時ならぬ雪が降って驚いたりしますが
ようやく穏やかな春の陽射しが
見られるようになってきました。
この時期は木々の葉、熊笹がなく
深い沢の奥底まで見通す事が出来ます。
溢れだした雪融け水が弾け、森の中は水音のコンサートホールに
変わります。水の音に負けないようにと、
上空からは小鳥達もアンサンブルに加わり大合奏です。
以前は、何処の沢も埋めつくしていた黄色(谷地蕗)の絨緞も
最近ではまったく見られなくなり、
キラキラとした水路が谷底で光ります。
人が足を踏み入れない場所では、生き物たちが子どもを育て
天敵におびえ、夜を待ち、
音をたてて?春の草花は顔を出し、
木々は芽吹き、山桜が花火のように里山のあちこちで
ぽっぽ、ぽっぽと、炸裂します。
巡って来るもの、来ないもの。
来るものには感謝し、
行ったものには『さよなら』と手を振り
私達も確実に年を重ねます。
ことの外、北国の春は色濃く、
私達の心の奥底に、原風景として息づいています。