日々の文章(すなわちこのブログ)がもう少し上手に書けたらいいと思って、文章術のたぐいが書かれている本を何冊か続けて読んだ。
それらの文章読本類とは別に、しばらく前から断続的に読んでいた川端康成の小品集には小説のエッセンスが凝縮されていた。習作のような作品も含まれているが、そこは川端、それぞれは一流画家の習作でみるのとおなじでどれもよく書けている。鎌倉文学館に行った時にも感じたが、原稿用紙に字を埋め、形にして世界を作ってしまう作家というのは凄い人達だ。
コロ健にもそんなことができるようになれるに違いないと思いながら書き続けよう。
2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1535ページ
ナイス数:125ナイス
掌の小説 (新潮文庫)の感想
短編、小編122編。どれも奥深く、一編一編読むのに骨を折った。プロの作家、それもノーベル賞作家というものはこれほどの文章を書いてしまうのかと思うと、戦慄を覚えた。なによりも、この短編集に対して、総括するような感想を書くことができない自分というのは凡人なのだと改めて自覚する。すごい人だとしかいいようがない。一番のお気に入りをあげるとすれば「愛犬安産」。川端康成の素顔をうかがい知ることができる楽しい作品だ。
読了日:5月31日 著者:川端康成
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう (講談社現代新書)の感想
タイトルにひかれ手に取った。サラリーマンが、週末を利用して文章を書くことを勧める本。ある意味夢のある本だが、行間には二足のわらじの大変さが見え隠れする。夢想しているばかりじゃだめで、まずは書き溜め、ついで企画書を作る。それぐらいできなければ書く資格はない。「どうしたら書けるのか」というアウトラインを教えてくれ、「書きたい!」というモチベーションを高めてくれたいい本だった。
読了日:5月19日 著者:廣川州伸
置かれた場所で咲きなさいの感想
苦しいからこそ、もうちょっと生きてみる。神は力に余る試練を与えない。倒れても立ち上がり、歩き続けることが大切。苦しい峠でも必ず、下り坂になる。失ったものを嘆いても前には進めない。悩みを抱えている自分も大切に。現実が変わらないなら、悩みに対する心の持ちようを変えてみる。相手を生かすぬくもりのある言葉を使える自分でありたい。不機嫌は立派な環境破壊。ただ笑顔でいよう。こんな時だからだろうが、すべてがストンと腑に落ちた。
読了日:5月15日 著者:渡辺和子
150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方の感想
目次を読んでいたら誤字をみつけて、不安を感じてしまった。だが、読メの読者の感想文が好意的なものが多かったからこそ購入した本、不安には目をつぶって最後まで読んだ。読み進めると、学校で習わないコツがたくさん書いてあった。150字、300字、800字の区別、6章にあるテクニックはブログを書く上での参考になった。”おわりに”の「・・・ネガティブな考えで文章を書くよりも、人を称賛したり、感謝したり、期待したり、ポジティブな考えで書くほうが楽しいはずです。」はこの一冊に込めた著者の思いが伝わってきて嬉しかった。
読了日:5月10日 著者:高橋フミアキ
キレる女懲りない男—男と女の脳科学 (ちくま新書)の感想
著者は科学者であると同時に女性で、結婚していて子供(息子)がいる。こういうバックボーンのある人だからか、脳の性差の解析・解説すべてが腑に落ちた。また、一つの職場で同じ目的に向かって男女が協力して作業していく難しさを改めて納得した。これまで、男女の役割分担について考えてきたたつもりだったけど、分かりあうということとは別のことだった。それにしても、私も50歳を過ぎている、これまでしてきたこと、生きて来たことをまとめる年になってきたわけで、そんなアウトプットができたらいいなと思う。
読了日:5月4日 著者:黒川伊保子
男と女のワイン術 (日経プレミアシリーズ)の感想
ワインの基礎が、噛んで含めるように繰り返し書かれている。ビールとワイン(赤、白)と日本酒といったカテゴリーで飲んでいてはもったいないのは分かるけど、やっぱり詳細を覚えるのはなかなか難しい。まずは、白はリースリング、ソービニヨン・ブラン、シャルドネ、赤はカベルネ・ソービニヨン、メルロー、ピノ・ノワールがあるということを意識してラベルをみてみようと思う。だけど、シャブリのラベルには”シャルドネ”って書いてなくて、いつも私を悩ませる。どうしても美味しいワインが飲みたかったら五千円出しましょう。
読了日:5月3日 著者:伊藤博之,柴田さなえ
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