「基本指圧」に憧れて ― 村岡曜子のブログ

我が国固有の指圧を広く浸透させ、社会の保健と福祉の増進に寄与したい。

自律排便に明るい兆し、基本指圧の効果に驚く

2010年02月24日 | 素晴らしい指圧効果
 本年1月7日からスタートしている二分脊椎症Sさん(18歳女子)の、排便管理プログラムでの途中経過を報告します。彼女は、18年間に全身19ヵ所メスが入っています、さぞ大変だったと思います。指圧をしていて感じる彼女の印象は、とにかく「我慢強い」の一言に尽きます。

 初回の指圧直後に彼女の顔が可愛らしくなったことは、以前、このブログに書きましたが、実は顔の変化がその後もずっと続いています。彼女の頭部には6ヵ所メスが入っているため、頭部顔面の骨格の変形が強いのです。
 頬骨も顎の骨も出ておらず、鼻骨も凹んでいました。それらの骨格が前頸部の変化に比例して緩んで拡がり、それぞれの骨が出っ張ってきました。当初、鼻骨がないので眼鏡がずり落ちると訴えていましたが、何だかずいぶん鼻が高くなり、頬骨も顎の骨も出っ張ってきて、顔の凹凸がついてきました。ドンドン可愛らしくなっていくのには、周囲はもちろんなにより本人が大変喜んでいます。

「〇〇ちゃん、排便管理が目的の指圧だけど、嬉しいオマケが付いてきちゃったね!」
「ウン」
 嬉しそうに大きくうなずいていました。私も嬉しくて、ついジロジロと彼女の顔を見てしまいます。
「ゴメンね。ついジロジロ見ちゃって」
「いいえ大丈夫」
 ニッコリ笑って答えます。
 丹念に頭部顔面を圧してみました。まだまだかなり改善が期待できる状態だと確認できました。そこそこのところまで変化したら、写真で紹介したいと思っています。驚きですよ……。

 2月21日の施術中に、彼女から嬉しい報告がありました。プログラムスタートから6週間と3日目にあたる2月20日、肛門に内側から圧迫感を感じてトイレで腹圧をかけたら、なんと便が出たというのです。彼女にとっては、便意というものは今まで経験のないことなので、それがどういう感じであったかを一生懸命伝えようとしてくれました。
「それが便意なのよ」
「……」
 まだプログラムが始まったばかりですから、便の性状が不安定です。腹圧をかけて排便できたのは確かなのですが、直後に続けて多量の下痢があったということでした。まだまだ排便の自律とまでは行きません。
 この日、今まで何の手応えもなかった腰部にも手応えが出てきました。この手応えの先に便性の好転があると、圧しながら感じています。

 それにしても彼女は、我慢強い! かなりの頭痛があるはずです。施術後「頭痛い?」「ハイ、ちょっと」。骨格が動く時は、痛みを伴います。いかに好転反応とはいえ、辛いときは休んだらいいと再度伝えました。
 まだ13回目の施術なのに、なぜこれほどの効果が出るのか? 圧している私自信も不思議です。これはなによりも本人の強い意思がそうさせるのだと感じています。決して誰もが出せる効果ではないことも、お伝えしておきたいと思います。

 首や肩が凝ると、よく頭が痛くなります。彼女の首や肩の凝りも尋常ではありません。実は頭痛と下痢は、腹部ではほぼ同じ場所にコリがあるのです。顔の骨格の変化の中に排便の自律もあるのだと、今更ながらに部分でなく全身を圧すことの大事を実感しています。

 基本指圧を施療できることが、いよいよ楽しくなってきました。またよい報告ができるように頑張ります。
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