(
つづき)
3階の対局室に戻って、4回戦の抽選。
残り2戦は「
手土産がつくかどうか」という大事な(?)対局である。
勝敗数がしゃばさんと同じだったので、
「次、当たるかもしれませんね」
などといっていたが、名前を呼ばれた席で相手の方を見て「ギョッ」。
何と女性。
しかも私より若そうな「
おぜうさん」といってもよい、
年恰好の方だったので尚更、驚いた。
宝酒造杯以外でマダムとは打ったことがあるけれど、
宝酒造杯においては女性は初めて。
しかも同年代以下と対局となると
非常にレアケースといえる。
近くで対局することになった、しゃばさんをみると、
こちらも相手の方がうら若き女性。
思わずしゃばさんと眼を見合わせて「アラ、マァ」と
アイコンタクトをとってしまった。
【実戦図6(1~84手まで)】
内心ニヤニヤしてしまいそうなシチュエーションだが、
高中国流からしっかり打ってこられるのをみて、
「侮れじ」と邪念は吹き飛んだ。
若手らしくしっかりと知識は持っている感じ。
ただ黒29の「車の後押し」や黒35・37の「知識の活用場面違い」
黒47など、やはり初段っぽい着手もあって、ちょっと安心。
しかし白48では49から出た方良かったか?
今見ると油断したのでもないだろうが、私の打ち方も相当まずい。
黒61からガツガツと地を稼がれてしまったのには閉口した。
地合で足りないようなので相手を攻めながら
中央に地をつける必要があり、こういう「責任を持たされる」碁は苦手。
その気分もあってちょっと先を急ぎすぎて薄い碁になってしまった。
終盤の入り口辺りで黒A白B黒Cと単純にデギられて悶絶。
左右両方の大石が一気に危なく。
今見ると既に上の局面で、成立してもおかしくない状態なので、
読まずに勝手に軽視していたと非難されても仕方ありませんな。
左を捨てることも考えたが、目算したところ足りないので
残り少ない時間を注ぎ込んで、必死にシノギ筋を読んだが読みきれず。
「負けにしてしまったか…」
半ば相手にゲタを預ける気持ちで左をまず助け、
右側の大石はシノギ勝負にするというバクチに望みを託した。
まぁ女性に「
好きにして」貰うのは嫌じゃない(笑)。
相手の方の応手があるいは最善ではなかった可能性もあるが、
この作戦が奏功し、右側は連絡と眼持ちを見合いにしてシノグことに成功。
おまけで切った石も腹中に押さめることで中央に地もついた。
後は時間との戦い。
残りはとにかく相手の言いなりに打って最後まで打った結果、
白が
盤面9目勝ちとなった。
これで勝ち越し&賞品獲得決定。
「やったー」と喜んでいたら、しゃばさんに
「
女性に勝ってはいけませんよ」
…た、確かに…。
GOTEKINGにあるまじき行いですな。
勝負に集中していて全く忘れていましたよ(笑)。
(つづく)