Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

衝撃の駆動時間 WILLCOM D4のバッテリー

2008-07-04 20:58:46 | Technology

 私は、IntelのAtomに対して、過度な期待をかけすぎたのかも知れません。それとも、シャープの社内で何かあったのでしょうか?

 世界初のIntel Atomプラットフォーム搭載モバイルインターネットデバイスであるWILLCOM D4。そのPSPよりも一回り大きい程度の筐体でWindows Vistaを走らせ、無理をすれば通話もできないこともない、というギミック好きにはたまらないマシンです。

 しかしながら、リリース記事には不安な点が一つ。それは、Atom導入において最大のキモとなる「バッテリー駆動時間」が最近まで伏せられ続けていたことです。Atomは、その安価な提供価格もさることながら、最大のウリはx86プロセッサ・・・つまり普通のPCと同じ仕組みで、驚くほどの低消費電力を成し遂げたこと。これによって、大容量のバッテリーを搭載できない小さな機器、果ては携帯電話程度のサイズでも実用的な駆動時間を確保できると期待されていたのです。

 ところが、その肝心のバッテリー駆動時間がいつまで経っても「現在計測中です」。そして、突然の発売延期。このブログでも5月24日にリリースの遅れとバッテリーについて記事を書いていますけれど、どうやらそれが当たってしまったようです。

WILLCOM D4、標準バッテリーは約1.5時間駆動 engadget

Eee PC 901などミニノート(Netbook)向けではないハンドヘルド機器向けのAtomプロセッサ (Silverthorne, Zシリーズ)は処理性能比できわめて低い消費電力と低発熱を売りとしていますが、「Centrino Atom / Windows Vista端末」として世界初の製品となるD4では約1.5時間駆動&ファンも元気に回るエッジな仕上がりとなったようです。

 筐体が小さくなればなるほど、物理的な体積が減少するためバッテリーの容量は厳しくなりますし、発熱においても放熱効率が悪くなるため不利になりがちです。・・・ファンがついていたのは意外でしたけれど。

 ここまで発売が伸びたこと、そしてバッテリー駆動時間が伏せられていた理由は、発表を見る限り「あまりにも電池の持ちが悪すぎる」という事で間違いなさそうです。
 正直なところ、かなり期待はずれであると同時に、半ばやっぱりな的な事も思わなくはないです。せめて2時間はもって欲しかったですね。うまくいくならば、WILLCOM D4は携帯電話のマイルストーン的なデバイスになれたはずだったのですが・・・やはり、Atomは良くても周りのデバイスに引っ張られてしまったのでしょうか。それとも、携帯電話でフルスペックのVistaを動かすというのがそもそも無謀だったのでしょうか。

 とりあえず買われる、もしくは購入を検討される方は、現在の携帯電話を解約せずに、WILLCOM D4は二台目として、もしくは全く別のモバイル端末として考えた方が良さそうです。Vistaが起動していないと通話ができない・・・つまり、待ち受けが1.5時間しかできないってことで、電話としては使い物にならないでしょうから。