片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

マイクロソフトのヤフー買収失敗に思う

2008年05月08日 | 私の正論
マイクロソフトは、Windowsで100億ドル以上、Officeで100億ドル以上の営業利益を稼ぐという。これが二本柱。これで年12%の成長を続けているという。しかし、ヤフーの買収に失敗した今、広告料収入のビジネスモデルは今後も作り出せないだろう。となると、この二本柱を死守して成長を続けることになると思われる。WindowdsOSは、サーバの分野では他の追随を許さない強さだ。しかし、ネットワークの端末となるパソコンでは、Browserだけあればいいというユーザが大半で、その下で動いているWindowsを直接必要としているユーザはパーセンテージから言えばわずかしかいないし、Officeについても、ネットワークで使える互換性のあるソフトに代替される可能性もある。マイクロソフトの将来を悲観的に見ると、世界有数のサーバOSベンダーになっているかもしれない。
昔ロータスの社長だった菊池さんが歯軋りして悔しがっていた。「OSメーカーがアプリケーションを作ったら、他のアプリケーションベンダーは必ず負ける」と。Officeは、世界のワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトを根絶やしにした。そしてこの分野の進歩が止まった。ユーザは、デファクトスタンダードによってもたらされる恩恵を受けてきたが、それ以上のものを手に入れることができなくなった。
インターネットが中心になったITの世界では、一社がすべてを独占することはできない。これからは、それぞれの会社は、何かの分野で特化し、インターネットを通じて他と協調し、ユーザーに価値を提供していくことになるのではないだろうか。