この神田日勝という人のことは知らないが、巡回でステーションギャラリーで展示を行うくらいだからそれなりに名のある人なのだろう。後で知ったが、北海道の作家でドラマ「なつぞら」の登場人物のモデルにもなっているんだね。
絵の方は地方の貧しい暮らしを描いており暗く思い。なんだかアメリカンニューシネマを観ているような気分になる。デフォルメが効いた絵なのに、やたらリアルな暮らしぶりが見えてくるのは、やはり本人の育った環境が絵にそのまま表れているからだろうか。
色使いも暗い色が多いが、馬の内臓を描いた絵ではその鮮やかさがとても印象に残る。
代表作にして未完の作品の「馬(絶筆)」は不思議と未完成であることが完成に思えてしまう。作品の説明文には三十数歳で亡くなった自身の人生と重なるみたいなことが書いてあったが、私もそう思う。