Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ブログに著作権は無い?

2008-07-21 23:59:59 | Thinkings
 私がほぼ毎日更新しているこのブログ・・・なんだかんだで平均1時間以上の時間を費やしている訳ですけれど、その記事が引用の記載無しでコピペ、つまり、さも自分で書いた記事であるかのようにアップされていたとしたら、何とも言えない憤りを感じることでしょう。・・・仮定形なのは、私がやられたことを確認していないから。引用とかはありますけれどね。

 世のアフェリエイト目的のブログの中には、自分で一切記事を書かず、おもしろそうなネタを扱っているブログ記事をそのまま転載するというハイエナが結構な数存在します。せっかく書いた記事が他人の金儲けの道具に使われてしまうというのは、自分も記事を書いている身としては許せない行為ですが・・・それを著作権で訴える場合、自分のブログの性質を見直す必要があるようです。

ブログ無断転載の裁判傍聴記、「著作物に当たらず」 知財高裁 ITmedia
 インターネット上で公開した裁判傍聴記を無断で別のブログに転載されて著作権を侵害されたとして、筆者の男性が、インターネットサービス大手のヤフーにブログ記事の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が17日、知財高裁であった。飯村敏明裁判長は、傍聴記の著作権を認めなかった1審東京地裁判決を支持し、男性の控訴を棄却した。裁判傍聴記の著作権が争われた訴訟では初の高裁判断。
 飯村裁判長は、男性の傍聴記について「ありふれた表記で格別な工夫が凝らされてはおらず、筆者の個性が発揮された部分はなく、創作性は認められない」と指摘し、「著作物にはあたらない」と結論付けた。
 せっかく記事を書いたのに、その記事には「創作性が認められず」、「著作物にあたらない」。だから無断転載でもOK・・・ということです。となると、自分の書いた記事に「創作性」が認められなかったら、その記事の著作権は存在しなくなるということに。
 そんな判断をされてしまったら、一生懸命書いたかいが無いというもの。それでは、一体どんな場合に、著作権が認められないというのでしょうか。もっと具体的に言えば、今回の事例では、何で著作権が認められなかったのでしょうか。
 この判決の根拠となっている著作権法ですが、
著作権法(昭和四十五年五月六日法律第四十八号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

(著作物の例示)
第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
(中略)
2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
となっており、今回の対象の記事は、「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」と判断されたと言うことですね。で、問題のブログ記事はこちら。
「携帯電話販売会社や消費者金融会社との株式交換で利益計上」ライブドア事件証人・丸山 サトシ氏への検察側主尋問堀江貴文ライブドア事件裁判傍聴記
 一目瞭然ですけれど、単なる事実の羅列です。私個人の意見としては、判断は正しいと言わざるをえません。

 著作権の存在するか否かの判断については、色々と考え方があるようです。例えば新聞報道等についての考え方は色々とおもしろいことになっています。ちなみに、主観だらけの私のブログの記事は、概ね著作権が発生すると考えても良さそうです。ちょっと安心しました。

 最近のネットの発達により、ユーザーからはすっかり邪魔者にされてきている様に感じる著作権ですけれど、それがまったくないがしろにされていいといういわれは全くありません。しかしながら、それの適用範囲を誤ることもまた、将来的に大きな不利益を残すことにもなるのです。今回はネット世界の片隅で起きた事例ですけれど、現状を見直すという意味では良い出来事ではないでしょうか。