奈良大好き☆お勉強日記

奈良大学文学部文化財歴史学科(通信教育部)卒&奈良まほろばソムリエ検定のソムリエを取得したヒトの色々な勉強の日記です♪

大古事記展を見る会

2014年12月07日 | 色々・モシクハお勉強
前日は京都三昧しましたが、
次の日は、奈良三昧するのであった♪
これで、奈良の顔立てたぞ(謎)

ということで、大古事記展へ行ってきたのであります。
前回奈良に行った時、正倉院展とからめて行こうかな~って思っていたんだけど、
諸般の事情によりパスしてしまったので。

なんでも噂によれば石上神宮の御神宝「国宝七支刀」が出ているってんじゃありませんか。
きゃー!見なくちゃ!!

しかも、会期は12月14日までだけど、
その七支刀の本物が出ているのは11月24日まで。
それ以外の日は模造品が出ているだけってんだから、
そりゃ本物みたいでしょう!
(七支刀はその後九博へ出張するらしい。間に合ってよかった!)

場所は県立美術館。
行くの、久しぶり(どれくらいぶりだろう)

近奈良から登大路をあがり、
京都の紅葉にも勝らずとも劣らないほどの紅葉を見ながら進むと、
奈良もいい季節になったんだなあと実感。
一ヶ月前は全然紅葉してなかったのにねえ。







「大古事記展こちら」の看板に従っていくと、
おおお、県立美術館のチケット売り場に行列が出来ています!

しかも私の前に三人も並んでいる!!(笑)
中に入ると、おおう!人がたくさんいる!(大笑)
いや、前回来た時は、ガラガラだったもんで(へへへ)

つい先日、天皇皇后両陛下が「豊かな海づく大会」で来奈された時に、
ここにも立ち寄られたそうで。
その影響もあるのかも。

会場に入っても、人がイッパイいた♪
まあ、昨日のキョーハクの比ではないけど。
(あんなに混雑していたら大変だ)
ほどよい混み具合でストレス無く、見て回れました。

第一室は薄暗い空間に神像が並び、そこから幽玄の世界。
次に日本画による古事記の世界が描かれ、
太安万侶の墓誌キター!

茶畑をひっくり返していて発見されたという墓誌は、
「オオノヤスマロなんていなかったんじゃね?」という妄言を跳ね返し、
実在の人物であったという証明になりましたとさ。
昨日も墓誌とか骨臓器とか見たけど、やっぱりこういうのは落ち着くわ(謎)

そして、『古事記』の研究といえば本居宣長大先生。
彼の著した古事記伝に関係した資料と、
彼の死後、弟子が出版した書物や、
後世出版された『古事記』をもとにした『古事記』本が並ぶ空間。

その一画には、明治期に外国人向けに訳された日本の昔話やら神話の絵本がありました。
外国人にはそういうエキゾチックなものが好まれたんでしょうか。

豆本(絵本)を、カラーコピーしたものが自由にさわれるようになっていました。
昨日キョーハクで鳥獣戯画の豆本付き図録を買ったばかりだったので、
この豆本(英語で書いてあるのでイマイチ中身は把握できないのだが★絵はわかる)
売っていたならば買っちゃう勢いなのだがな。
残念ながらそういう販売グッズは無かったようで。
惜しいな>商機を逃したよ★

次の展示会場へ移る間のスペースでは、
「漫画に描かれた『古事記』の世界」を扱った漫画がずらっと置かれていました。
里中満智子大先生の『古事記』とか、安彦良和先生の『神武』とかもあったけど、
ここで「ぼおるぺん古事記」の原画を発見!
おおお!

これ、神社検定の直前に読んで、
これを読んだおかげで2点upできたという大恩人。
(しかし合格できなかったのだがな)

その原画が出ていたのでしみじみ見入ってしまいました。
普通漫画はGペンだの、丸ペンだのを駆使して書かれるものですが、
この漫画はボールペンオンリーで描かれているとのこと。
原画を見ると、描き込んだ経緯が見て取れます。

黒くなるほど書き込まれた網掛けを見ると、
そこの部分がひっかかって摩擦で盛り上がっているのが判ります。
おお、印刷にしてみると平板な絵だけど、原画はこんな風になっているのか。

しかも、印刷には入らない範囲での枠外の書き込みが楽しい。
○○へ行ったとか、××したとか、日記風な書き込みがあるのですが、
これを入れた完全版の販売はないのでしょうか(笑)

これはかなりの収穫でした。
また読み返してみよう♪

次なる展示室では大好物の考古(笑)
勾玉とか、銅鐸とか、埴輪とか。
落ち着く~やっぱり奈良にはこういう展示が落ち着きますわ。

そして次の部屋で、七支刀登場!
しかも、そのガラスケースの前に誰もいないではないか!!
どーゆーこと?!

門外不出の国宝だってのに、その展示ケースの前に誰もいない瞬間があるなんて!
ってことで、一瞬だけ国宝独り占めを楽しみました。
(ま、独り占めってのも、ほんの一瞬で終わりましたけどね)

その隣には復元品と称して、作られた当初はこんな姿をしていたんではないかという
ピカピカの状態の七支刀も並べられていたんだけど。
なんだか、威厳が無い(笑)

初めて見たときから錆びていて、何やらオドロオドロしい用途不明の刀だったもので、
それがいきなりピカピカになって現れたら違和感ありありです。
現代の技術をもってしてもなかなか作るのが困難といわしめた逸品で、
古代においてこれをどうやって作ったのかってのは想像を絶する。

七支刀は、百済王から倭王に贈られた刀。
刀の表面には金象嵌が施されており、
銘文にある年号から、東晋の太和四(369年)≒神功皇后の頃のことが書かれているとされ、
この刀は神功皇后の条にある「七枝刀」が、これにあたるのでは?と言われているのだとか。

本物を見て判ったことは、
象嵌してある刀の表面の文字の周囲には金線がぐるっとめぐっていること。
おお、凄い。

復元品にもそれがあるのだけど、銀色の刀に金線がのせてあってもあんまり目立たず。
錆び付いた刀からでも、それが判るほど、金が残っているってことが大きな衝撃でした。
金のもつパワーの素晴らしさ、恐るべし。

最後に各地の神楽に関する面だの、衣装だのが並び、
それらの映像で流している画面が四つありまして。
「若宮おん祭りの細男」だの「高千穂の神楽」などを流していたので、
一番動きがダイナミックで、判りやすい「八岐大蛇」を見ました(ははは)

その後ろには、実物のオロチの展示もあり、これが和紙で出来ているだろうに、
かなりこまかく蛇腹状(まさに蛇の腹だな)に作られていて、とぐろをまいておりました。
ここに人が入って、酒を飲んで、暴れて、成敗される動きを見せてくれるのだな。
最後には首をとられて、はいおしまいってヤツ。
判りやすくて面白かったです。

これで展示は終わりかと下りてきたら、
なにやら一階の小部屋では現代アーティストによる
『古事記』をモチーフにした展示。

中には「前衛過ぎてよくわかりません(笑)なものもあったけど、
ゲームセンターアマテラスは結構面白かった♪
足元に光の影が進んできて、
それをケンケンパのような状態で踏んでいると踊っているように見える、と(笑)
それを見たアマテラスがひょっこり出てきてくれて、
世の中は明かりを取り戻したっていう設定。

前面のスクリーンに説明の映像が映るのだけど、
流れてくる光は足元をつたって出てくるので意識がそこへ集中するから、
前なんて見ている余裕はない。
(前のスクリーン情報は、私の前の人がやっている時の、
待ち時間の間に見ていたのでなんとなくわかるけど)
そこは、手直しの必要ありかも。

最後にアンケートに答えた人の書き込みが掲示されていて、
「最後の展示は要りましたか?ひさびさに不快な思いをしました」
と書いてあるアンケートがあったのには苦笑。
そんなにご立腹しなくても…。
わたしはそこそこ楽しめましたよ。

ってことで、大古事記展は終了です。
(でもつづくのだ)

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