片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

性善説と性悪説

2006年04月08日 | 私の正論
端末を操作し、与信限度額を一瞬引き上げて、本来の与信限度額を超えた融資の実行し、また与信限度額を元に戻す。こういった操作は、権限のある人なら当然できる。日本の情報システムは、社員を信用している。社員は不正を働かないと考えてシステムを構築してきた。正面玄関は二重に鍵がかかっているが、裏は開け放たれている。
日本版SOX法は、正確に業務処理が行われる制度になっているかどうかが問われる。そもそもの入力データが正しいものかどうか、データの改ざんが行われた場合、容易に発見できるかどうかなどが問われる。性善説で、「社員を信じている」では、事故が起きたとき、社会に対して責任を取っていないということで経営者が刑事罰を受けるかもしれないという。
大変な時代になったものだが、不正のできない社会を創るための生みの苦しみだろう、IT産業に携わるものとして、もうひと働きしなければならない責任を感じる。