ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】三谷文楽 ~其礼成心中~

2012年08月20日 | 演劇
暑い暑い日曜日の昼間、
妹と二人、渋谷のパルコ劇場へ

三谷幸喜さん、初の文楽
「其礼成心中(それなりしんじゅう)」を観に出かける。

NHKで放映されていた
三谷さん脚本の人形劇「新・三銃士」のようなノリかな、
と軽い気持ちで観に行ったのだけれど、
これがどうして、しっかり文楽だ

とはいえ、本物の文楽はテレビでちらっと見たことがある程度。
劇場へ足を運んだことはない

開演前には人形遣いさんが三谷幸喜さんっぽい人形をを持って現れ、
三谷さんが話す、上演中の注意などのアナウンスに合わせて人形を繰る。

描かれているのは近松門左衛門の「曽根崎心中」が
ヒットした後の世界。

さながら富士の樹海のように心中の名所になってしまった
大阪 曾根崎にある天神ノ森で饅頭屋を営む夫婦の
悲喜こもごもを描いているのだけれど、
まあ、笑えることったら

心中が相次ぐおかげで饅頭がさっぱり売れないので、
心中を思いとどまらせようと日々パトロールをしたり、
人生相談と饅頭をセットで売るという新商売を考えたり、
と現代でも起こりそうな出来事が次々と起こる。

もちろん、演じるのはすべて、
人形遣い3人に操られる人形たち。
セリフは三味線の音色と共に、4人の太夫によって語られる。

人形の動きのすばらしいこと

人形の顔にはもちろん表情は無いのだけれど、
手の動きや体のしなり具合で、喜びや悲しみが
ちゃんと表現され、いじらしいくらい。

おそらく、本物の文楽にはないであろう、
ねそべってじたばたしたり、
貞子のように すごいスピードでホフク前進したり、
水の中をダイビングさながらに泳いだり・・・と
人形遣いさん達の、技術とユーモアセンスに脱帽

人形に表情がない代わりに、
語り唄う太夫さん達の表情が豊かで、こちらを観ているだけでも
かなり楽しい

使われることばも、
「パトロール」とか「カミングアウト」「ネイルサロン」
などの現代の言葉がなにげなくちりばめられて、
思わず、くすっと笑ってしまう。

カーテンコールもさながら役者さんのよう。

脇役(もちろん人形)から、順に中央であいさつをし、
手を取り合ったり、抱き合ったり。

主役の二人(2体?)が最後に抱き合い、
周りの人形たちが拍手をしたり、お隣と頷きあったり、
と芸が細かい。

終わってみると2時間が過ぎていたが、
「え、そんなにたったの?」って感じだった。

ちょっと、本物の文楽も観て見たくなった。
前回の歌舞伎といい、私の中でかなりハードルが高かった伝統芸能が、
ちょっぴりだけど、近くに感じてきた。

三谷幸喜さん、あっぱれ

機会があれば、伝統芸能にも足を運んでみようかな、
と思わせてくれた、貴重な1日でした









コメント (1)
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