男に3000万円貢いだ挙句、自分がこの世に存在している意義を感じなくなり、部屋に引きこもってしまったというOさん(28歳;女性)のお話を伺った。
岩佐さんと私がナビゲーターをしているBPIAの「目からうろこのビジネスモデル研究会」。
引きこもってやっていたことは、インターネットの仮想空間でのゲーム。そして、仮想空間での画像の売買。月に500万円儲けたこともあるという。
会員サイトに入って見せてくれたが、午後4時現在で9万人がログインしていた。Oさんは、最初マージャンゲームをやっていたが、アバタ-の洋服を着せ替えたり、自分の部屋を飾ったりするために、運営サイトが販売しているさまざまな画像を買った。中に限定販売のレアモノがあったりすると、プレミアムがついて売買の対象になる。その売買で儲けることを覚えたのだ。
そして、そこで出会った人々との会話を通じで、次第に仮想空間の仲間から信用されるようになり、手数料10%で売買の仲介などもするようになった。そのうちに、神様として尊敬されるようになっていったという。
引きこもりはしたが、携帯電話は持っていた。ただし97%と言っていたが、友達から連絡が来ても出ることはなかった。
そのOさんが引きこもりをやめることになった原因が、友人の死だった。自分より立派な友人が死んで、自分が生き残っている。なんとかがんばって葬式に出た。それが立ち直るきっかけとなった。
Oさんは、縁あって岩佐さんと出会うことになった。Oさんは、今では人前で堂々と話すことができるし、仕事もしている。これからやりたいことは、インドネシアに学校を建てるための活動をしている方の想いを引き継ぐことだという。
質問が出た。仮想空間の世界にも
マズローの欲求段階説は通用するのだろうか?
Oさんは、マズローの欲求段階説を知っていた。実社会と同じように通用すると感じているという。
引きこもっているときは、このままマウスを握って、いつか死ぬんだろうと思っていたという。引きこもりで困っているご家族がいたら是非お会いしたいとおっしゃる。
仮想空間も現実社会も彼女にとってはとても大切だという。
生きて社会のお役に立った後、死ぬときは、やはりマウスを持って死にたいという。
なんともさわやかな方だった。