祖母の葬儀が無事終った。
大正年間の生まれで、関東大震災も第二次世界大戦も高度成長期もバブル期も経験した。二・二六事件の日の大雪は腰まであるほどで大変だったと言っていた祖母、一世紀近く生きるというのはこれほどの歴史に立ち会うことなのか。
祖母に関する母の一番の思い出は、終戦の日の夜、祖母が「今夜からこれは要らなくなるわね」と言って、灯火管制のために電灯にかけていた布を取りさっていた姿だったそうだ。その夜から明るい食卓を囲むようになったとのことだ。
その夜以来70年、日本は平和を享受する幸せな時を過ごしてきた。
いろいろなことがあっただろうとは思うけど、祖母の人生は幸せだったのではないだろうか。
最期の時、この人は幸せだっただろうなと思ってもらえる人生を私も歩みたい。