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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

BJTジャパンツアー、終了

2013-05-14 20:13:26 | 航空イベント
5月6日の神戸沖フラットショーから始まったブライトリング・ジェットチーム(BJT)の
ジャパンツアーは、5月12日の小名浜のイベントをもって終了となりました。

岩国基地フレンドシップデーの中止から、さまざまな難関に遭遇した今回のツアー、
神戸では晴天のなかフラットショーが実施されましたが、その後は
天候に恵まれませんでした。

11日午前には、「大空を見上げようinふくしま」イベントとして福島県各地のフライバイが
計画されていました。経路は福島空港を離陸して郡山→南相馬→相馬→福島市花見山公園→
ふくしまスカイパーク→浄土平→猪苗代湖→会津若松(鶴ヶ城)→大内宿→下郷→南会津で、
離陸は0920時ごろを予定。
ただしこの週末は全国的に天候が不安定との予報だったため、フライバイできる地域のみ
実施すると決定、残念ながら浜通りの南相馬、相馬とふくしまスカイパークは
通過を断念しました。
編集部が待機していた会津若松市は予報に反して天候がもっており、
離陸が少し遅くなったものの一部のキャンセルを受けて1000時前、7機のL-39Cが飛来。
当初鶴ヶ城周辺を360度旋回する計画もあったものの、そのまま北東から南西にパスし、
大内宿へと抜けていきました。
しかしその後南会津までのフライトを終えた編隊は、再度会津若松に飛来。
フォトミッションを兼ねたパスを鶴ヶ城周辺で数回実施してくれました。





BJTの飛来を心待ちにしていたのにキャンセルとなった地域では落胆した人々も
多かったようですが、会津若松ではパスのたびに大歓声が上がっていたのが印象的でした。

この11日午後には横浜でのフォーメーションフライトが予定されていましたが、
その時間帯には福島、経路、横浜ともに雨となり、午後のフライトは残念ながら中止に。






福島空港にもファンは訪れており、張り紙を見て空港を後にしていました。
しかし翌12日の天気予報は回復傾向。いわき市小名浜港沖でのフルディスプレイには
期待がよせられました。

12日朝の小名浜は晴天。0910時には福島空港からロビンソンR44で飛来した
BJTリーダーのジャック・ボツラン氏がトークショーに出席、お昼のフライトを前に
抱負を語るなど、会場も盛り上がります(復路はR66を使用)。



しかしその後、あっという間に周辺は海霧に覆われ、ボツラン氏の飛来時に見えていた
丘の上のいわきマリンタワー(最上階展望台の海抜は106m)も隠れてしまうほどの視程、雲低に。



1030時からのフライトのために福島空港から飛来した室屋義秀氏操縦のエクストラ300も
高度を下げることができず、あえなく引き返す状態です。

BJTのフライトもぎりぎりまで天候判断で遅らせることを決定、1340時には再度室屋氏が離陸、
エンルートを含めた天候偵察を兼ねて小名浜に飛来しました。



このときには雲と地上のスペースを見つけ出しなんとかフライトを見せてくれた室屋氏。
BJTもこれを見てさっそくエンジンスタート、タキシーアウトしましたが、
復路のエンルートの天候状況があまりにも悪く、協議の結果、フライトはキャンセルと決定。

ここにいたるまでの葛藤は室屋氏のブログにも記されていますが、小名浜で待っていた観衆、
チームメンバー、サポートメンバーすべてが残念な結果となってしまったものの、
安全基準を守って中止とするのも、大変な決断だったことと思います。

今回のジャパンツアー、ボツラン氏は「2011年に発生した東日本大震災で大きな被害に遭い、
それを乗り越えてきた福島と、18年前、同じく震災を経験して立ち直った神戸の皆さんに、
遠く離れたヨーロッパにもそのことを忘れていない人間がいると伝えたい」との思いを
強くもって臨んでいました。

12日の会場となった小名浜も、東日本大震災では津波の被害を受け、
イベントステージの設置されていたいわきラ・ラ・みゅうの施設も
1階部分が完全に水没した被災地です(同施設にも関連展示がありました)。
そんな会場で、みんなの笑顔を見たかったというボツラン氏のコメントは本心で、
今回飛べなかったことをメンバー全員が残念に思っていることは間違いのないところです。
会場ではフライト中止がアナウンスされた後、イベントステージ横の大型ビジョンで
流されていたBJTのプロモーション映像を写真に撮って帰る人をたくさん見かけましたが
きっとチームメンバーの思いは、通じたのではないでしょうか。

12日1600時、BJTのL-39Cは福島空港を離陸、神戸空港へと向かいました。
メンバーも帰国しましたが、じつはチームの機材は支援機のメトロを含め、
夏ごろに予定されるヨーロッパへの移動まで、しばらくは日本で保管されるそうです。
現時点では今後、日本国内でフライトを含むイベントが予定されているわけではありませんが、
帰国の際には、7機のアルバトロスの勇姿がもう一度、日本で見られることになりそうです。
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