MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

「愛のコリーダ」

2021-06-28 00:19:00 | DVD&ビデオ&テレビ(地上波/CS)






現在テアトル梅田で公開中の「愛のコリーダ 2K修復版」を見たかったんですが、この日に見に行くつもりがちょうどワクチン接種券が来て2週間後に予約完了しのが昨日
住吉区から電車に乗って人の多い梅田に出るのが憚れました
対策しっかりやってるので大丈夫なつもりでしたがワクチン打つ前に万が一…と今まで凌いできてここまで来て万が一となると悔やみそうで
ついに腰引けて見に行くの断念!
苦渋の決断でした
しかし愛のコリーダ見たいなーとNetflix見たら配信されてた!
これで我慢するか…とモヤモヤしながらの自宅鑑賞

公開時に何かとワイセツか芸術か?
と論議を呼んだ作品で、実際かなりカットされて劇場公開されたようです
当時小学生だった私は見に行けるハズもなく、2000年に「愛のコリーダ2000」として完全ノーカットで再公開…といってもボカシは入る
余りその時は興味なくスルー
でいよいよ2021年のデジタル画像でのリバイバル…でも結局見たのは上記の理由でNetflixで2000年に公開されたバージョン…と思われます

料亭の住み込み女中の定と店の主人の吉蔵と不倫関係に陥り、駆け落ちした後に愛欲の日々を送るが、定の愛は遂に一線を越えて吉蔵を殺害し、その局部を切断し逃亡してる間は肌身離さず持ち歩いていた…昭和11年に起こった阿部定事件の映画化

とにかく全編に渡ってのセックスシーンに圧倒されます
ハードコア作品だけにチンコもマンコも敢えて見せるような撮り方でなく自然な流れで見えたりする場面が大半で、昨今のアダルトビデオ作品との決定的な違いです(昨今見てないけど)
このバージョンは局部はボカシが入りますが、ヘアはそのままですね
初公開時はそれすらカットかボカシなんでしょうけどね

大島渚監督の男女の愛欲をストレートに日本的な様式美の中で表現しようとするのを感じますが、結合部分までボカシ無しの海外のノーカット版こそ本当に大島渚監督の見せたい「愛のコリーダ」ですね
輸入DVDで見れるらしいが…ちょっと興味あります

リアルな男女の交わりの中で、愛し合うもの同士の情念がやがて殺したいほど愛してしまう一線を越える人間の欲望の究極の性が描かれる
藤竜也演じる吉蔵より、どちらかと言うと松田英子扮する阿部定の目線で描かれるので、男を愛し尽くして突き抜けてしまう女の情念が最後は恐ろしいほどでした

阿部定を演じる松田英子さんは決してセリフ回しなどは上手とは思わないんだが、吉蔵との愛が深まるにつれて気持ちが行くとこまで行ってしまう表情の変化は戦慄するほど引き込まれました
吉蔵の精液を口から垂らして恍惚を浮かべる顔や狂おしいほど吉蔵を愛しく想う鬼気迫る表情などゾクゾクするものを感じました

また吉蔵も定に激しいまでの愛情を持ってはいるが、究極なまでの愛を求める定とのその差が後半に連れて出てきて、定の愛を受け止めていく中で少し戸惑いを見せ出す感情を藤竜也さんが上手く表現してました
2人でないと成り立たない作品と言えますね

マンコに卵入れて出すシーンや68歳の老婆と藤竜也がエッチするシーンなどちょっと"えげつない"(笑)場面もあるけど、大島渚監督の描く純和風に包まれた人間の剥き出しの愛と性をスクリーンで…やはりテアトル梅田で見たら良かったなーとモヤモヤしました(笑)