ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

いしかわ伝統工芸フェア

2016年02月06日 | イベント

輪島塗が大好きな友人に誘われて、東京ドーム、プリズムホールで開催されている
「いしかわ伝統工芸フェア」に出かけて行く。

彼女が懇意にしている漆職人さんのお店があり、そのお店も出展しているとのこと。

輪島塗は素晴らしいし、一生ものってことはわかっているけど、
やはり高価なので、ちょっと私には手が出ない。

でも、美しいものを見るのは楽しい

10時の開場時間を30分くらいすぎて到着したら、入口には長蛇の列。
みんな、こんなに集まるんだ

入り口で渡された投票用紙を手に、いろんなお店や作家さんの作品の展示を見ながら、進んでいく。
漆塗りの、壁掛けにしか見えないおしゃれな位牌、なんていうのもあって、私が死んだらこれがいいなあ~なんて思ったり。

こんなかわいい仏壇もある。



入口近くには、商工会議所の人たちがお店番をする
「石川県36工芸産地ご紹介コーナー」というのがあって、ブースを出していない作家さんの作品や、
地域の工芸品などを展示即売している。

かねてから「いいザルが欲しい」と言っていた友人は、ここで気に入ったザルを見つけ、3~4個購入。
ザルとはいえ、そこそこいいお値段なので、ひとつひとつ箱に入ってる。
まだ見始めたばかりなので、名前と連絡先を書いて、預かってもらうことにして、支払いを済ませて歩きだす。

このあと、午後になって私はここで和紙を買う。



このことが、あとでびっくりな出来事を引き起こすことになろうとは、この時の私はまだ知らない。

11時45分からはフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏のデモンストレーションが始まる。
無料の上、写真撮影もOK

なんでも、バーグマン氏がプロデュースした漆の器は友人が懇意にしている「藤八屋」さんが制作したらしい。





バーグマン氏は流暢な日本語で、お話をしながら、ブーケとアレンジをどんどん作っていく。





彼のブースには他にもステキな作品が。

  

たくさんのブースを見て回り



金沢の老舗料亭「金茶寮」のお弁当をいただき、



石川県のゆるきゃら、ひゃくまんさんにも遭遇



九谷焼のオークションを冷やかしたりして、楽しい時間が過ぎる。

輪島塗の器は買えなかったけれど、

藤八屋さんの漆のネックレス、栓の木の大皿とパン皿



珠洲焼の一輪挿し、「おぼけ」という漆を入れておく容器を加工したもの、



など、ちょこちょこと買い物をして、充実した一日、になるはずだった。

このあと、私は、これまでの人生で3本の指に入るくらいのびっくりな出来事に遭遇することになる。

そろそろ帰ろう、と朝一番でザルを買った商工会議所のコーナーに友人が品物を受け取りに行くと、
「え?」っていう対応をされる。
まさかの商品が無い

カウンターの下にある紙袋は彼女が買ったものに比べると明らかに小さい。

ほんの少しの間、がさごそと探すそぶりをしていた、3人のスタッフは、こちらをみてひそひそ話している。

なんで、ちゃんと探さないんだろう?なんて思っていた。
「その残ってる紙袋の方と間違えたんじゃないですか?」
と尋ねると、
「いえ、これは別のお客様です」と断言なさる。

やがて、ちょっとエライっぽい人が登場し、友人になにやら話している。
時間がかかりそう、ってことで、私達はお土産に石川県のお菓子でも買って来よう、とその場を離れ、
戻ってみると、事務室のようなところに連れて行かれた。

金沢商工会議所の産業振興課長とか伝統芸能振興室長とか、肩書が書かれた名刺を差し出した男性が、彼女に説明を始める。

今の段階で商品が見つからない。
もう少し探してみて、結果を連絡したいので、連絡先と名前を書いてほしい。
一点ものなので、同じものは無いため、もし見つからなかった場合は、すでにカードで支払った代金を返金させてほしい。

申しわけないが、他人事だった私は、ちょっとぼんやりと聞いていた。

すると室長なる人が、下から見上げるように私を見て言った。

ただ・・・アルバイトの者が、その商品は青いコートを着た女性に渡したと言っている、と。

そう、私はその日、青いコートを着ていた。

一瞬、何を言っているのかピンとこない。
室長のなんだかイヤな感じの目で、やっと事態を把握する。

え?わたし?

いやいや、ざるは欲しくないから・・・、と出かかった言葉を飲み込む。
隣に欲しい人がいるのだ。

人間、あまりにも身に覚えのないことを言われると、何を言ったらいいかわからなくなるものだ。
何に対して釈明したらいいのか、見当もつかない。

和紙を買った時に、青いコートを印象付けてしまったのだろうか?
「この和紙は買いましたけど」
と言ったら
「ああ、ありがとうございます」とバカにしたようにおっしゃる。

はあ?

と思ってると、続いて、

「今日、これが終わったら、防犯カメラで確認します」などと、脅すようなことをおっしゃる。

どうぞどうぞ、確認してください。
なんなら警察を呼んでくださっても結構。
一緒に防犯カメラを確認したって構いません。

と言いたかったが、どうも友人はピンと来ていない。
ただ、なにやら変な展開に私を巻き込んでしまったことをとても恐縮しているので、なんとなく私一人で騒げない。
もしかしたら、グルだと思われてるかもしないのに、
この時点で私のようにスレていない彼女は、相手の悪意をあまり感じていないように見える。

そもそも、仮に私に渡したのだとしたら、その時点で本人確認をしていないってことに落ち度があるのに、
とにかく彼らは、ぜんぜん謝らないのだ。
いくら、本職のサービス業じゃないとしても、ありえない危機管理の無さ
万引きGメンだって、現行犯しか捕まえない。
この日の観客で青いコートを着ている女性が私一人のわけがない。
全員呼び出したら、彼らは識別できるのか・・・。

と悶々としていたら、なんとなく解散になり、
せっかくのステキな石川県のイメージがすっかり地に落ちたまま、電車に乗りこむ。

電車に乗ってから、15分ほどたって、やっと事態を実感してきた彼女が、じわじわと怒り出す。
考えてみれば、なんて失礼なと。

すっかりイヤな気分で家に帰り、せっかくだから、買ってきた一輪挿しに梅をかざる。



と、彼女からLINEのメッセージ。
さっき残っていた紙袋の持ち主が、中身が違うと届けに来てくれた、とのこと。
彼女が、私に謝ってくれ、と言いたいから連絡先を先方に教えていいか、と言うので、いやだ、と言った。

あんな対応しかできない室長さんが、ちゃんと謝罪できると思えない。
きっとイヤな想いをもう一度するに決まっている。

だいたい、もう声も聞きたくないし話したくもない。

翌日、彼女の自宅に、商品が無事届いたと連絡があった。
お詫びの一言どころか、通常の送り状すら入っておらず、商品のみがバンと送られてきたとのこと。

「田舎の人だからじゃないかなあ。彼らは同じことをされても腹がたたないのんびり屋さんなんだよ」

とあきらめムードの彼女。

田舎出身の私としては一緒にされるのは不本意ではあるけれど、たしかに一理あるかもしれない。

先にも書いたが、あまりにも身に覚えのないことをいきなり言われると、
人間、何に対して釈明したらいいか、まったく頭がまわらなくなるものなんだ、と思った。
冤罪で捕まった時ってこんな感じなのかな・・・、と。
とにかく、相手はこちらを疑っているので、会話が全然噛み合わない。
恐ろしい・・・。

この後、数日して、この時買ったネックレスが壊れた。

友人が連絡してくれたところ、購入した「藤八屋」さんからは、着払いで送ってほしい、との返事。
商品が先方に届いたところで、丁寧なお詫びの電話をいただく。

そして、きれいに修理された商品と一緒に、これまた丁寧な直筆のおわび状。

これが普通だ。

伝統工芸を継承している人たちは、一生懸命、誠実にやっているというのに、
それを広げなければいけない人たちがあんなことでは、
推進するどころか、完全に足を引っ張っている。

金沢商工会議所の産業振興課の方たち、もう少し、しっかりしてください


















 






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