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中国社会経済史を通して整理する 

2023年02月16日 | 高3用 授業内容をもう一度

中国の商業と通貨には中国独特の歩みがあった。商業は周代にはそれほど盛んではなかったが,春秋時代には発展を示し,通貨はそれまでの貝やそれを模したものに代わって【金属貨幣】が広く用いられるようになった。【戦国時代】になると,農具型や刀剣型の貨幣が流通し,人口が数万に達する都市も出現した。
 前漢には,製鉄業の発展に基づく【鉄製農具】の普及により農業生産が拡大し,「都会」と呼ばれる経済都市が全国に10あまり出現していた。後漢では匈奴など周辺民族との間に「合市」と呼ばれる市場が開かれた。東晋の都【建康】,北魏の遷都後の都【洛陽】は,いずれも商業都市として栄えた。
 唐代には,農具の改良や広範な灌漑事業により,農業生産が急成長を遂げ,それに伴って商業も発展した。都市では【行】と称される【商人組合】が出現し,農村では【草市】と呼ばれる【定期市】が開かれた。
 唐代後期には,都市の中の住宅地区である【坊】と商業地区である【市】の区分がゆるみ,また夜でも市場を開くことが許された。さらに【飛銭】と称される一種の【手形】制度も出現した。
 宋代には人口100万と称された首都【開封】をはじめとして,大きな都市が多数出現した。海外貿易を管理する機関である【市舶司】は,唐代には【広州】だけに置かれていたが,宋代には【明州】,【泉州】などにも置かれるようになった。
 宋代に【交子】と称される紙幣が流通を始め,【南宋】では【会子】と呼ばれる紙幣が流通した。元朝は金,銀,銅銭の流通を禁じて【交鈔】という紙幣を広く流通させた。この紙幣は金,銀と兌換できたために信用を得,商業の発展を促したが,王朝末期には濫発により物価騰貴などの混乱を招いた。元朝は穀物などを【江南】から首都【大都】へ運ぶために運河を開き,これにより商人たちの商業活動も便利になった。
 明代には,海外から【銀】が大量に流入したことにより,銅銭や紙幣に代わって【銀】が主要な通貨となった。【絹織物】業の【蘇州】,【陶磁器】の【景徳鎮】など【手工業】都市が発展し,商業の一層の発達を促した。商人たちは【同郷者】,同業者の【互助組織】を作り,【会館】や【公所】を設けた。
 清代には,【塩業】の【安徽商人】,【金融業】の【山西商人】など大商人の集団が生まれた。【広州】では特許商人組合である【公行】を窓口として海外貿易が行われた。【19】世紀【乾隆帝】の時代になると密貿易により【銀】が中国から流出する事態が出現し,人々の生活に打撃を与えた。同世紀中葉以降,上海などの開港場が新しい商業都市となった。


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