ON THE ROAD

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『ゾラの生涯』

2021-07-03 01:42:39 | 洋画
世の中色々衝撃を受ける作品はあるが、私は久々にこの作品で衝撃を受けた。

最近エミール・ゾラの作品を読みたいと思っていた、予習的な意味を込めてこの作品を読んだ。アカデミー賞を獲ったとはいえ、30年代の作品で今更楽しめる代物ではないと思っていたが、普通に面白くて驚いた。面白くないだろいうという前提で観るのもどうかと思うが、いい意味で期待を裏切られ、衝撃を受けた。

当初はゾラの伝記映画というつもりで観たが、普通に社会派映画だ。代表作の『居酒屋』については全く触れられておらず、メインは「ドレフュス事件」について。
私はこの「ドレフュス事件」というのは全く知らなかったが、フランス軍にとって恥ずべき冤罪事件とのこと。地位を得て、既に裁判の結果も出たこの事件に意を唱えるのはとってゾラにとってリスキーでしかないが、正義を信じて軍を非難する文を表明する姿には胸を打たれる。腐敗を問いただすような裁判者が好きなわたしにとってはたまらない展開である。

古い映画はつまらないだろうという固定観念に囚われていた私にとってはたまらない一作であった。ある程度の脚色はあるみたいだが、多くの人に観てもらいたいものだ。

ドレフュスが投獄されたという離島がもしやと思い気になって調べてみたが、『パピヨン』の舞台と同じ島なんだね。

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