「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

ゲキ痩せは鼠径ヘルニアの放置が原因

2007年03月14日 | 素晴らしい指圧効果
  Kさん(74歳男性)は2カ月ほど前から少しずつ痩せ始めていました。多少お腹も出ていたので、ご本人は「スマートになってきた」と言って喜んでいましたし、加齢とともにわずかづつ痩せていくのは、健康面から考えるといいことであり、身体を圧(お)した手応えでも状態はよくなってきていたので、私もあまり気に止めずに見ていました。

  ところがここ2~3週間は、少し痩せ過ぎてきた感じになり、本人から「胃の具合が悪い」とか、「まったく食欲が出ない」「なにも食べたくない」等訴えが色々と出始めました。見た目にも生気がなくなっていくように感じはじめていました。
  先週、早朝にKさんの奥様から携帯電話に連絡が入り「本人が、どうしても出かけたくない、とおっくうがるので、今日の指圧をキャンセルして下さい」とのことで、その日の朝の予約はいったん取りやめになりました。
  午後のゆっくりした時間に、1件別のキャンセルが出て時間が取れることになったので、電話をして「無理でなくゆっくり出かけられるようでしたら、いかがでしょうか」と言ってみたところ、息子さんに車で送ってもらって来院されました。
  足取りは、フラフラし、あまりの激痩せに皆ビックリ。顔付きまで、変わってしまって、その表情に恐さすら感じたのは、私だけではありませんでした。
 
  あらかじめ鈴木林三先生に事情を話し、指導を頂いていたので、注意深く施術してみました。施術後半、これは、1時間もかからずに終了となりそうだなと思いながら圧していましたが、最後の腹部指圧で、あまりにも力をなくした状態におどろきました。
  急に痩せたせいで皮膚はたるみ、腹部全体が、ペトペトで、何の手応えもないほど頼りなくなってしまっていました。ゆっくりと圧すなかにわずかに手応えが出始めてきました。
  この段階で、鼠径ヘルニアがあり、それが障りになっていることは容易に判断できたのですが、ご本人から20年以上なにもせず放置したままと聞き、思わず「痛くなかったのですか?」と聞いたのですが、痛くなかったとの返事には、こんなこともあるのかとビックリしました。

  鼠径ヘルニアの治療をして、出てしまった小腸のほとんどは、腹部へもどすことができたのですが、長年出っぱなしで放置されていた小腸がカチカチに固くなってしまっていて、これはすぐには戻りそうもなく、今回はここで終了しました。
  20数年もの間、出っぱなしになっていた小腸が、カチカチに固くなっているのは、内容物が、固まったためです。この固さは、うまく直るかどうかは、やってみなくては、わかりません。身体に力があればなんとかなるかも知れません。時間の取れる限り挑戦してみようと思っています。

  年齢からいっても、外科的処置よりとにかくいったん腸を元に戻してから、この先どうするかを考えたいと思っています。あせってどうなるものではありません。1回1回の治療を大事にしていこうと思っています。
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