オムライスをいただこうと訪ねたお店がご飯が切れたからと早仕舞いをしていまして…
予測もしない事態に戸惑いながらもとりあえずお店を後にし、ビルを出たところで、どこでお昼をいただくことにしようかと思いを巡らせます
そんなとき目に入ったのが『銀座 久兵衛』
外国からのお客さまも多く、いつも席待ちの列が出来ているほどに人気のお店であるのですが…
どうしたことか今日は店先に並ぶ人影が見られませんので、こんなチャンスは滅多にないだろうとお邪魔することにいたします
案内されたのは2階にある小上がり席のカウンター
思いの外に席が空いていたのだけど、カウンターの中にいた職人に示されたのは両脇にお客さまに挟まれた1席の空きでありまして…
さすがにワタシのような巨体がそこに入ると、両サイドのお客さまも不快であろうと他に席をいただけるようお願いさせていただきます
まず中トロが一貫
しっとりと舌に貼りつくようなきめ細やかさが印象的な一品でありまして、これからいただくお寿司への期待が高まります
この握りのシャリをベースに、このあと握るシャリの大きさを調整していただけるとのことではありますが…
ネタとシャリのバランスでおいしさも変わるでありましょうから、この大きさで後も握っていただけるようお願いいたします
塩でいただくカレイや甘みが豊かなイカに続いてはバフンウニといただいていますと…
「海老はどのように握りましょうか」とピクピクと元気に動く車海老を剥きながら声を掛けられます
折角の〝活〟でありますから生で握っていただくようお願いしますと、次は醤油か塩を選ばせていただけます
先にいただいていたイカに使われていたお塩がおいしかったこともあり、きっとお塩の方が海老の旨味を引き出してくれるだろうと…
平貝に大トロ、旬のかつおをいただいたあとに提供される穴子に至っては、タレと塩との両方を味わえるように提供してくださいまして…
もちろんそのふたつの味わいにも満足させていただけるのですが、ふっくらと柔らかい身の食感にはさすがと言葉が出てしまいそうでありました
焼いていただいた車海老の頭はとっても芳ばしくパリッとした食感もまたおご馳走でありますし、箸休めとして提供された大根には大葉が挟まれることでシャキッとした歯触りとともに香りも豊かでありまして…
梅肉が塗られていることでの味わいも見事なバランスであります
味噌の味に負けないようにと濃いめに取られたしじみの出汁が効いていているしじみ汁にもプロの仕事を感じることができました
細巻きの後は玉が提供され漬物で〆
名店であるからと驚くようなネタがいただけるわけではありませんが、お口の中でホロッと崩れるシャリの握りには職人のレベルの高さを感じることができますし、お店の雰囲気やサービスは心地良いものでありますね
目の前で握る職人さんとの会話を楽しみながら寿司をいただく粋
たまにはこんな食事も良いものですね
【銀座 久兵衛】
東京都中央区銀座8-7-6
03-3571-6523