Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ネットは「読むメディア」である

2010-02-12 23:59:59 | Thinkings

 最近本を読む機会が減った、とあからさまに感じているのはたぶん、私だけでは無いはず。私の場合はライフスタイルの変化もかなり大きいのですが、それで純粋な意味での「読書量」が減ったかと言われるとたぶんNOだ、とここ数年はずっと思い続けてきました。
 と言いますのも、ウェブに入り浸るようになってから、ニュースにしても調べ物にしてもほとんどがウェブで事足りるようになりました。そのウェブ上に存在する無数のコンテンツの主役は、映像でも音声でもなく、なんてことはないプレーンテキストであることは今も昔も変わらないからです。
 日常的に更新されるニュースサイトにSNS、RSS登録してあるブログ、暇つぶしにはしごするWikipediaと、以前からは信じられないほどの文量を、これまで読書をしていなかった層であっても消費している訳です。

 このような事は感覚的には知られていることでしたが、カリフォルニア大学サンディエゴ校などの研究によって、改めて確認されたようです。

ネット時代で「読む量」が急増:研究結果 WIRED VISION

カリフォルニア大学サンディエゴ校などの大規模な研究から、長年一部で疑われてきたことが正しかったと確認された。それは、新しい技術が普及するにつれて、われわれは昔よりもはるかに多くの文字を読むようになってきているということだ。

 なんでも、インターネット以前のテレビ中心のメディア時代と比べると、約3倍の量の文量を消費している計算になるのだとか。24時間という可処分時間は変わりませんから、これは地味にすごい数字です。

 確かに、映像や音声は、文字情報よりもある意味わかりやすく、かつ消費に適したメディアです。しかしながら、文字に比べて編集が煩雑であったり、再生する環境に気を使ったりと、即時性や簡易性に欠ける部分は否めません。このブログにしても、なんの変哲もない文書であるから、毎日更新なんて事が気軽・・・でも無いけれど出来ているわけです。「伝える」という事に関しても、「少ない労力で最大限の情報を渡す」ことにうまく特化できているのが文字情報だと思うのですよ。

 誰でもすぐに書くことが出来るお手軽さに、優れた検索性も相まって、今後も文字情報はウェブ上のコンテンツの主役であり続けることでしょう。先ほども書きましたけれど、使える時間には限りがありますので、読書量はそのうち頭打ちになるでしょう。しかしながら、本や新聞などの活字離れが叫ばれている中、こういう調査結果がはっきりと出てしまうと言うのはある意味皮肉な話だな、と考えてしまいました。