「囲碁のルールはわかった。
あとは初段ぐらいまで実戦のみで済ませたい。
でもただ一冊だけ本を買うとしたらどの本が良いか。
しかも出来るだけ廉価で」
こんな無茶苦茶な問いかけをされたら、あなたはどう答えるだろうか?
まぁ、「打碁鑑賞シリーズ」や「詰碁・手筋」の本を渡して、「繰り返し並べる(あるいは解く)」のをすすめるスパルタな手もあるが、後で文句をいわれたくないなら私は「囲碁に強くなる本」(金園社:菊池康朗)を薦めるよりない。
著者は「緑星学園」という囲碁学校の主催者。
山下天元、溝上七段らの師匠であり、アマでは伝説の打ち手。
そういえばこの間の世界アマ囲碁選手権にも76歳(!)にして日本代表となっていた。
見た目も仙人のようだ。
アマチェアが書いたからといって素通りしてはいけない。
大体、アマチェアの方がアマチェアが強く慣れない原因はよくわかるはず。
しかもさすが囲碁学校を主催しているだけあって、ツボの押さえ方は尋常で無い。
定石、布石、手筋、中盤のテクニックからヨセ、実戦例、そして何と勝負強くなる秘訣(!)まで網羅して1000円以下とは恐れ入る。
特に取り上げられている定石は30年前の選択なのに今でも頻繁に使われる必要十分なものばかり。
そのチョイスは素晴らしい。
反面、やはりここまで網羅してしまうと、どうしても取り上げる図の難易度がばらついてくるのは否めない。
どちらかというと、初段ぐらいの人に丁度良い、難し目の図を採用しているので、冒頭に書いた通りこれ一冊ですますなら、相当回数読み替えさないといけないと思う。
もっともこれは他のどの棋書に関してはいえることで、何冊も読むより、一冊をボロボロになるまで読む方が効果的なのは広くいわれている事ではあるが。
まあ、あなたの根気次第である。
この本に初段までの素材はほぼ揃っているのは間違い無いから。
昭和50年頃が初版なので、ところどころやはり記述の古さは感じる。
本書冒頭、
「囲碁が今日ようなブームをよんだわけは、いったい何だろうか?」
(そんな時代があったんですか?)
P.158、
「電車の中ですぐ目の前の人が詰め碁の本を解いている。
隣の人がつられて覗き込む。
しばらくするとすぐ隣の人も(略)…。
こんな光景もよく見られるようになった。」
(しょっぱなの条件がもはや絶滅)
だからといって碁の内容が古くて使えないわけではないから気にしない事。
囲碁は将棋と違って、容易に昔のテクニックが古くならないのが特徴なのだ。
しかしもし冒頭の条件にあてはまらないなら是非、欲しいという本ではない。
「役に立つ」本だが、「面白い」本であるかは微妙だし、他の本の方が「楽しめる」可能性があるから。
しかし安いし「大会にもっていく」とか「通勤・通学のお伴」としてそれなりに使い道はあるので、持っていて損は無いかなとも思う。
余談だが一時、この本の評判を知りながら買うのをためらっていた理由に、その表紙があった。
本当に夢に出て来てうなされるそうなくらい酷かった。
しかも描かれている碁盤が20路。
この本と姉妹の関係にある「将棋に強くなる本」も似たような表紙で、似た問題を抱えている(リンク先参照のこと)。
私の中では金園社は「良い内容をひどい表紙に包んだ出版社」という印象がある。
何とかして欲しいと思っていたら、最新の版で表紙が変わったのは幸いであった。
あとは初段ぐらいまで実戦のみで済ませたい。
でもただ一冊だけ本を買うとしたらどの本が良いか。
しかも出来るだけ廉価で」
こんな無茶苦茶な問いかけをされたら、あなたはどう答えるだろうか?
まぁ、「打碁鑑賞シリーズ」や「詰碁・手筋」の本を渡して、「繰り返し並べる(あるいは解く)」のをすすめるスパルタな手もあるが、後で文句をいわれたくないなら私は「囲碁に強くなる本」(金園社:菊池康朗)を薦めるよりない。
著者は「緑星学園」という囲碁学校の主催者。
山下天元、溝上七段らの師匠であり、アマでは伝説の打ち手。
そういえばこの間の世界アマ囲碁選手権にも76歳(!)にして日本代表となっていた。
見た目も仙人のようだ。
アマチェアが書いたからといって素通りしてはいけない。
大体、アマチェアの方がアマチェアが強く慣れない原因はよくわかるはず。
しかもさすが囲碁学校を主催しているだけあって、ツボの押さえ方は尋常で無い。
定石、布石、手筋、中盤のテクニックからヨセ、実戦例、そして何と勝負強くなる秘訣(!)まで網羅して1000円以下とは恐れ入る。
特に取り上げられている定石は30年前の選択なのに今でも頻繁に使われる必要十分なものばかり。
そのチョイスは素晴らしい。
反面、やはりここまで網羅してしまうと、どうしても取り上げる図の難易度がばらついてくるのは否めない。
どちらかというと、初段ぐらいの人に丁度良い、難し目の図を採用しているので、冒頭に書いた通りこれ一冊ですますなら、相当回数読み替えさないといけないと思う。
もっともこれは他のどの棋書に関してはいえることで、何冊も読むより、一冊をボロボロになるまで読む方が効果的なのは広くいわれている事ではあるが。
まあ、あなたの根気次第である。
この本に初段までの素材はほぼ揃っているのは間違い無いから。
昭和50年頃が初版なので、ところどころやはり記述の古さは感じる。
本書冒頭、
「囲碁が今日ようなブームをよんだわけは、いったい何だろうか?」
(そんな時代があったんですか?)
P.158、
「電車の中ですぐ目の前の人が詰め碁の本を解いている。
隣の人がつられて覗き込む。
しばらくするとすぐ隣の人も(略)…。
こんな光景もよく見られるようになった。」
(しょっぱなの条件がもはや絶滅)
だからといって碁の内容が古くて使えないわけではないから気にしない事。
囲碁は将棋と違って、容易に昔のテクニックが古くならないのが特徴なのだ。
しかしもし冒頭の条件にあてはまらないなら是非、欲しいという本ではない。
「役に立つ」本だが、「面白い」本であるかは微妙だし、他の本の方が「楽しめる」可能性があるから。
しかし安いし「大会にもっていく」とか「通勤・通学のお伴」としてそれなりに使い道はあるので、持っていて損は無いかなとも思う。
余談だが一時、この本の評判を知りながら買うのをためらっていた理由に、その表紙があった。
本当に夢に出て来てうなされるそうなくらい酷かった。
しかも描かれている碁盤が20路。
この本と姉妹の関係にある「将棋に強くなる本」も似たような表紙で、似た問題を抱えている(リンク先参照のこと)。
私の中では金園社は「良い内容をひどい表紙に包んだ出版社」という印象がある。
何とかして欲しいと思っていたら、最新の版で表紙が変わったのは幸いであった。
星の定石(三三に入られたときの二段バネ)はこの本で覚えました。
・・・表紙は裏返して使ってますけどね!
ちなみに私が印象に残っているのは
「アテ三本の筋」で、
この筋は効果がハッキリとはみえないせいか、
他の手筋本ではみかけません。
それでいてプロの碁を並べていると頻出の筋なんですね。
『囲碁を始める人のために』→『素人と玄人』
菊池康郎
『囲碁の初歩の初歩』→『囲碁に強くなる本』