片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

2年間の引きこもりを支えたインターネット仮想空間

2009年04月01日 | 感動したこと
男に3000万円貢いだ挙句、自分がこの世に存在している意義を感じなくなり、部屋に引きこもってしまったというOさん(28歳;女性)のお話を伺った。
岩佐さんと私がナビゲーターをしているBPIAの「目からうろこのビジネスモデル研究会」。
引きこもってやっていたことは、インターネットの仮想空間でのゲーム。そして、仮想空間での画像の売買。月に500万円儲けたこともあるという。
会員サイトに入って見せてくれたが、午後4時現在で9万人がログインしていた。Oさんは、最初マージャンゲームをやっていたが、アバタ-の洋服を着せ替えたり、自分の部屋を飾ったりするために、運営サイトが販売しているさまざまな画像を買った。中に限定販売のレアモノがあったりすると、プレミアムがついて売買の対象になる。その売買で儲けることを覚えたのだ。
そして、そこで出会った人々との会話を通じで、次第に仮想空間の仲間から信用されるようになり、手数料10%で売買の仲介などもするようになった。そのうちに、神様として尊敬されるようになっていったという。

引きこもりはしたが、携帯電話は持っていた。ただし97%と言っていたが、友達から連絡が来ても出ることはなかった。
そのOさんが引きこもりをやめることになった原因が、友人の死だった。自分より立派な友人が死んで、自分が生き残っている。なんとかがんばって葬式に出た。それが立ち直るきっかけとなった。

Oさんは、縁あって岩佐さんと出会うことになった。Oさんは、今では人前で堂々と話すことができるし、仕事もしている。これからやりたいことは、インドネシアに学校を建てるための活動をしている方の想いを引き継ぐことだという。

質問が出た。仮想空間の世界にもマズローの欲求段階説は通用するのだろうか?
Oさんは、マズローの欲求段階説を知っていた。実社会と同じように通用すると感じているという。

引きこもっているときは、このままマウスを握って、いつか死ぬんだろうと思っていたという。引きこもりで困っているご家族がいたら是非お会いしたいとおっしゃる。

仮想空間も現実社会も彼女にとってはとても大切だという。
生きて社会のお役に立った後、死ぬときは、やはりマウスを持って死にたいという。
なんともさわやかな方だった。

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5 コメント

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昨日はありがとうござました (伊谷)
2009-04-01 10:00:47
彼女の話を聞くと、人には本当に色々な生き方があると、改めて思います。
人の眼を見て喋れなかった彼女が、
人前で堂々と、自分という人間について話しているのを見ると、
引きこもりや、心が病んでいる人がたくさんいる今の世の中で、明るい希望が持てるような気がします。
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引きこもっている人、彼女に会ってほしいですね。 (片貝孝夫)
2009-04-01 15:35:42
引きこもっている時はドアの外に出るのも大変らしいですね。駅の改札も鬼門、電車に乗れなくて何本もやり過ごすなど、経験者でなければわからないこともたくさんあるようてますね。
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現実空間での常識を仮想空間から見ると (小富)
2009-04-01 16:14:07
バーチャル空間で自分の分身・アバターに着せる洋服を数十万円、数百万円で買い求めるという価値観に驚いたのですが、バーチャルから眺めて初めてわかる理解を超える価値観が沢山あるのだろうな。自分の顔は鏡がないと分からないように。鏡をもったOさんともっと話をしてみたかった。
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Unknown (佐々木)
2009-04-01 21:19:52
忙しさに負けて不参加だったことを凄く後悔してます(涙)
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残念でした (片貝孝夫)
2009-04-02 07:54:34
佐々木さん、いつか詳しく話してあげます。
小富さん。なかなか自分を見つめるチャンスはないですね。
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