片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

市民のためだけを考えて作る

2008年05月24日 | Biz/Browser

西宮市 CIO補佐官の吉田さんのお話を伺っていると感動で鳥肌が立つ。阪神淡路大震災のとき、助役から、なんとしてもコンピュータを復旧させろとの厳命を受け、すべての決定に決済は不要という絶対権限を与えられて、日立などの協力を得て不眠不休で回復にあたったという。11人のスタッフのうち3名の女子職員は、連絡を取るため出て行ったきり帰ってこない。被災者の救済を優先したため、帰ってこられなくなったのだという。
吉田さんのお宅も全壊した。吉田さんも、家族を打ち捨てて市役所に籠もった。被災者が今どこにいるか、状況はどうか、義捐金は確実に届いているか。すべて市役所のコンピュータに入力し、必要な情報を的確に、家族や親族、支援者に伝える。こうしてできあがった被災者支援システムは、今では地方自治情報センターに登録され、無償でダウンロードできる。
実は被災者支援システムそうだが、西宮市の情報システムは、住民をキーに、すべての情報が有機的に連携した美しい構造をしている。それは、昭和36年から一貫して職員の手でシステムを構築してきたからだ。そして昨年、これからのWeb化のために、Biz/Browserを採用した。あと2年もすれば、西宮市のすべての業務のフロントでBiz/Browserが活躍していることだろう。