が、ちょっと強い地震で崩壊するほどのお粗末なレベルだったと知ったら、怒りのやり場はどこへ向かうのだろう?設計者は姿をくらまし、検査側もこの設計士なら大丈夫だろうとほぼフリーパス状態。さらに発注者はほとんど居直り状態。けっきょく買った住民だけが泣きを見る・・・。心中察するにあまりあるものがあります。
つまり、どこにも「プロフェッショナル」がいなかった、ということ。たしかに建築業界に限らず、今はどの産業の分野でも「コストダウン」の命題はつきまとう。価格が高ければ買って貰えないし、安くても粗悪品であれば結局高くつく。「良いものを安く」という、一見矛盾したテーマに対し、両方の要求を満たすために立ち向かうのが設計・開発を行う者の使命だろうと思う。「イイ製品」と「安い製品」、どちらかが突出していてはやはりダメで、今回は一生の買い物とも言われる「マンション・住宅」であるから、コスト以上に「安全(→良い品質)」を重要視しなければいけなかったのだ。今回の事件で登場する人物には皆その自覚がなかったといわれても仕方ないだろう。
かくいう自分も、まだまだ一人前の「プロフェッショナル」などでなく、今もあくまで「プロらしく」振る舞っているだけですが。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます